Fox SportsとTwitter、W杯中継で連携

Fox Sports

Fox SportsとTwitterは、2022年(男子、カタール開催)と2023年(女子、オーストラリア・ニュージーランド共催)のFIFAワールドカップの試合中継で連携する計画を明らかにした。

試合自体はFox Sportsが持つテレビチャンネルやストリーミングサービスで中継し、試合の前後にはTwitter上でハイライト動画やインタビュー、視聴者とのQ&Aなどを配信するという。

Twitter上での無料配信によってより多くの人々の注目を集め、その人たちをFox Sportsの試合中継に誘導する。同時に、試合前後の配信を通して、新たなスポンサーシップや広告の機会を創造する。これらがFox Sportsの主な狙いである。

Twitterとしても、より多くのユーザーがより長い時間Twitterを利用するというのは大きな利益である。

実際、Twitterは近年、NFLやMLBといったスポーツリーグとストリーミング契約を結んだり、ESPNなどの放送局と提携したりして、スポーツ中継への関与を強めている。

今月4日には、WNBAとのストリーミング契約も更新。シーズンを通じて、ファンがWNBAのチーム・選手と親密になれるような双方向性の高いサービスを提供していく計画である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fox-sports-twitter-world-cup/
https://www.wnba.com/news/wnba-and-twitter-expand-partnership-to-include-twitter-spaces-and-streaming-of-regular-season-games-through-new-multiyear-deal/

TwitterとOpendorseが業務提携:学生アスリートのビジネス機会創造

以前の投稿で解説した通り、現在アメリカでは、学生アスリートが自らの名前や肖像を活用して収益を上げることを認める流れが生まれている。

複数の州で、そのような権利を保障する法律が成立し、NCAAも規則の変更に取り組んでいる。

同時に、学生アスリートのビジネス展開を支援しようと計画する企業や団体も動いている。

先週明らかになったTwitterとOpendorseの業務提携も、そのような動きの一つである。具体的な内容は以下の通り。

まず、学生アスリートを広告に使用したい企業が企画案を発表する(「人気バスケットボール選手による筋トレアドバイス」など)。

それに興味を持った学生アスリートは、企画案に沿ったコンテンツをOpendorseのプラットフォーム「Opendorse Deals」上に投稿する。

企業は、投稿されたコンテンツおよびそれに対する消費者の反応を簡単に閲覧でき、そこで評価・採用されたコンテンツはその企業の広告に取り入れられる。

こうしてできた企業広告はTwitter上で流され、その閲覧数などに応じて出演した学生アスリートに報酬が支払われる。

Twitter Sportsのデビット・ハーマン氏は「我々はずっとアスリートたちにコンテンツを制作するように、そして規則が変わり次第、報酬を受け取れるように働きかけてきました。Opendorseとの提携は、カレッジスポーツのあらゆる種目において、様々な機会をアスリートに提供します」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/twitter-opendorse-student-athletes-video-content-monetisation
https://www.si.com/college/2021/06/03/twitter-opendorse-ncaa-athletes-video-sponsorships

WNBA、Twitterとのネット放映権契約延長

今週、WNBAはTwitterとのネット放映権契約を延長したことを発表した。

この契約に基づき、2020年のレギュラーシーズンは10試合をTwitter上(リーグの公式アカウント)で中継する。過去にはMLBなども同様の契約を結んでいる。

WNBAがTwitterで試合中継をするのは4年連続となる。

WNBAの2020年シーズンは7月25日に始まり、9月12日に終了予定。試合はすべてフロリダ州で開催されている。

また、試合中継に加え、TwitterはWNBAのハイライトやPRコンテンツも制作・投稿する予定である。

この契約に際して、WNBAコミッショナーのキャシー・エンゲルバート氏は、Twitterについて「WNBAのメディア戦略に欠かせないピース」と語り、Twitterのスポーツ・パートナーシップ部門長のTJアデショラ氏はWNBAを「長年にわたる最重要パートナー」と表現した。

なお、WNBAの試合中継はESPNやABCといったテレビでも行われている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/wnba-twitter-2020-live-streaming-rights-deal-basketball-florida

