マーチ・マッドネス、全試合をインディアナポリスで開催か

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NCAAが男子バスケットボールの全米トーナメント(通称「マーチ・マッドネス」)の全試合をインディアナポリスで開催することを検討していることが明らかになった。

当初の予定では全米13都市で試合を行う予定だったが、コロナウイルス感染防止のために全試合を一か所で開催する可能性が出てきた。

試合会場、練習場、宿泊施設、医療施設などをすべて一か所に集めることになるが、これはNBAがすでに前例をつくっている。

また、試合日程には変更がないので、試合中継(および放映権契約)にも深刻な影響はないだろう。

しかし、マーチ・マッドネスならではの問題もある。

たとえば、プロスポーツと違い、カレッジスポーツは選手が学生であり、授業に出席する必要がある。

現在はオンライン授業も多く提供されているが、1月から始まる新学期では対面授業を再開する大学も多い。

例年であれば、試合の合間に少しでも大学に戻って授業に参加できたが、宿泊施設から自由に出られなくなれば、トーナメント中すべての授業を欠席することになる。

学業との両立を謳っているNCAAとしては頭を悩ませるところだろう。

しかし、昨年マーチ・マッドネスを中止にしたことで莫大な損失を被ったNCAAとしては、2年連続の中止は避けたいところ。

最終的にどのような形での開催になるのか、注目である。

ちなみに、レギュラーシーズンは来週開幕する予定である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ncaa-march-madness-2021-indianapolis-host-college-basketball-covid-19

学生アスリートの肖像権ビジネス、契約管理、そして新会社

以前の投稿で解説した通り、NCAAは学生アスリートが自らの名前や肖像権(俗にNILと呼ぶ)を活用して収益を上げることを許可した。

禁止事項を含む細かなNIL規約はNCAAが現在作成しているが、正式に解禁された暁には、各大学に何かしらの報告義務が生まれる。

つまり「A選手がB社と〇年××ドルのエンドースメント契約を結びました」といった報告が大学側からNCAAにされるということである。

仮に大学が報告を怠ればそれは罰則の対象となりかねない。しかし、全学生アスリートの契約管理は骨が折れる作業になる。

そこでUber幹部のライル・アダムス氏は、今年4月Spryという企業を立ち上げ、学生アスリートの契約を簡単に管理できるシステムを開発した。

このシステムは、各学生の契約を整理するだけでなく、NCAAの規則違反が疑われる契約を特定したり、契約内容がアスリートの価値に見合っているかを判定したり、確定申告に役立つ情報を提供したりもできるという。

アメリカには約46万人の学生アスリートがおり、アダム氏はその50~60%がなんらかのビジネス契約を結ぶだろうと予測している。これは大きなビジネスチャンスである。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/10/12/Colleges/Spry.aspx

民主党議員、学生アスリートの補償に関する法案を作成中

先週、複数の民主党議員が学生アスリートに関する連邦法を作成していることがわかった。

この法案は「College Athletes Bill of Rights(大学アスリートの権利に関する法律案)」と呼ばれ、学生アスリートが「公平かつ公正な補償」を受け取れるようにすることを目的としている。

スポーツ関係のケガや病気に対する医療保険や、自由に転校する権利(現行の規則では、別の大学に移ると一定期間公式戦に出場できないことがある)、そして自らの肖像権を活用して(スポンサー契約やグッズ販売など)収益を上げる権利などが「公平かつ公正な補償」に含まれる。

肖像権を用いたビジネス権に関しては、すでにカリフォルニア州フロリダ州など複数の州がそれぞれ州法を成立させることでこれを認めているが、今回作成されているのは連邦法である。つまり、大学がある州に拘わらず、全国の学生アスリートにこの権利が保障される可能性があるということである。

さらに、この法案には、大学スポーツの運営組織(NCAA、カンファレンス、体育局など)と学生アスリートとの間で「revenue-sharing(収入分配)」を行うという内容も含まれるという。

これは重大な内容である。

ここで言う「収入分配」が具体的に何を指すのかは現時点では不明瞭だが、大学が学生に給与を支払うことを意味する可能性もある。

そうなれば、学生アスリートに与えられる報酬は飛躍的に伸びるが、タイトルナインとの兼ね合いなど複雑な問題も発生する。

なお、法案の審議は来年初めに行われる見通しである。現時点では、共和党議員からの支持は得られておらず、この法案が成立しない可能性も大きいと言う。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ncaa-college-athlete-bill-commercial-rights

カレッジスポーツ、新シーズンに向けて各カンファレンスが方針示す

今週水曜日、アイビー・リーグは秋学期(9~12月)に予定されていたスポーツイベントを全て中止することを発表した。コロナウイルスの感染拡大が原因である。

アイビー・リーグに所属する8校はそれぞれキャンパス利用規則(教室や学生寮、食堂といった大学施設の利用規則)を最近発表したが、同カンファレンスがその内容を精査した結果、年内の試合開催は不可能だと判断した。

この決定に関してアイビー・リーグのロビン・ハリス氏は「私たちの場合はキャンパス利用規則が決め手となりましたが、他の大学、他のカンファレンスでは状況が異なるかもしれません」と言う。

