MLB、新しいストリーミングサービスを検討中

SOPA Images/LightRocket via Getty Images

先日の投稿でMLB.TVについて解説した際、今後の課題としてブラックアウト(地元チームのホームゲームをネット観戦できないこと)を挙げたが、これが近いうちに解決するかもしれない。

一部報道によると、MLBは、地元チームのホームゲームを観戦できる新しいストリーミングサービスの開始に向けて協議しており、早ければ2023年シーズンにもこのサービスが開始されるという。

ちなみに、放送される内容は地元テレビ局が放送するものと同じになる予定。新サービス導入後もMLB.TVは地域外のファンを対象にしたサービスとして存続するという。

そもそも従来MLBがブラックアウトを適用してきたのは、テレビ中継の視聴者数を減らさないためであった。

新サービスはケーブルテレビと契約していない若年層をターゲットにしているため影響は限られている、というのがMLB側の主張のようだが、これにテレビ局側が納得しなければ、今後MLBとテレビ局との放映権契約はこれまでのような巨大契約にはならないかもしれない。

そこで、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、ケーブルテレビ加入者が実際に減少した際には、新しいストリーミングサービスの収益の一部をテレビ局に提供する可能性を検討しているという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-streaming-service-ott-cable-tv-rob-manfred/
https://nypost.com/2021/10/17/mlb-in-talks-to-launch-nationwide-streaming-service-for-home-games/

MLB.TVの視聴分数、過去最高を記録

Image Source: https://www.mlb.com/news/mlb-tv-free-game-of-the-day-indians-angels

2021年のMLBレギュラーシーズンが終了した。

MLBによれば、レギュラーシーズン中に、リーグが運営するストリーミングサービス「MLB.TV」の視聴分数の総計が105億分となり、過去最高を記録したという。

MLB.TVは2002年にサービスが開始され、これまでの総視聴分数の記録は2019年に記録された73.8億分であった。

さらに、MLB.TV史上最も視聴された上位10試合のうち9試合が2021シーズンの試合となったという。

この記録に関してMLBは、歴史的なシーズンを送った大谷翔平選手を初め、多くのスター選手が注目を集めたことが要因であると説明している。

Conviva社のデータによれば、今シーズン、SNS上で最も多くの新規フォロワーを獲得したのはロサンゼルス・エンゼルスであったという。

一方で、MLB.TVは、地域外のファンを対象にしたサービスで、地元チームの試合は視聴不可となっている(テレビ中継の視聴者数を減らさないための措置で「ブラックアウト」と呼ばれる)。

テレビからストリーミングに切り替える人が増えていくなかで、ブラックアウトに対する批判の声も上がっており、これがMLB.TVの今後の課題となるだろう。

参考文献:
https://www.mlb.com/press-release/press-release-mlb-tv-surpasses-10-billion-minutes-viewed-for-first-time-ever-and
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-tv-streaming-records-2021-regular-season/?blocktaxonomy=news

ブレーブス、学生アスリートと業務提携

ATLANTA, GEORGIA – MARCH 26: A general view of The Battery Atlanta connected to Truist Park, home of the Atlanta Braves, on March 26, 2020 in Atlanta, Georgia. Major League Baseball has postponed the start of its season indefinitely due to the coronavirus (COVID-19) outbreak. (Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)

アトランタ・ブレーブスは、レイチェル・バウマン(ジョージア大学、体操部)とジョーダン・イェーツ(ジョージア工科大学、アメフト部)と業務提携を結んだ。

今後、両選手は、ブレーブスの試合を観戦する様子をSNSに投稿する等の広報活動を行う。

先月7日にNCAAがNIL規則を変更し、学生アスリートのエンドースメント契約が解禁されると、ブレーブスはInstagramで学生アスリートに提携を呼びかけた。

応募条件は、地元の大学に通う学生アスリートであること、ブレーブスのファンであること、そしてSNSをよく使っていること。

この投稿には2000件以上のコメントが寄せられ、約500人の応募者の中から最終的にバウマン選手とイェーツ選手が選ばれた。

MLBチームがこのような契約を学生アスリートと結ぶのはこれが初。

今月初めには、フロリダ・パンサーズ(NHL)が、マイアミ大学アメフト部のデリック・キング選手との業務提携を発表している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/atlanta-braves-mlb-ncaa-nil-deals-rachel-baumann-jordan-yates-georgia-tech

