NHL、「ヘルメットスポンサーシップ」を検討中

Photo Source: NHL.com

Sportsnetの報道によれば、NHLが選手のヘルメットにスポンサーのロゴをつけることを検討しているという。

NHLはユニフォームやヘルメットをスポンサーシップに活用することを禁止してきた。これが解禁されれば、大きな意味を持つ。

他の北米リーグでは、NBAがユニフォームスポンサーシップを2017年に導入しMLBも同様のスポンサーシップを検討していると言われている。

もし「ヘルメットスポンサーシップ」の導入が決定すれば、コロナウイルスの影響で収入が減少しているNHLチームにとって重要な収入源となる。

他の北米リーグもスポンサーシップに関する制限を解除することによって、各チームに新たな収入源を与えようとしているが、NHLはこれまでそのような動きは見せてこなかった。

一方で、ヘルメットスポンサーシップの実現可能性や詳細は不透明である。

NHLにとっての最優先事項は新シーズンのスケジュールや開催方式を確定することであり、その問題が解決してからヘルメットスポンサーシップの議論が深められると考えられる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nhl-helmet-sponsorship

NHL「ユース・アドバイザリー・ボード」を募集中

NHLは、アメリカ・カナダに住む13歳から17歳の少年少女から「ユース・アドバイザリー・ボード」のメンバーを募集すると発表した。

20人の少年少女がメンバーに選ばれ、リーグの改善点を一年間に渡って議論する。

会議は複数回開かれる予定で、議論する内容もルール、マーケティング、地域貢献活動、イベント、SNSなど多岐に及ぶ。

これは昨年から始まった「NHL Power Players」というプロジェクトで、17歳以下のファン層を拡大することを目的としている。

2019年にShelf社が行った調査によれば、NHLは北米プロリーグでも特に「ミレニアム世代(80年代前半から90年代後半生まれ)」のファンが多く、ファン全体の3分の1は18歳から38歳であった。

NHL Power Playersは、この下の世代のファンを育てる試みなのである。

NHLマーケティング担当のヘイディ・ブローニング氏は「昨年のNHL Power Playersは成功でした。若いホッケーファンをNHLに惹きつけるため、このプログラムが2年目を迎えることができ、大変うれしく思います」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nhl-power-players-young-fans-marketing-social-content
https://www.nhl.com/news/nhl-accepting-applications-for-power-players-youth-advisory-board/c-318746334

NHL、プレーオフのフォーマットを選手会が承認

NHLの2019-20年シーズンはコロナウイルスの影響で3月12日に中断した。

レギュラーシーズンの再開は難しくなったが、プレーオフ開催を実現するべく、リーグ関係者は奔走してきた。

そして、先週21日、NHL選手会の理事会は電話会議を開き、リーグ側が提案していたプレーオフのフォーマットを承認した。

今回承認されたフォーマットでは、参加するのは24チームで、イースタン・カンファレンスから12チーム、ウエスタン・カンファレンスから12チームの参加となる。

残りの7チームは、プレーオフに参加することなく、このままシーズン終了となる。

ただし、今回承認されたのはあくまでフォーマットであり、プレーオフを実際に開催するためには、これから細部を交渉していくことになる。

特に、プレーオフの開催地(2都市にチームが集まり、開催される可能性が高い)や、選手がコロナウイルスに感染しているかをどのように検査するかなど、解決すべき課題は多い。

最終的にリーグと選手会が合意すれば、今夏、NHLプレーオフが開催されることになる。

参考文献:
https://www.tsn.ca/insider-trading-a-closer-look-at-the-nhl-s-proposed-24-team-return-1.1477984
https://www.espn.com/nhl/story/_/id/29211505/nhlpa-board-approves-league-plan-24-team-playoffs-coronavirus-return

Amazon、NHL新アリーナのネーミングライツを購入か

NHLは2021年に新チームを立ち上げる。

チーム名はまだ明らかになっていないが、シアトルのシアトル・センター・アリーナが本拠地になることは決定している。

新チームはすでに種々の営業を開始しており、現在の重要案件はアリーナのネーミングライツ販売である。

すでに3社に候補が絞られており、その最有力候補がAmazonであると伝えられた(他の2社は不明)。

もし実現すれば、Amazonにとってスポーツチームと結ぶ初めてのネーミングライツ契約となる。

契約は年間1400万ドルほどになると見られている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Daily/Issues/2020/01/23/Facilities/Seattle.aspx

ハード・セルツァーは次のスポンサーカテゴリーとなるか

ここ数年、アメリカでは「ハード・セルツァー(hard-seltzer)」というアルコール入りの炭酸飲料がブームとなっている。

ビールに比べ、アルコール度数、カロリー、そして糖質が低く、健康志向の消費者を中心に人気を拡大している。

2019年の国内売上高はすでに10億ドルに達し、前年比150~170%の成長が見込まれている。

一方で、その知名度は未だ低く、アメリカ人の約半数がその存在を知らないと見積もられている。まだ伸びしろのある産業と言えるだろう。

大手ビール会社Anheuser-Busch InBevのChelsea Phillips氏は「ハード・セルツァーは長期的な成長を期待できるでしょう。ライトビールが出てきたときと同程度のインパクトだと見ています」と言う(ちなみに、現在アメリカ国内で最も売れているビール上位3位は、Bud Light、Miller Lite、Coors Lightで、ライトビールが独占している)。

