オークランド・アスレチックス、移転を検討

Photo Source: MLB.com

先週月曜日、MLBはオークランド・アスレチックスに本拠地の移転を検討するよう通知した。

その理由は以下の通りである。

アスレチックスは本拠地であるRingCentral コロシアム(通称「コロシアム」)とのリース契約が2024年に失効する。

しかし、アスレチックスは同スタジアムとの契約を更新する意思はなく、代わりに新スタジアム建設を望んでいた。

ちなみに、コロシアムとの契約更新を望まない理由として、以下のような点を挙げている。
・スタジアムが古く(1966年オープン)、試合中に照明が消えるトラブルなどが発生している。
・アクセスが悪い。スタジアムは住民が徒歩や自転車などで簡単に来られる場所が望ましい。

これらの問題点を解消するため、アスレチックスはオークランドのダウンタウン近くに新スタジアムを建設する計画をオークランド市に提出した。

しかし、その後、市からの決定がなかなか出ず、ついにMLBが「MLBは、アスレチックスの新スタジアム計画に関するオークランド市および関係者との決定が遅いことを憂慮しています」とコメントするに至ったわけである。

ちなみに、これは公式発表ではないが、一部報道によれば、アスレチックスの移転先として最も有力なのはラスベガス(ネバダ州)で、ポートランド(オレゴン州)、ナッシュビル(テネシー州)、あるいはカナダの大都市(バンクーバーやモントリオールなど)もあり得るという。

参考文献:
https://www.mlb.com/news/oakland-a-s-to-explore-relocation
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-oakland-athletics-relocate-coliseum-las-vegas

レッズ、「ワクチン割引チケット」を販売

Source: MLB.com

シンシナティ・レッズは、コロナウイルスのワクチンを接種した人を対象にした割引チケットを販売する。

アメリカのスポーツチームがこのような割引キャンペーンを実施するのは初めてだ。

詳細は以下の通り。
・キャンペーンは4~5月に実施。
・月~木曜日の試合が対象。
・最低一回のワクチン接種を証明するワクチンカードを提示することが条件。
・割引価格はチケット1枚10ドル。
・一つのワクチンカードで、チケット最大6枚まで購入可能。

シンシナティのあるオハイオ州では、全体のおよそ33%がワクチンを接種している(4月8日現在)。

レッズの割引チケットキャンペーンは、ワクチン接種率の向上に貢献するだろうか。注目である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/cincinnati-reds-discounted-tickets-covid-19-vaccinated-fans-mlb

MLB、アジア圏での試合中継拡大

Source: Twitter

MLBは中国の大手メディアTencentとの放映権契約を2023年まで延長した。

試合中継にはTencentが運営するWeTVというストリーミングが使用される。

今回の契約では、中国に加えて、インドネシア、マレーシア、タイなどアジア6か国以上での放映権も含まれることになった。

アジア圏において、これだけ多くの国々でMLBの試合が中継されるのは初めてのことである。

Tencentは、レギュラーシーズンに加え、春季キャンプ、オールスター、プレーオフ、そして選手やインフルエンサーが出演する番組も放送するという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-tencent-china-streaming-deal-asia-wetv-oriental-pearl-media

Amazon、ヤンキースの試合をストリーミング

Amazonは、ニューヨーク・ヤンキースの公式戦21試合をPrime Video上で中継することを決定した。

なお、この中継を視聴できるのは、ヤンキースの地方放映権を持つYES Networkのテリトリー(ニューヨーク、コネチカット、ペンシルベニア、ニュージャージー)に限られる。

Amazonは2019年にYES Networkのオーナーになり、昨年すでにヤンキース戦のストリーミングを計画していた

昨年はコロナウイルスの影響で計画を保留したが、2021年レギュラーシーズンが162試合に戻ることが決まり、計画が実行されることになった。

Amazonは、NFLのThursday Night Footballの放映権を保有しており、先週、この契約を独占契約に切り替えたばかりである(契約金:年間13.2億ドル)。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/new-york-yankees-amazon-prime-video-yes-network-live-stream-mlb-2021-season