MLBとFanatics、トレーディングカード製作に関する業務提携

MLBとMLB選手会は、過去70年に渡って選手のトレーディングカードを製作してきたTopps社との提携関係を解消し、新たにFanatics傘下の新会社と提携することになった。

以下、Sportico社の報道をまとめる。
・MLBとの契約は2025年に開始予定。
・MLB選手会は、今回の契約を20年間で20億ドル近くを生み出す可能性があると捉えている。
・Fanaticsが新設するトレーディングカード会社の株式をMLBとMLBPAに譲渡することも契約に含まれる。
・Fanaticsは、NBA、NBA選手会、NFL選手会ともトレーディングカード製作の権利を巡って交渉している。

Fanaticsは過去1年間で企業価値を3倍以上に成長させており、2021年末までに34億ドルの収入を見込んでいる。

現在Fanaticsは、トレーディングカード以外にも、スポーツ賭博やメディアといった新市場への進出を検討している。

一方Topps社は、MLSやNHLとトレーディングカードのライセンス契約を結んでいるが、MLBとの提携解消は大きな痛手となる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-fanatics-trading-cards-topps-baseball

オークランド・アスレチックス、移転を検討

Photo Source: MLB.com

先週月曜日、MLBはオークランド・アスレチックスに本拠地の移転を検討するよう通知した。

その理由は以下の通りである。

アスレチックスは本拠地であるRingCentral コロシアム(通称「コロシアム」)とのリース契約が2024年に失効する。

しかし、アスレチックスは同スタジアムとの契約を更新する意思はなく、代わりに新スタジアム建設を望んでいた。

ちなみに、コロシアムとの契約更新を望まない理由として、以下のような点を挙げている。
・スタジアムが古く(1966年オープン)、試合中に照明が消えるトラブルなどが発生している。
・アクセスが悪い。スタジアムは住民が徒歩や自転車などで簡単に来られる場所が望ましい。

これらの問題点を解消するため、アスレチックスはオークランドのダウンタウン近くに新スタジアムを建設する計画をオークランド市に提出した。

しかし、その後、市からの決定がなかなか出ず、ついにMLBが「MLBは、アスレチックスの新スタジアム計画に関するオークランド市および関係者との決定が遅いことを憂慮しています」とコメントするに至ったわけである。

ちなみに、これは公式発表ではないが、一部報道によれば、アスレチックスの移転先として最も有力なのはラスベガス(ネバダ州)で、ポートランド(オレゴン州)、ナッシュビル(テネシー州)、あるいはカナダの大都市(バンクーバーやモントリオールなど)もあり得るという。

参考文献:
https://www.mlb.com/news/oakland-a-s-to-explore-relocation
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-oakland-athletics-relocate-coliseum-las-vegas

レッズ、「ワクチン割引チケット」を販売

Source: MLB.com

シンシナティ・レッズは、コロナウイルスのワクチンを接種した人を対象にした割引チケットを販売する。

アメリカのスポーツチームがこのような割引キャンペーンを実施するのは初めてだ。

詳細は以下の通り。
・キャンペーンは4~5月に実施。
・月~木曜日の試合が対象。
・最低一回のワクチン接種を証明するワクチンカードを提示することが条件。
・割引価格はチケット1枚10ドル。
・一つのワクチンカードで、チケット最大6枚まで購入可能。

シンシナティのあるオハイオ州では、全体のおよそ33%がワクチンを接種している(4月8日現在)。

レッズの割引チケットキャンペーンは、ワクチン接種率の向上に貢献するだろうか。注目である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/cincinnati-reds-discounted-tickets-covid-19-vaccinated-fans-mlb

