Apple、MLSと巨大放映権契約

AppleがMLSと10年間の放映権契約を結び、サッカー中継に参入することが明らかになった。

今回の契約では、MLSの全試合が対象となり、一部報道によれば、契約金は年間2億5000万ドルに及ぶという。

Appleはこれらの試合を同社のストリーミングサービスApple TVを通じて全世界に向けて中継する予定で、試合中継の他にもハイライトや分析、その他の関連コンテンツも放送するという。

Appleは最近MLBとも放映権契約を結んでおり、主要スポーツリーグとの放映権契約はこれが二例目となる。

Appleのサービス担当上級副社長エディ・キュー氏は、2026年FIFAワールドカップがアメリカ、カナダ、メキシコで共催されることにも言及し、「MLSとAppleが共に素晴らしいことを成し遂げるために、非常に大きな契約です」とコメント。

さらに同氏は「主要スポーツリーグの全試合が一つのところで視聴できるというのは異例でしょう。ブラックアウト(地元チームのホームゲームをネット観戦できないこと)なし。一切の制約なし。これはとてもいいことでしょう」と付け加えた。

昨今、各スポーツリーグが様々なストリーミングサービスを通じて試合中継を行っているが、それぞれに複雑な制約があり、ファンの混乱や反発を招いている。

その最たる例がMLBで、自前のストリーミングサービスMLB.TVを初め、ESPN+、Peacock、YouTube、そしてApple TV+で試合中継をしている。

キュー氏の発言は、「ややこしいこと抜きで、すべての試合を見られるところを一つにまとめてほしい」というファンの声をAppleが契約に反映されたというアピールなのである。

参考文献:
https://theathletic.com/news/mls-tv-deal-espn-apple-univision/cbC0ubEBpHsb/
https://www.sportspromedia.com/news/apple-mls-broadcast-rights-deal-global-streaming/

NWSL・MLSによる初のダブルヘッダー、観客動員記録更新

Photo courtesy of Jane Gershovich/Sounders FC

8月29日に開催されたOLレイン対ポートランド・ソーンズの一戦は、2万7248人の観客を集め、アメリカの女子プロサッカーリーグNWSLの観客動員記録を更新した。

今回の試合はNWSLとMLSによる異例のダブルヘッダーとして注目されていた。

レイン対ソーンズの試合終了後、同じピッチ上でシアトル・サウンダーズとポートランド・ティンバーズの試合が行われたのだ。

レイン(NWSL)とサウンダーズ(MLS)はともにワシントン州のチーム。ソーンズ(NWSL)とティンバーズ(MLS)はともにポートランドのチーム。

つまり、町のプライドをかけた二番勝負という見方もできる構成だったのである。

この初めての試みも今回の観客動員記録更新に貢献したかもしれない。

レインのジェス・フィッシュロック選手は「これは一つの始まりです。この取り組みは今後何年もかけて、もっともっと多く、そしてもっともっと良いものになるはずです。そして(MLSとNWSLの)ファンベースが融合してくれれば素晴らしいですね」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ol-reign-portland-thorns-nwsl-record-attendance-lumen-field-megan-rapinoe
https://www.mlssoccer.com/news/sounders-ol-reign-hope-sunday-s-doubleheader-will-spark-new-tradition-this-is-th

ファルコンズのオーナー、投資ファンドを新設

Nov 22, 2015; Atlanta, GA, USA; Atlanta Falcons owner Arthur Blank is shown during warm-ups before the Falcons game against the Indianapolis Colts at the Georgia Dome. Mandatory Credit: Jason Getz-USA TODAY Sports

アトランタ・ファルコンズ(NFL)、アトランタ・ユナイテッド(MLS)、そしてメルセデス・ベンツ・スタジアムの親会社であるAMB Sports and Entertainment(AMBSE)は、投資ファンドを立ち上げることを発表した。

新ファンド「AMBSE Ventures」の投資対象は、スポーツ・エンターテインメント分野の技術系スタートアップ。AMBSEが保有する資産を強化することが目的だ。

具体的には、「観戦経験改善」、「選手のパフォーマンス向上」、「イベント運営の円滑化」、「メディア・スポンサーとの関係強化」に寄与する新技術や、esportsや賭博といった新興ビジネスに関係するものなどを広く募集する。

AMBSE担当者のスティーブ・キャノン氏によれば、投資先に地域的な制約はなく、今後12ヶ月以内にいくつかの投資が行われる予定だという。

北米スポーツ界では、プロスポーツチームが自前の投資ファンドを立ち上げる動きがここ数年広がっている。

2015年、ロサンゼルス・ドジャースは「Dodgers Accelerator」を設立し(2018年に「Global Sports Venture Studio」に名称変更)、スポーツ・エンターテインメント関連のベンチャー企業に投資してきた。

2017年、グリーンベイ・パッカーズはマイクロソフトと提携し、地元ウィスコンシン州のイノベーションと経済成長を促進することを目的とした「TitletownTech」を設立。