「バイデン大統領」は米スポーツ界にどのような影響を及ぼすか①

Photo Source: BBC.com

報道によれば、アメリカ大統領選挙は、バイデン氏の当選が確実となった。この結果はスポーツ界にどのような影響を及ぼすのだろうか。

一部関係者によれば、バイデン大統領誕生までに、プロチームの売却が頻発する可能性があるという。それはなぜか。

民主党に所属するバイデン氏は、富裕層への課税強化を推進すると見られる。

たとえば、資本利得(Capital Gain)に対する税率を最大20%から39.6%まで引き上げることを提案している。

資本利得というのは、購入した資産(株式や不動産など)の価値が上昇することによって生まれる利益である。単純化すれば、資産の購入価格と売却価格の差が資本利益となる。

そしてこの資産にはスポーツチームも含まれる。しかも、スポーツチームはかなり優秀な資産である。

Forbesの査定によれば、プロチームの年平均成長率(CAGR)は、NBAが約19%、MLBが約14.2%、NFLが約11.6%だという。これだけ成長率の高い資産はなかなかない。

つまり、長年所有していたチームを売却するときには、大きな資本利得が生まれるということである。

しかし問題はそれにかかる税金である。これが20%か39.6%によって、何百、何千億円という差が生まれかねない。

「そうなる前にチームを売却しよう」。そう考えるオーナーも少なくないのではないか。これが、「プロチーム売却が頻発する」と予想する根拠である。

(次回は具体的な事例を見ていきます)

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/11/09/Law-and-Politics/Election-teams.aspx

コロナ禍でVR中継に再び脚光?

先週、NBAはVerizonとの業務提携を延長したことを発表した。

Verizonは、バーチャルリアリティ(VR)を用いたNBA中継を提供している。

NBAの2019-20年シーズンは、先週オーランドで再開したが、ファンはそれを生観戦することはできない。

しかし、NBA League Passというネット中継サービスに登録し、VR観戦用の器具を用意すれば、生観戦しているかのような感覚を味わうことができる。

VR技術が登場した当初、「VRはスポーツ観戦に革命を起こす」という意見が溢れていたが、最近は「VRは個人観戦用であり、家族や友人と観戦経験を共有できない」などといったVR特有の問題が指摘されることが多く、VRへの投資も減少傾向にあった

ところが、コロナウイルスの影響で生観戦が難しくなり、VRが再び注目を集めている。

MLBも、先月23日、VR観戦ができるネット中継プラットフォームの新設を発表したばかりである。

果たして、VR中継人気は拡大するのだろうか。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-league-pass-verizon-streaming-2020-virtual-reality-ryot-yahoo-betting
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-oculus-virtual-reality-2020-live-streaming-technology-baseball

MLB、豪スポーツ賭博業者と業務提携

今週、MLBはオーストラリアのスポーツ賭博業者Tabcorp Holdings (TAB)との業務提携を発表した。

オーストラリアではスポーツ賭博が合法で、テニスやゴルフの試合内容が賭けの対象となっているが、今後MLBもその対象となる。

TABはオーストラリア国内に4400のスポーツ賭博会場を保有している。今後MLBで賭けを楽しみたいファンはそういった会場に足を運ぶか、TABのウェブサイト・携帯アプリを通じて賭けをすることになる。

なおTABは、昨年、NFLやNBAとも同様の業務提携を結んでいる。

今回の業務提携に関してTABのアダム・リテンスキルド氏は「オーストラリアではアメリカのスポーツに対する需要が拡大しています。特に、TABの顧客の間ではその傾向が顕著です」と話す。

MLBのケニー・ガーシュ氏は「ロサンゼルス・ドジャースとアリゾナ・ダイアモンドバックスが2014年に開幕戦をシドニーで開催しましたが、その際にオーストラリアのスポーツファンに野球がとても馴染んでいると感じました」と言う。

「我々としては、オーストラリアでの野球人気拡大に貢献したいと思っています。TABの持っている施設や専門性を考えれば、今回の業務提携がオーストラリアにおける野球振興にとって重要な一歩となることは間違いありません」

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-tabcorp-tv-rights-betting-partnership-deal-mlb-network

MiLBの収入激減

Photo by Mark Brown/Getty Images

MLBは、今月23日に2020年シーズンを開幕するが、マイナーリーグ(MiLB)はすでに全試合中止を発表している。

テレビ放映やスポンサーシップから多くの収入を得ているMLBと異なり、MiLBは収入のほとんどを試合会場で得ている(チケット、飲食、グッズ、駐車場など)。

全試合が中止になるというのは、そういった収入を上げる機会が奪われることを意味する。

もちろんスポンサーシップ収入もあるが、MiLBの場合、地元の中小企業と小規模のスポンサー契約を結んでいることが多く、その場合、スポンサー企業のほうもコロナウイルスの影響を受けており、スポンサー料が払えなくなるケースもある。

