新疆綿問題③難しい立場に置かれる海外リーグ

海外ブランドの不買運動を展開する中国人消費者。彼ら彼女らの愛国心をくすぐるように、中国ブランドは新疆綿を使用していく方針を改めて打ち出している。

そんななか、中国と繋がりの強い海外アスリートやスポーツリーグ・チームは難しい立場に立たされる。

たとえば、NBAは社会問題への発言に積極的な組織として知られているが、新疆綿問題に関しては今のところ静観を貫いている。

NBAと中国と言えば、2年前に当時ヒューストン・ロケッツのGMが香港のデモを支持するようなコメントをしたことで、中国消費者やメディアから大きな反発を受けた。

中国バスケットボール協会とロケッツの協力関係が一時停止されたり、NBAの試合中継が中止されたり、この騒動がNBAと中国の関係に傷をつけたことは明らかであった。

中国はNBAにとって最も重要な海外マーケットである。NBA Chinaは中国で独自にスポンサーシップや放映権を販売し、約50億ドル(約5500億円)の売上を上げている。

これ以上中国との関係が悪化し、中国でのビジネスに悪影響が及べば、NBA全体にとっても大打撃となる。NBAとしては下手に発言することができないのだ。

しかし新疆綿問題に関する報道や議論が大きくなれば、静観を貫くのも難しくなる。今後NBAはどのような行動を見せるのか。注目である。

参考文献:
https://www.nytimes.com/2021/04/09/business/china-nba-anta-xinjiang.html

ESPNの“副中継”戦略

NBA.com

5月3日に開催されるゴールデンステート・ウォーリアーズ対ニューオーリンズ・ペリカンズの一戦、ESPNはMarvelと共同で「スーパーヒーロー」をテーマにした番組制作を行う。

メインチャンネルでは通常の試合中継をしつつ、サブチャンネルであるESPN2とESPN DeportesおよびストリーミングチャンネルであるESPNプラスではこの「スーパーヒーロー中継」を放送する。

拡張現実などの技術を駆使したこの中継では、Marvelの人気キャラクター(アイアンマンやブラックパンサーなど)が試合会場に映される。

「地球を脅かす敵を辛うじて倒したアベンジャーズが、次の戦いに備えてエリートアスリートを引き抜きに来た」という設定で、試合中継では実際のスコアだけではなく、「Marvelヒーロー・ポイント」が表示される。

Marvelヒーロー・ポイントは、各選手のパフォーマンスによって加算されるポイントで、試合終了時に最も多くのMarvelヒーロー・ポイントを獲得した選手には「Marvelチャンピオン」の称号が与えられる。

また、試合の解説には、ESPNのレギュラー解説陣に加えて、Marvelの専門家が参加する。

このような副音声ならぬ「副中継」をESPNは積極的に行っており、今回の中継が成功を収めれば、今後様々な設定の副中継が行われるかもしれない。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/espn-marvel-nba-superhero-telecast-warriors-pelicans-zion-steph-curry

Basketball Africa League③初シーズン開幕へ

コロナ禍の影響で開幕が延期されていたBasketball Africa League(BAL)の初シーズンは、来月16日に開幕する。

当初はアフリカ各地で試合を開催する予定であったが、すべての試合をルワンダのキガリ・アリーナで行う形式に変更された。

まずは、12チームが3つのグループに分かれ、総当たりのリーグ戦を行う。

次に、リーグ戦の成績に基づいて選ばれた上位8チームがトーナメント形式のプレーオフに進出。

決勝は5月30日に行われる。

BALのアマドウ・ガロ・フォール会長は「アフリカ全土から集まったエリート選手が、自らの才能を披露し、あらゆる世代のファンを勇気づけ、アフリカの経済発展に貢献し、そしてアフリカのスポーツ文化に光を灯す。そのような機会を与えるのがBALです」とコメントした。

参考文献:
https://www.espn.com/nba/story/_/id/31158325/nba-basketball-africa-league-do-debut-16-rwanda

【補足資料】
BAL参加チームリスト

  1. Groupement Sportif des Pétroliers(アルジェリア)
  2. Clube Atlético Petroleos de Luanda(アンゴラ)
  3. Forces Armées et Police Basketball(カメルーン)
  4. Zamalek(エジプト)
  5. Gendarmerie Nationale Basketball Club(マダガスカル)
  6. Association Sportive de la Police Nationale(マリ)
  7. Association Sportive de Salé(モロッコ)
  8. Ferroviàrio de Maputo(モザンビーク)
  9. Rivers Hoopers BC(ナイジェリア)
  10. Patriots BC(ルワンダ)
  11. Association Sportive des Douanes(セネガル)
  12. Union Sportive Monastirienne(チュニジア)