その後、ミルウォーキー・バックスとミルウォーキー・ブリュワーズがこの動きに加わり、TitletownTechの一部門として投資ファンド「Equity League」を立ち上げ、地元のテクノロジー企業を中心に投資を行っている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/atlanta-falcons-ambse-ventures-sports-tech-investment-fund-arthur-blank

MLS、3クラブが売却交渉中

Photo: Getty Images

現在MLSは、3つのクラブが同時に売却交渉を行っている。

まず、以前解説した通り、レアル・ソルトレイクは前オーナーの問題発言が発端となり「クラブを先に進めていく上で最善の手段」という名目で売却が発表された。

オーランド・シティSCは、現オーナーがそもそも投資目的でクラブを所有していたという背景がある。2015年に7000万ドルで手に入れたクラブは、現在3億ドル近い価値があると算出されている。

ヒューストン・ダイナモは、NBAのスター選手ジェームズ・ハーデン氏が昨年オーナーグループに加わったばかりだが、筆頭オーナーのブレナー氏が所有権の売却を検討していることが明らかになった。

3クラブが売却に至った経緯は異なるが、今が売却のいいタイミングであることは共通している。

たとえば、MLSは2022年に新しい放映権契約を結ぶ。業界のトレンドから予測すると既存の契約よりも大きな契約になると考えられる。

2026年には、北米3か国共催のFIFAワールドカップが開催される。これによってアメリカ国内のサッカー人気が高まる可能性がある。

拡大するMLS人気とこれらの将来性を合わせると、MLSクラブの価値が今後さらに上がることも十分に考えられる。したがって、今売却を持ち掛ければ買収に乗り出す資産家が多く存在するのである。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/10/19/Leagues-and-Governing-Bodies/MLS.aspx
https://www.forbes.com/sites/chrissmith/2019/11/04/major-league-soccers-most-valuable-teams-2019-atlanta-stays-on-top-as-expansion-fees-sale-prices-surge/#77fb06a151b5

レアル・ソルトレイク、オーナーがクラブ売却へ

ここ数日間、レアル・ソルトレイクは難局に立たされている。

先週27日、オーナーのデル・ロイ・ハンセン氏が人種差別的な発言をしたという前職員の告発が報道された。

翌28日には、MLSとNWSLが調査を開始。

そして30日、ハンセン氏は声明を発表し、差別的な発言をしたことについて深く謝罪した。

さらに「レアル・ソルトレイクが先に進んでいく上で最善なのは、新しいオーナーを迎えること」として同クラブの売却に向けて準備を進めていることを認めた。

なお、ハンセン氏が売却しようとしているのは、「ユタ・サッカー・ホールディングス」というレアル・ソルトレイクの親会社で、同社はユタ・ロイヤル(NWSL)とレアル・モナークス(USL)という2クラブも所有している。

この報道を受けて、すでに複数の人物が買収に名乗りを上げている。

元アメリカ代表選手で、現在はトロントFCでプレーするジョジー・アルティドール氏。

NFLのスター選手JJ・ワット氏。

Qaultricsというソフトウェア会社の創設者であるライアン・スミス氏。

そして、ユタ・ジャズを所有しているLarry H Miller Sports Group。

バラエティーに富んだ候補者が並ぶが、果たして、新オーナーは誰になるのだろうか。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/dell-loy-hansen-real-salt-lake-sale-racism-allegations-mls-nwsl
https://theathletic.com/2027796/2020/08/27/dell-loy-hansen-has-history-of-racist-comments-as-rsl-owner/

FCシンシナティ、FloSportsとの放映権契約を破棄

FCシンシナティは、同クラブのネット中継放映権を保有していたFloSportsとの複数年契約を破棄したことを発表した。

FloSportsは昨年からFCシンシナティの試合をネット中継していたが、価格が高いことに加え(年間登録費:150ドル)、技術的な問題が頻発したことから、ファンの間で批判が高まっていた。

ちなみに、FloSportsは昨年10月にもDCユナイテッドから契約破棄を言い渡されている。

同社は昨年カレッジスポーツの放映権も購入しており、今回の相次ぐ契約破棄が他の契約にも影響を与える可能性がある。

今後FCシンシナティは、全国中継のない試合は同クラブのウェブサイトで無料中継する。

なお、試合を無料視聴できるのは地元住民のみで、地域外に住む人はESPN+の登録が必要になる。

FCシンシナティのデニス・キャロル氏は「クラブのウェブサイト上で試合を無料中継することで、生観戦できない状況であっても、地元ファンの方々が楽しめるよう、より柔軟に対応できます」と言う。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fc-cincinnati-flosports-streaming-tv-rights-local-cancel