今後、ハード・セルツァーの産業規模が拡大するにつれ、その関連企業がスポーツ業界にスポンサーとして参入してくることが考えられる。

実際、先月23日、NHLはBoston Beer Companyとスポンサー契約を結び、同社が製造するTruly Hard SeltzerをNHLの「オフィシャル・ハード・セルツァー」にすることを発表している。

今後他のスポーツリーグ・チームも同様の契約を結ぶ可能性があるが、その際に問題になってくるのがビール会社との兼ね合いである。

「オフィシャル・ハード・セルツァー」という類似カテゴリーが生まれれば、「オフィシャル・ビール」の価値は下がりかねない。

実際、大手ビール会社は、ハード・セルツァーを独立したスポンサーカテゴリーにしないよう、スポーツ組織に働きかけているとの報道もある。

今後、スポーツ組織がハード・セルツァーを独自のスポンサーカテゴリーとするのか、またそれがビール会社との契約にどのような影響を与えるのか、注目である。

参考文献:
https://www.realsimple.com/food-recipes/shopping-storing/beverages/hard-seltzer
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/09/30/Marketing-and-Sponsorship/Marketing-and-Sponsorship.aspx
https://finance.yahoo.com/news/boston-beer-company-nhl-announce-130000783.html

NHLの労使協定:エスクロー制度とは?

先週金曜日、NHLのリーグ関係者と選手会は労使協定に関する交渉に臨んだ。

現行の労使協定は2022年9月まで有効だが、それを一度破棄して新たな労使協定をつくる権利がリーグと選手会の双方に与えられている。

リーグはすでにこの権利を行使しないことを明言しているが、選手会は決定を保留している(9月15日が決定の最終期限)。

リーグと選手会は今年2月からミーティングを重ね、交渉は順調だという。したがって、選手会も協定破棄の権利を行使しないと関係者は見ている。

だが仮に選手会が現行の協定を破棄するという決定を下すとすれば、その理由は「エスクロー(escrow)制度」だろう。

エスクロー制度とは、選手年俸の一部をシーズン終了まで保管しておく制度である。

たとえば、年俸1億円の選手の場合、すぐにもらえるのは9000万円で残りの1000万円はエスクローに預けられる。何事もなければシーズン終了後に1000万円は選手に支払われるが、リーグの収益が予測を下回った場合、1000万円はリーグに徴収されてしまう。

なぜこのような制度があるかと言うと、「選手年俸の総額はリーグ収益の50%を超えてはならない」という取り決めがあるからだ。

NHLはシーズン開始前にそのシーズンにどれほどの収益を上げるかを予測し、その予測に基づいて各チームは年俸を決定する。

実際の収益が予測通り(もしくは予測を上回った)なら問題ないが、それを下回った場合、選手に与えられる年俸の総額も減ってしまう。その時に、リーグと選手の取り分を50%ずつになるように調整するのがエスクロー制度なのだ。

選手としては約束された給与が与えられないのは不公平であり、また仮に全額もらえるとしてもシーズン終了まで待たなくてはいけないのは納得がいかない。したがってエスクロー制度の撤廃を希望しているのである。

ちなみに、エスクロー制度はNBAも採用している。

参考文献:
https://www.usatoday.com/story/sports/nhl/columnist/kevinallen/2019/09/05/nhl-players-optimistic-cba-labor-talks-deadline/2225405001/
https://www.usatoday.com/story/sports/nhl/2019/06/16/escrow-tops-nhl-players-list-of-concerns-ahead-of-cba-talks/39589943/
https://www.espn.com/nba/story/_/id/20715128/nba-player-salaries-take-home-pay

サブスクリプション・チケット⑤NHL・MLSの動向

ここまで紹介してきたように、MLB、NBA、NFLでサブスクリプション・チケットが取り入れられている。

そんななかNHLは、四大リーグのなかでは唯一、サブスクリプション・チケットを導入していない。

NHLはMLBよりも試合数が少なく、本拠地の座席数も、NHL(2万人弱)は、NFL(7万前後)やMLB(4万人前後)より数万人少ない。

加えて、NHLはここのところ観客動員が好調で、昨シーズンは、31チーム中26チームが年間を通して90%以上の動員率を記録した。

したがって、サブスクリプション・チケット用の座席が限られているのである。

Turnkey Sports Pollがプロ・カレッジスポーツ業界の経営幹部2000人を対象に行ったアンケート調査によれば、NHLは北米メジャーリーグのなかでもサブスクリプション・チケットが浸透する可能性が最も低いリーグと捉えられている。

逆に最も可能性が高いと見られているのがMLS。四大リーグに比べ、観客動員に苦戦しているクラブが多く、また、若年層のファンも多い。サブスクリプション・チケットのニーズが高いと見られる。