その翌日、ビッグ・テン・カンファレンスは、他カンファレンスの大学との試合を全て中止する一方、カンファレンス内の試合は予定通り行う方針を発表した。

同カンファレンスによれば、他カンファレンスの大学との試合をなくすことによって、選手の移動や健康管理がよりシンプルになり、コロナウイルスの感染状況や行政の基準が変わった際に、柔軟かつ迅速に対応することができるという。

秋学期はアメリカンフットボールのシーズンであり、シーズン開催の可否は各大学体育局の収益を大きく左右する。

今後、他の人気カンファレンスがどのような決定をするのか、注目である。

参考文献:
https://www.espn.com/college-sports/story//id/29430262/ivy-league-rules-playing-all-sports-fall-due-coronavirus-pandemic https://www.espn.com/college-football/story//id/29435295/source-big-ten-moving-conference-only-model-all-sports-fall

NCAA、新規約の草案

今週火曜日、NCAAは役員会議を開き、学生アスリートのエンドースメント契約に関する新規約を話し合った。

NCAAは昨年10月から特別委員が新規約の草案の作成に取り組んできたが、今回それが関係者に共有された。

報道によって明らかになった内容は以下の通り。ちなみにこれらは提案で、決定項ではない。

・学生アスリートは、自らの名前や肖像権を使ったアパレル(「○○モデルウェア」など)を製作して収入を得ることができる。ただし、大学の名前やロゴ、その他のマークが入ってはいけない。

・学生アスリートは、企業の広告活動に参加することで収入を得ることができる。ただし、大学の名前に言及したり、大学のロゴやマークを表示したりしてはいけない。

・ギャンブルなど、NCAAが禁止している商品の広告活動には参加できない。また、各大学が独自に禁止事項を加えることが認められる。

・学生アスリートは、エンドースメント契約などのビジネス活動を円滑に行うために代理人を雇うことができる。ただし、代理人は選手が大学在学中に、プロ転身後のビジネスについて交渉してはならない。

・学生アスリートは、すべてのエンドースメント契約をそれぞれの体育局に報告する義務がある。

今後、NCAAの関係者は数ヶ月かけてこの内容を吟味し、最終的な投票を行うことになっている。

参考文献:
https://www.espn.com/college-sports/story/_/id/29109389/source-ncaa-group-propose-possible-changes-allow-athlete-endorsements

サブリナ・イオネスク、バスケ界の超新星②

サブリナ・イオネスクは生前のコービー・ブライアント氏とも親交があった。

娘のジアナがバスケットボールに没頭し自らも熱心に指導にあたったコービーにとって、女子バスケットボールの普及・振興は大きな夢だった。

そんなコービーと女子バスケットボールの超新星イオネスクが出会ったのは2019年。ジアナとコービーがオレゴン大の試合に訪れた際であった。

それ以降、イオネスクが記録的な活躍を見せる度に、コービーは労いと称賛のメールを送り続けた。

イオネスクが注目を集めるにつれて大きなプレッシャーを感じるようになった際には、「ただあなたらしくいればいい。これまでもそれで十分だったし、これからもそれで十分だよ」とアドバイスをもらったという。

残念ながらイオネスクのプロでの活躍を見る前にジアナとコービーはこの世を去った。

先週17日、ニューヨーク・リバティからドラフト一位指名を受けたイオネスクは自身のツイッターに「きっと空から笑って見ててくれてるよね。やったよ。一位指名。これからもっと頑張らないと。会いたいよ」と投稿した。

コービーとジアナが叶えることのできなかった夢。それを知るバスケットボールファンは、イオネスクの活躍に大きな期待を寄せている。

参考文献:
https://www.sportingnews.com/us/nba/news/sabrina-ionescu-kobe-bryant-friendship-timeline/1drj26q6mgrku1jh9emw75gwri
https://bleacherreport.com/articles/2887287-sabrina-ionescu-reflects-on-kobe-bryant-friendship-in-instagram-post
https://www.latimes.com/sports/story/2020-02-24/kobe-bryant-memorial-sabrina-ionescu

サブリナ・イオネスク、バスケ界の超新星①

先週17日、WNBAのドラフトが開催された。

コロナウイルスの影響で、異例の「バーチャルドラフト」となったが(コミッショナーがカメラの前で一人、選手名を読み上げる形式)、このドラフトは別の理由で語り継がれるドラフトになるかもしれない。

ついにサブリナ・イオネスクがプロの世界に足を踏み入れた。

カリフォルニア州出身のイオネスクは、180cmのポイントガード。2016年、オレゴン大に進学すると、数々の偉業を成し遂げた。

なかでも、特筆すべきは「通算2000得点、1000アシスト、1000リバウンド」。NCAAディビジョン1でこれを達成したのは男子・女子を含め彼女だけである。

その活躍を見たレブロン・ジェームズは「彼女やばい!そのまま突き進めクイーン・サブリナ!」とソーシャルメディアに投稿。

また、親交のあるステフィン・カリーは、イオネスクについて、あらゆる才能と強い精神を兼ね備えた選手と称賛している。

オレゴン大のケリー・グレイブスコーチは「女子カレッジバスケットボールの歴史で彼女のような注目を集める選手は初めてです」と語る。

「男子のトッププレーヤー、それもバスケットボール界の顔とも言える選手たちからもサポートを受けている。こんなことないですよ。彼女はバスケットボール界に大きな、そして長期的なインパクトを与えると思います」