MLB、アジア圏での試合中継拡大

Source: Twitter

MLBは中国の大手メディアTencentとの放映権契約を2023年まで延長した。

試合中継にはTencentが運営するWeTVというストリーミングが使用される。

今回の契約では、中国に加えて、インドネシア、マレーシア、タイなどアジア6か国以上での放映権も含まれることになった。

アジア圏において、これだけ多くの国々でMLBの試合が中継されるのは初めてのことである。

Tencentは、レギュラーシーズンに加え、春季キャンプ、オールスター、プレーオフ、そして選手やインフルエンサーが出演する番組も放送するという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-tencent-china-streaming-deal-asia-wetv-oriental-pearl-media

Amazon、ヤンキースの試合をストリーミング

Amazonは、ニューヨーク・ヤンキースの公式戦21試合をPrime Video上で中継することを決定した。

なお、この中継を視聴できるのは、ヤンキースの地方放映権を持つYES Networkのテリトリー(ニューヨーク、コネチカット、ペンシルベニア、ニュージャージー)に限られる。

Amazonは2019年にYES Networkのオーナーになり、昨年すでにヤンキース戦のストリーミングを計画していた

昨年はコロナウイルスの影響で計画を保留したが、2021年レギュラーシーズンが162試合に戻ることが決まり、計画が実行されることになった。

Amazonは、NFLのThursday Night Footballの放映権を保有しており、先週、この契約を独占契約に切り替えたばかりである(契約金:年間13.2億ドル)。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/new-york-yankees-amazon-prime-video-yes-network-live-stream-mlb-2021-season

「バイデン大統領」は米スポーツ界にどのような影響を及ぼすか①

Photo Source: BBC.com

報道によれば、アメリカ大統領選挙は、バイデン氏の当選が確実となった。この結果はスポーツ界にどのような影響を及ぼすのだろうか。

一部関係者によれば、バイデン大統領誕生までに、プロチームの売却が頻発する可能性があるという。それはなぜか。

民主党に所属するバイデン氏は、富裕層への課税強化を推進すると見られる。

たとえば、資本利得(Capital Gain)に対する税率を最大20%から39.6%まで引き上げることを提案している。

資本利得というのは、購入した資産(株式や不動産など)の価値が上昇することによって生まれる利益である。単純化すれば、資産の購入価格と売却価格の差が資本利益となる。

そしてこの資産にはスポーツチームも含まれる。しかも、スポーツチームはかなり優秀な資産である。

Forbesの査定によれば、プロチームの年平均成長率(CAGR)は、NBAが約19%、MLBが約14.2%、NFLが約11.6%だという。これだけ成長率の高い資産はなかなかない。

つまり、長年所有していたチームを売却するときには、大きな資本利得が生まれるということである。

しかし問題はそれにかかる税金である。これが20%か39.6%によって、何百、何千億円という差が生まれかねない。

「そうなる前にチームを売却しよう」。そう考えるオーナーも少なくないのではないか。これが、「プロチーム売却が頻発する」と予想する根拠である。

(次回は具体的な事例を見ていきます)

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/11/09/Law-and-Politics/Election-teams.aspx

コロナ禍でVR中継に再び脚光?

先週、NBAはVerizonとの業務提携を延長したことを発表した。

Verizonは、バーチャルリアリティ(VR)を用いたNBA中継を提供している。

NBAの2019-20年シーズンは、先週オーランドで再開したが、ファンはそれを生観戦することはできない。

しかし、NBA League Passというネット中継サービスに登録し、VR観戦用の器具を用意すれば、生観戦しているかのような感覚を味わうことができる。

VR技術が登場した当初、「VRはスポーツ観戦に革命を起こす」という意見が溢れていたが、最近は「VRは個人観戦用であり、家族や友人と観戦経験を共有できない」などといったVR特有の問題が指摘されることが多く、VRへの投資も減少傾向にあった

ところが、コロナウイルスの影響で生観戦が難しくなり、VRが再び注目を集めている。

MLBも、先月23日、VR観戦ができるネット中継プラットフォームの新設を発表したばかりである。

果たして、VR中継人気は拡大するのだろうか。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-league-pass-verizon-streaming-2020-virtual-reality-ryot-yahoo-betting
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-oculus-virtual-reality-2020-live-streaming-technology-baseball