ナッシュビル市長、ナッシュビルSCの新スタジアム建設合意

先週13日、ナッシュビルのジョン・クーパー市長とナッシュビルSCのオーナーが新スタジアムの建設案に関して合意した。

新スタジアムは、サッカー専用スタジアムで、収容人数は3万人前後になる予定。「フェアグラウンズ」というエンターテインメント複合施設に隣接する形となる。

ナッシュビルSCは、今シーズンからMLSに参入するが、新スタジアムでのプレーは2022年までない。

そもそもは今シーズンに間に合うように、2017年に建設が始まったのだが、建設会社が途中で建設を投げ出したり、建設費が予定より1億ドル近く跳ね上がったり、スタジアム建設が訴訟の対象になったり、と様々なことが起こり、建設自体がストップしていた。

今回の契約で、改めて建設にゴーサインが出た形だ。

発表された契約によれば、スタジアム建設費はすべてナッシュビルSCが払い、建設後に市がリース料金を負担することになるという。

参考文献:
https://www.nashvillesc.com/post/2020/02/13/mayor-cooper-reaches-deal-nashville-sc-ownership-move-forward-stadium-demolition
https://www.tennessean.com/story/news/2019/02/18/nashvilles-fairgrounds-construction-budget-increases-meet-aggressive-schedule/2905225002/
https://www.tennessean.com/story/news/2017/11/29/mls-soccer-nashville-stadium-expansion-team-lawsuit/907120001/

MLS、スポンサーシップ営業に関する新基準を発表

MLSは、アメリカ・カナダ国外でスポンサーシップを販売する権利を各クラブに与えると発表した(これまではリーグが一括して管理していた)。

北米メジャーリーグではNBAが昨年から同様のプログラムを始めているが、NFL、MLB、NHLにおいては、各チームが自由に展開できる海外ビジネスは限られている。

MLSの新基準にもいくつかの制約はある。

たとえば、国内スポンサーの競合となる企業との契約やスポーツ賭博業者との契約は禁止されている。

しかし、そういった基本的なルールを除けば、各クラブに与えられる自由度は高い。国や地域の制約もない。

MLSはかねてより海外マーケットの拡大に取り組んでおり、リーグ主導ではなくクラブ主導のビジネスを拡大することは理にかなっている。

特に、2026年のワールドカップ(アメリカ・カナダ・メキシコ共催)が近づけば、北米のサッカー界に注目が集まる。

この機会を各クラブがどのように生かすのか、今後のスポンサー契約に注目である。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/02/03/Leagues-and-Governing-Bodies/MLS-rights.aspx

MLSの袖スポンサーシップ

MLSは、2020年シーズンから新しいスポンサーシップを導入する。それがユニフォーム袖のスポンサーシップだ。

とは言っても、シーズン開幕まで約1か月となった現在、契約までこぎつけたクラブは1つだけ(LAFC)である。

このスポンサーシップの導入が発表された際、フィラデルフィア・ユニオンのジョン・ポール・ダーデン氏は「あっという間に売れると思っていました」と回想する。

ダーデン氏だけでなく、多くの関係者が想像以上に契約に時間がかかっていると感じているようだ。

この現象は、2017年にNBAがユニフォームスポンサーシップを導入した際に似ている。

今でこそ大成功と言われるNBAのユニフォームスポンサーシップだが、当初はどのチームも営業に苦戦していた。

その主な理由としては「前例がないので、その効果や価値を評価することが難しいから」「全チームが一斉に営業を始めるため競争率が高いから」といった点が挙げられる。

これらに加え、MLSの場合は、すでにユニフォームの胸にスポンサーロゴがついているため、その胸スポンサーの競合を避けなくてはいけない、という制約もある。

果たしてシーズン開幕までにあと何クラブが契約までこぎつけるのだろうか。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/01/27/Marketing-and-Sponsorship/MLS.aspx

SeatGeek、設立10周年

スポーツチケットの販売および再販を管理するSeatGeekは、設立10周年を迎えた。

SeatGeekを有名にしたのが、同社が開発したチケット再販の検索エンジンである。

当時、StubHubやTicketmasterといった企業が独自にチケットの再販ビジネスを展開していた。SeatGeekは、そういった企業が管理する再販市場の情報を統合・分析し、消費者が最もお買い得なチケットを見つけられるシステムを提供した。

それ以来、SeatGeekは、ダラス・カウボーイズ、ニューオーリンズ・セインツ、ニューオーリンズ・ペリカンズといったチームと契約を結び、各チームのチケット販売を管理するようになった。

2016年には、MLSと契約を結び、同リーグのチケット再販システムを管理している。また、シカゴ・ファイアの本拠地のネーミングライツも保有している。

海外市場にも積極的に進出している。たとえば、昨年契約を結んだマンチェスターシティを初め、プレミアリーグの7クラブのチケットビジネスに関わっている。

さらに、イギリス、イスラエル、オランダ、イタリアといった国々に支社を開き、ヨーロッパでのビジネス拡大に力を入れている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/09/16/Technology/SeatGeek.aspx