NHLの放映権争奪戦

NHLは、2004-05年シーズンのロックアウト(選手のボイコットによる全試合中止)以来、全国放送の試合中継はNBCがすべて行ってきた。

一つのテレビ局が独占放映権を持つのは、北米四大スポーツリーグでは珍しいことである。

他リーグでは、NFLが4局、MLBが3局、NBAが2局と全国中継の放映権契約を結んでいる。

MLBを例にとれば、ESPNが日・月・水曜日のナイター、Fox Sportsが土曜日のデーゲームおよびナイター、TBSが日曜日のデーゲームを中継している。

このように複数のテレビ局と契約を結ぶことで収入源が増え、また、各局が抱える独自の視聴者層にアプローチすることができる。

一方NHLは、前述したロックアウトが原因で、複数局と好条件で契約することが困難になり、NBCとの独占契約を結ぶことになった。

そのNBCとの契約が2020-21年シーズン後に切れる。

関係者によれば、NHLはNBCと契約延長はせず、複数のテレビ局と契約することを検討しているという。

まだ交渉は始まっていないが、すでにESPN、Fox Sports、Turner Sportsといった大手スポーツ局、そしてAmazonやTwitterも放映権獲得に興味を示しているという。

週末の試合はESPNでテレビ中継、平日のデーゲームはTwitterでネット中継というようなこともあるかもしれない。

今後、NHLの放映権契約に関するニュースを目にしたとき、どこのテレビ局(あるいはネット中継プラットフォーム)との契約なのかだけでなく、何曜日の試合なのか、プレーオフは含まれるのか、なども注目すると理解が深まるだろう。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/05/27/Media/Sports-media.aspx

スポーツ中継の動向⑩ Amazon、Twitter

以前の投稿で紹介したように、Amazonは2017年にNFLと1年契約を結び「Thursday Night Football」のネット中継放映権を獲得した。その後AmazonはNFLと2年1億3000万ドルの契約結び「Thursday Night Football」の放映権を2シーズン分更新した。また、Amazonが2014年に買収したTwitchは、eスポーツのネット中継プラットフォームとして絶大な人気を誇る。

Twitterは、NFL、MLB、NHL、MLSといったスポーツをネット中継してきた。

このように、ここ数年、Facebook、Amazon、Twitterといった企業が次々にスポーツ中継ビジネスに参入している。しかしこれらの企業にとって、今はまだスポーツ中継のコンテンツとしての価値を見極めている段階である。

TwitterのTJ Adeshola氏は「我々が2016年にNFLを中継した際に学んだことは、ライブで人気コンテンツを放映するとTwitterユーザーはより没頭するということ。より長い時間滞在し、ツイートする。我々にとってはそれこそが最も重要なことです」と話す。

FacebookのPeter Hutton氏は「我々は色々な国で、色々なスポーツを、色々な形で試してきました。様々な可能性を探って、我々にとって最も相性の良いものを見極めることが重要です。結論を急ぐことは簡単。でもそれは我々の望むところではありません」と語る。

実際、放映権を購入したことがニュースになりがちだが、各社が放映権獲得を見送るケースも多い。たとえば、PGA Tour(ゴルフ)やWWE(プロレス)、Formula One(オートレース)といったスポーツの放映権が販売された際に、Amazon、Facebook、Twitterといった企業は興味は示したが本気で放映権を獲得しようとはしなかった。

AmazonなどはESPN+と違い「スポーツ中継プラットフォーム」としてブランディングをしているわけではない。スポーツは、ユーザーを引きつけるための一コンテンツに過ぎない。極端な話、Thursday Night Footballのみ放映し続ける可能性もある。

Amazon、Facebook、Twitterといった企業が今後どの程度スポーツ放映権を獲得しにいくかはまだまだ不透明である。

参考文献:
https://techcrunch.com/2017/05/11/twitter-announces-a-new-deal-for-year-round-nfl-content-that-includes-live-video-but-no-games/
https://techcrunch.com/2018/03/12/twitter-snags-the-major-league-soccer-live-streaming-deal-from-facebook/
https://www.nhl.com/news/nhl-games-to-stream-live-on-twitter/c-281227666
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/10/15/In-Depth/Main.aspx

スポーツ中継の動向④ NFLのネット中継戦略

前回はMLBのネット中継戦略を紹介した。同じネット中継でも、NFLの戦略は少し異なる。

2015年、NFLはYahooと契約を結んで、一試合だけYahoo.com上でネット中継を行った。この契約が画期的だったのは、この試合が独占放送であった(つまりテレビでは放送されなかった)という点である。この試合は1500万人に視聴され、その33%は海外での視聴であった。海外人気を重要課題に挙げているNFLは、ネット中継の可能性を好意的に捉えた。