Basketball Africa League②NBA、FIBA、大手スポンサー

Photo Source: afroballers.com

2019年2月16日、NBAはFIBAと共同でBasketball Africa League(BAL)を立ち上げることを発表した。

発表に際してNBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は「このアイデアに関しては、ここ数ヶ月議論を重ねてきました。NBA各チームのオーナーからも素晴らしい反応をもらいましたし、アフリカにおける業務提携に興味を示すスポンサーもいました」とコメントした。

実際、BALはこのあとNike、Jordan Brand、Pepsiといった大手企業とのスポンサー契約に成功する。

これらの大企業と契約を結べたことは、BALにとって、財務的にもブランディング的にも大きな意味がある。

試合のクオリティやリーグの運営能力などが不透明なBALが、初シーズンを前にこれだけの契約を結ぶことができたのは、NBAとFIBAの後ろ盾があってこそである。

2019年10月、BALは参加チーム選考のための予選会を開催。31か国を代表する31チームから12チームが選ばれた。

参考文献:
https://www.nba.com/news/nba-fiba-announce-pro-league-africa

Basketball Africa League①アフリカで強まるNBAの存在感

アフリカのプロバスケットボールリーグである「Basketball Africa League(BAL)」の記念すべき初シーズンが来月に迫っている。

当初は2020年に初シーズンを迎える予定だったが、コロナ禍の影響で先延ばしになっていた。

BALの立ち上げにはNBAとFIBAが関わっており、世界的に話題を集めている。今週リーグ立ち上げの背景を解説していく。

NBAはここ20年ほど、アフリカへの関与を強めてきた。

まず2003年、「国境なきバスケットボール(Basketball Without Borders)」という草の根活動を初めてアフリカで実施。以来10年以上連続で開催した。

2010年、南アフリカ(ヨハネスブルク)にアフリカ支社を設立。

2015、2017、2018年、現役NBA選手が世界選抜とアフリカ選抜に分かれて戦う「NBAアフリカ・ゲームス」という興行を開催。3度の興行すべてでチケットは完売した。

2017年には、セネガルにNBAアカデミーを設立。アフリカ中から有望な選手を集め、将来のスター選手の育成に励んでいる。

このように、NBAのアフリカでの取り組みは多岐に渡っている。今回のBAL立ち上げは、これまでのそれらの取り組みの集大成とも言えるだろう。

つづく。

参考文献:
http://global.nba.com/basketball-without-borders/
https://nbaacademy.nba.com/location/africa/
https://www.sportsbusinessjournal.com/Journal/Issues/2019/09/30/Leagues-and-Governing-Bodies/NBA-Africa.aspx

アレックス・ロドリゲス氏、ティンバーウルブスを買収へ

Photo Source: USA TODAY Sports

元MLB選手のアレックス・ロドリゲス氏が、元ウォルマート幹部のマーク・ローリー氏と共同でミネソタ・ティンバーウルブスの買収に動いていることが明らかになった。

The Athleticの報道によれば、今回の買収はティンバーウルブス(NBA)とリンクス(WNBA)の両チームが対象となり、買収額は15億ドルほどになる見通しだという。

現オーナーのグレン・テイラー氏は1994年に8800万ドルでティンバーウルブスを買収しており、ロドリゲス氏への売却が成立すれば、大きな利益を手にすることになる。

ロドリゲス氏とローリー氏は、現在30日間の最終交渉に臨んでおり、近く最終的な決定が発表される。

ロドリゲス氏と言えば、昨年ニューヨーク・メッツの買収に動いたが最終的には諦めている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/minnesota-timberwolves-sale-alex-rodriguez-marc-lore-glen-taylor

NBA、中国にトレーニングセンターをオープン

NBAは、中国の海南省にトレーニングセンターをオープンした。

中国における男子・女子バスケットボール選手の育成が目的で、対象は広くジュニアからプロまで。

屋内バスケットボールコート5面に加え、ジム、リハビリセンター、屋内プール、レストラン、選手の居住スペースも設置されている。

NBAに資格を与えられたコーチがトレーニングプログラムの作成および選手育成を担当する。

NBAの現役選手および元選手が指導にあたることもあるという。

ちなみに、このプロジェクトは2017年に故コービー・ブライアント氏が発案したものである。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-training-centre-china-mission-hills-hainan
https://www.sportspromedia.com/news/nba-to-launch-first-basketball-school-in-china