参考文献:
https://www.nbcsports.com/bayarea/warriors/wnba-draft-2020-sabrina-ionescu-selected-no-1-overall-liberty
https://www.nbcsports.com/northwest/oregon-ducks/lebron-james-shouts-out-oregons-sabrina-ionescu-after-yet-another-triple-double

学生アスリートの卒業延期に関する規則と意思決定②

先週9日、ウィスコンシン大学は、学生の大会参加期間に関する特別措置を申請しないと発表した。

これによって、同大学に所属する5年目の学生アスリートは、2021年シーズンに参加することができなくなった。

体育局長のバリー・アルバレス氏は、出演したラジオで「NCAAの特例には多くの問題が伴います」と語った。

「問題は複雑です。来年になれば、新入生が入ってきます。ここに卒業予定だった学生がもう一年残るとなると、部員数はどうなるのでしょう。部員数が増えれば、経済的負担も膨らみます」

ウィスコンシン大学は、コロナウイルスの影響で既に400万ドル(約4.3億円)以上の収益を失っている。

仮に、9月に開幕予定のアメリカンフットボールまで中止となれば、さらに数100万ドル規模の収益減が見込まれる。

「そういったところまで準備しておかなくてはいけないのです。先々までを考えているのです」

現在、他の大学も慎重に状況を整理している。

アイオワ大学は、25~35名の学生が大会参加期間の延長を希望しているという。仮に35名が2021年シーズンまで残ることになれば、50万ドル(約5400万円)ほどの奨学金が必要になる。

オハイオ州立大学は、31~70名の学生が残留希望。およそ63万ドル(約6800万円)の奨学金が必要となるという。

参考文献:
https://www.espn.com/college-sports/story/_/id/29017965/wisconsin-bring-back-seniors-spring-sports-next-year
https://madison.com/wsj/sports/college/wisconsin-badgers-seniors-wont-return-to-spring-sports-in-2021-athletic-department-says/article_32a85306-19dc-5969-9a61-d6608992eea4.html

学生アスリートの卒業延期に関する規則と意思決定①

NCAAは、学生アスリートがNCAA主催の大会に参加できる期間を明確に定めている(ディビジョン1の場合は、5年間)。

つまり、今年5年目のシーズンを迎えた学生は、今シーズンを最後にカレッジスポーツから引退し、次のキャリアを始めることになっていたのだ。

ところが、コロナウイルスの影響で、そのシーズンが途中で中止となってしまった。今シーズンにかけていた学生は、やりきれない思いでいっぱいだろう。

そこでNCAAは、先月30日、「今年が最終年だった学生に、2021年シーズンも参加することを認める」と発表した。

なお、この特例が適用されるのは、コロナウイルスの影響を直接受けた野球、ソフトボール、ゴルフ、ラクロス、バレーボールなどのいわゆる「春スポーツ」。アメリカンフットボールやバスケットボールなどの「秋スポーツ」「冬スポーツ」には適用されない。

学生のことを考えれば、当然の措置のようにも思えるが、実情はそう単純ではない。

たとえば、ウィスコンシン大学はこの特例に申請しないことを発表している。

では、この特例は具体的にどのような影響を各大学に及ぼすのか。ウィスコンシン大学はなぜ申請しないことを決めたのか。それは明日の投稿で解説します。

参考文献:
https://www.espn.com/college-sports/story/_/id/29017965/wisconsin-bring-back-seniors-spring-sports-next-year
https://madison.com/wsj/sports/college/wisconsin-badgers-seniors-wont-return-to-spring-sports-in-2021-athletic-department-says/article_32a85306-19dc-5969-9a61-d6608992eea4.html

NCAA、学生アスリートのエンドースメント契約に関する新ルール

今週8日、NCAAはYouTubeチャンネルにインタビュー動画を投稿した。

このなかで、NCAAのケビン・レノン氏は、学生アスリートのエンドースメント契約解禁に関する進捗状況について説明した。

NCAAは、昨年10月に委員会を設置し、2021年1月までに新規則を制定する予定で動いている

インタビューの中でレノン氏は、新規約の草案をNCAA関係者に共有する段階まできたことを明らかにした。

さらに同氏は「我々の提案が、しっかりとしたもので、攻めた内容であることに驚く人もいるかもしれません」と話した。

「気を付けなければいけないのは、『お金を儲けるためにプレーする』という形にならないようにすることです。大学と学生の関係がまるで『雇用主と従業員』という関係になってはいけません」

レノン氏によれば、草案は今週中にも関係者に共有され、来週16日にネット会議で議論する予定だという。

参考文献:
https://sports.yahoo.com/ncaa-official-says-some-will-be-surprised-by-robust-name-image-and-likeness-changes-coming-192537496.html