続いて2016年、NFLはTwitterと1年1000万ドルの契約を結び、「Thursday Night Football(木曜日に開催される公式戦。週末の試合に比べ、視聴率が低い)」をTwitter上で中継した。最初の中継では毎分24万3000人の視聴者を記録し、NFLの期待に応えた。

2017年には、Amazonと1年5000万ドルの契約を結び、同じく「Thursday Night Football」をAmazon Prime上で中継した。Amazon Primeは世界200か国で視聴可能であり、NFLは英語圏外のファンのためにスペイン語・ポルトガル語での実況も提供した。

これらの契約に共通するのは短期契約であること。
MLBの方針が「MLBをあらゆるプラットフォームで視聴できるようにする」という積極的なものであるのに対し、NFLはネット中継の効果を慎重に見極めようとしているようである。「まずはYahoo、Twitter、Amazon、いろいろ試してみて、それぞれの良し悪しを明らかにしよう」という印象である。

MLBのレギュラーシーズンが160試合以上あるのに対し、NFLチームは16試合。MLBの視聴率や人気が低迷しているのに対し、NFLは依然好調。こういった要素が、2つの組織のネット中継戦略に違いをもたらしているのかもしれない。

参考文献
https://www.cnbc.com/2015/10/26/yahoo-attracts-15m-viewers-for-live-streamed-nfl-game.html
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2016/09/26/Media/Sports-Media.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2017/04/10/Media/NFL-Amazon.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2017/09/11/Media/Amazon.aspx

スポーツ中継の動向③ MLBのネット中継戦略

2017年7月、Discovery CommunicationsのDavid Zaslav氏は北米四大スポーツリーグのコミッショナーにインタビューを行った。

インタビューの中で、Zaslav氏は「人々がどのように映像コンテンツを楽しむかが変わってきている。彼らの行動パターンが変わり、利用するプラットフォームが変わってきている。これが四大スポーツリーグがこれから直面する問題である」と問題提起をした。

これに対して、MLBコミッショナーのRob Manfred氏は「従来のケーブルテレビはこれから先もなくなることはない。同じ規模で残ることはないかもしれない。それでも、なくなることは決してない」とした上で「MLBをあらゆるプラットフォームで視聴できるようにしなくてはならない」と語った。

他リーグのコミッショナーもほぼ同じ意見で、簡単にまとめれば「ケーブルテレビビジネスはこれからも大事。しかしそれ以外のスポーツ中継方法も積極的に探っていく」という結論であった。

ここで重要になるのが「テレビ以外の中継方法」が具体的に何を指すか、という点である。これはもちろんネット中継を指すのだが、ネットと言っても様々である。

たとえばMLBは、自らが運営するMLB.TVで2002年からネット中継を行ってきた。このMLB.TVでは、顧客から会費(年18~25ドル)を徴収することで利益を上げている。Netflixと同じようなビジネスモデルである。

これに加え、2017年5月からはFacebookとTwitterと契約を結び、公式戦を中継し始めた。MLB.TVと異なり、Facebook・Twitter上での中継はすべての人に無料で公開されている。その代わり、MLBはFacebookとTwitterから放映権料を徴収している。従来の放映権ビジネスに似たビジネスモデルであると言えるだろう。

さらにMLBは2018年11月、動画配信会社のDAZNとの契約を発表した。2016年設立のDAZNは、日本ではJリーグのネット中継を行っているが、北米では「格闘技のネット中継チャンネル」というイメージが強かった。今回のMLBとの契約は、DAZNが格闘技に留まらず、北米スポーツ業界で存在感を強めていこうとする姿勢の表れととれる。

一方で、MLBは、より多くの方法で試合を中継できるようになる。契約に際してManfred氏は「この度の契約は、MLBをすべてのプラットフォームで視聴できるようにするという取り組みの一環である」と述べた。

参考文献
http://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2017/07/31/Media/Sports-media.aspx
https://www.mlb.com/live-stream-games
https://www.forbes.com/sites/maurybrown/2017/05/25/live-mlb-games-begin-streaming-to-twitter-on-tuesdays-comes-on-heels-of-facebook-deal/#3433619b5f0d
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/102400053/012000014/
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/11/19/Media/MLB-DAZN.aspx