NBA、PepsiCoとのスポンサー契約を延長

CHICAGO, ILLINOIS – FEBRUARY 15: Buddy Hield #24 of the Sacramento Kings attempts a shot in the 2020 NBA All-Star – MTN DEW 3-Point Contest during State Farm All-Star Saturday Night at the United Center on February 15, 2020 in Chicago, Illinois. NOTE TO USER: User expressly acknowledges and agrees that, by downloading and or using this photograph, User is consenting to the terms and conditions of the Getty Images License Agreement. (Photo by Stacy Revere/Getty Images)

今週、NBAとPepsiCoはスポンサー契約を延長したことを発表した。

NBAは28年間に渡るコカ・コーラとの関係を2015年に解消し、以来PepsiCoとスポンサー契約を結んでいる。

PepsiCoは、NBA、WNBA、Gリーグの「公式ソフトドリンク&ポテトチップス」として様々なマーケティングを行う。

たとえば、今週末に開催されるNBAオールスターでは、PepsiCoのブランドであるマウンテンデューが3ポイント・コンテストの冠スポンサーとなり、同ブランドのデザインが施された台と緑色のボールが使用される。

さらに、10万ドルの奨学金を立ち上げ、HBCUs(黒人社会に貢献する目的で1964年以前に設立された大学)の学生2名に提供するという。

参考文献:
https://www.forbes.com/sites/shlomosprung/2021/03/01/nba-pepsico-renew-marketing-partnership-as-brand-reveals-anthony-davis-commercial-jayson-tatum-chip-flavor/?sh=6a88a2217da0

NBA、バドワイザーとネット中継契約

先週、NBAはバドワイザーとストリーミングに関するユニークな契約を結んだ。

バドワイザーと言えば、NBAを初め数多くのスポーツリーグ・チームとスポンサー契約を結んでいるが、今回の契約はストリーミングに関する契約である。

具体的には、バドワイザーのプラットフォーム(YouTubeやSNS等)上でNBAの試合を中継することが合意された(ただしブラジル国内でのみ視聴可能)。

早速、先週のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ対ダラス・マーベリックスがバドワイザーのYouTubeチャンネルで中継された。

今後バドワイザーは、ポルトガル語での中継やブラジルの有名人を起用した番組作りなどを行っていく方針だという。

NBAラテンアメリカ担当者は「普通のNBA中継とは全く違った雰囲気になります。『ファンを我々のところに惹きつける』のではなく『ファンがいる場所に我々が行く』というイメージです」と言う。

今回の契約で認められるのはブラジル国内の視聴のみだが、同担当者によれば、メキシコ、アルゼンチン、チリなどでも同様の契約に興味を示す企業があると言う。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-budweiser-brazil-live-stream-games

レイカーズ、Sportfiveと業務提携

今月17日、ロサンゼルス・レイカーズは、スポーツマーケティング会社のSportfiveと業務提携を結んだことを発表した。

Sportfiveの主な役割は、レイカーズの新しいユニフォームスポンサーを見つけること。

現在eコマース会社のWishがレイカーズのユニフォームスポンサーとなっているが、同社との契約は今シーズンで終了する。

現在Wishは年間120~140万ドルの契約金を支払っていると言われているが、レイカーズによれば、ユニフォームスポンサーシップがもたらすメディア価値は現在2億ドル近くまで上がっているという。

その価値に見合った大型契約を結ぶ相手を見つけるのがSportfiveの仕事である。

加えて、Sportfiveには海外スポンサーを見つける役割も期待される。

以前の投稿で説明した通り、NBAの各チームは最大3社と「国際スポンサー契約」を結ぶことが許されている。

Sportfiveの前身はドイツのマーケティング会社であり、世界中のスポーツビジネス界にネットワークを持っている。それを生かしたスポンサーセールスが同社の強みである。

ちなみに、Sportfiveは昨年10月にもシカゴ・ブルズと同様の契約を結んでいる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/la-lakers-new-jersey-patch-sponsor-sportfive-wish
https://www.cnbc.com/2021/02/17/lakers-hire-agency-sportfive-to-find-new-jersey-sponsor-valued-at-nearly-200-million.html