チームによっては、大学野球の試合や少年野球の合宿、さらには結婚式といったイベント用にスタジアムを貸し出すことで臨時収入を得ているが、その規模は限られている。

一方で、多くのMiLBチームは、連邦政府から救済支援ローンを受け取ることが認められた。これによりリーグ全体で5515人の職が守られるというが、その効果も夏いっぱいで尽きると見られている。

この苦しい状況のなか、MiLBチームの運営をさらに複雑にしているのがMLBとの関係である。

以前の投稿で解説した通り、現在MLBはMiLBの構造改革を検討しており、場合によっては40以上のMiLBチームが消滅することになる。

コロナウイルスの影響でこの件は現在保留となっているが、MiLBチームのオーナーやスポンサーの頭の片隅には常に存在し、意思決定に影響を与えている。

たとえ、「今が踏ん張りどころ。コロナが収束したら元通りになるはず」と前向きに考えようとしても、その先に待っているのはチーム消滅かもしれない。それならば、いっそ今すぐ破産申請してしまうべきか。

MiLBチームは難しい選択を迫られている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/07/13/Ratings-and-Research/MiLB-revenue.aspx

コカ・コーラ、MLBとのスポンサー契約終了

今週、コカ・コーラがMLBとのスポンサー契約を更新しないことがわかった。

この件は今週報道されたが、実際は今年初めにすでに決定していたことだという。

報道によれば、これはコカ・コーラ社の予算に基づいた決定であり、他のファクター(コロナウイルスの影響など)は関係ないという。

コカ・コーラがMLBと契約したのは2017年。

同社はそれ以前も複数のMLBチームと個別にスポンサー契約を結んでいたが、ハイライト動画やSNSの使い方などにおいてリーグが管理する部分が大きいことから、より自由なビジネス展開のためにリーグと契約した。

今回の契約解消によって注目が集まるのがペプシ社の動向だ。

同社はNBA、NFL、そしてNHLのスポンサーであり、MLBとも1997年から2017年まで契約を結んでいた。ペプシがMLBとのスポンサー関係を復活させる可能性は十分にある。

しかし、同社は現在コロナウイルスの影響をもろに受けている。たとえば、これまで取引をしていた小売やレストランが次々に閉店している。この状況で数10億円規模の契約を結ぶのはリスクが高い。

ましてMLBは未だシーズン開幕のめどが立っていない。これらを踏まえると、ペプシもすぐには契約には乗り出さないかもしれない。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/06/08/Marketing-and-Sponsorship/Marketing-and-Sponsorship.aspx
https://adage.com/article/cmo-strategy/coke-takes-pepsi-mlb-sponsor/308516

MLB、バーチャル看板に関する議論

MLBは現在、6種類のバーチャル看板の導入を議論している。

今回議論されている6種類は、グラウンド上(マウンドの後ろやファールゾーンなど)とグラウンド周辺(バックネットや外野席付近など)に表示されるものである。

この技術は、すでにリーグ主催試合などでは使用されており、放送される地域によって違う広告が表示される。

たとえば、下の写真は2014年のオールスターゲーム。

アメリカの中継ではTaco Bellの広告が表示され(下段左)、日本の中継ではローソンの広告が表示されている(下段右)。

このように、バーチャル看板はユニークなスポンサーシップの機会をもたらすが、あまり積極的に取り込もうとしないチームも多い。

それというのも、バーチャル看板を導入した場合、どの広告を表示するかは、チームではなく、試合を中継するテレビ局が決定する可能性が高いからである。

普通の看板の場合、チームが自由に企業を選んで看板を設置できる。しかし、バーチャル看板の場合、チームがA社にそのスペースを提供したくても、試合を中継するテレビ局がA社の競合であるB社と契約していれば、テレビ局の意見が優先されてしまうということだ。

この点は、今後さらに議論をする中で詰めていくことになるだろう。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/06/01/Marketing-and-Sponsorship/Marketing-and-Sponsorship.aspx