MLSではNYCFCとReal Salt Lakeの2クラブがサブスクリプション・チケットを試しているが、販売対象は大学生に限っている。今後より本格的な形でサブスクリプション・チケットが導入されるか、注目である。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/06/17/In-Depth/Tickets.aspx

NHLの放映権争奪戦

NHLは、2004-05年シーズンのロックアウト(選手のボイコットによる全試合中止)以来、全国放送の試合中継はNBCがすべて行ってきた。

一つのテレビ局が独占放映権を持つのは、北米四大スポーツリーグでは珍しいことである。

他リーグでは、NFLが4局、MLBが3局、NBAが2局と全国中継の放映権契約を結んでいる。

MLBを例にとれば、ESPNが日・月・水曜日のナイター、Fox Sportsが土曜日のデーゲームおよびナイター、TBSが日曜日のデーゲームを中継している。

このように複数のテレビ局と契約を結ぶことで収入源が増え、また、各局が抱える独自の視聴者層にアプローチすることができる。

一方NHLは、前述したロックアウトが原因で、複数局と好条件で契約することが困難になり、NBCとの独占契約を結ぶことになった。

そのNBCとの契約が2020-21年シーズン後に切れる。

関係者によれば、NHLはNBCと契約延長はせず、複数のテレビ局と契約することを検討しているという。

まだ交渉は始まっていないが、すでにESPN、Fox Sports、Turner Sportsといった大手スポーツ局、そしてAmazonやTwitterも放映権獲得に興味を示しているという。

週末の試合はESPNでテレビ中継、平日のデーゲームはTwitterでネット中継というようなこともあるかもしれない。

今後、NHLの放映権契約に関するニュースを目にしたとき、どこのテレビ局(あるいはネット中継プラットフォーム)との契約なのかだけでなく、何曜日の試合なのか、プレーオフは含まれるのか、なども注目すると理解が深まるだろう。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/05/27/Media/Sports-media.aspx

「大麻」新たなスポンサーシップカテゴリー

2019年5月、大麻関連商品を販売するPure Spectrumがトライアスロン協会とスポンサー契約の合意間近であると伝えられた。

同社はすでに100人以上のアスリートとエンドースメント契約を結んでいる他、PGA Tourなどともスポンサー契約の交渉中であるという。

総合格闘技のUFCも大麻関連商品を販売するAurora Cannabisと先週スポンサー契約を結んだばかりだ。

アメリカでは、大麻の使用を合法化する州が増加しており、それに伴い大麻関連商品を扱う企業のスポンサーシップビジネスへの参入が顕著になりつつある。
現在、アメリカで大麻の使用が完全に合法なのは、カリフォルニア州を初め9州。これらの州には計115のプロスポーツチームが本拠地を置く。

今後、NFLやMLBなどの四大スポーツも大麻関連企業とのスポンサー契約が結ばれるかが注目される。

実際、NFLは選手会と共同で、身体の痛みを和らげる医療目的での大麻使用に関する勉強会の開催をすでに決定している。

NHLの元選手たちは、 Canopy Growthという大麻関連企業と共同で、脳震とう後の神経障害に大麻が及ぼす影響に関する調査を実施した。

ネガティブなイメージも根強い大麻関連企業にとって、スポーツチームやアスリートとのコラボレーションはイメージ向上のための手段として有効である。

また、アスリートが負った身体へのダメージを軽減する効果を実証できれば、スポーツチーム・選手にとっても朗報である。そして大麻関連商品の宣伝にもなる。

大麻というスポンサーシップカテゴリーが今後どのように発展していくのか、注目である。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/05/27/In-Depth/Main.aspx

#WhatsYourGoal(あなたの夢は?)

これまで多くのスポーツ組織が様々なソーシャルメディアキャンペーンを企画してきたが、そのなかで大きな成功を収めたものの一つが、シカゴ・ブラックホークスの「#WhatsYourGoal」というキャンペーンである。

このキャンペーンでは、まず、ファンが自身の夢を#WhatsYourGoalというハッシュタグとともにソーシャルメディアに投稿する。

ブラックホークスは投稿された夢をいくつか選び、それを選手・コーチが叶える。

生まれつき歩くことも話すこともできないCammyちゃんの夢は「憧れのDuncan Keith選手と一緒にゴールを決めること」。

5歳のAlexisちゃんの夢は「ガールスカウトのクッキーを憧れのJonathan Toews選手に渡すこと」。

デイケアセンターで働くJennyさんの夢は「利用者の方々がブラックホークスのコーチと一緒にホッケーをすること」。

このように、ファンの夢が叶えられる様子はドキュメンタリーとなり、チームのウェブサイトおよびソーシャルメディア上で公開された。そしてその映像は多くのファンによってシェアされた。

4600万人がFacebook上でこのキャンペーンに触れ、450万人がTwitter上でこのキャンペーンに関してつぶやいたという。

参考文献:
https://shortyawards.com/8th/chicago-blackhawks-whatsyourgoal-campaign
http://socialnsport.com/blackhawks-whatsyourgoal/
https://thehockeywriters.com/best-of-the-chicago-blackhawks-whatsyourgoal-campaign/