Microsoft、eスポーツプラットフォームを買収

先週、MicrosoftがSmash.ggを買収したことが明らかになった。

Smash.ggは、eスポーツの大会を主催および中継する会社で、取り扱うゲームはCall of Dutyや大乱闘スマッシュブラザーズなど多岐に渡る。

近年Microsoftはeスポーツへの関わりを強めており、今回の買収はそれを加速させる意味合いがある。

今回の買収に関して、Smash.gg側は「eスポーツコミュニティをさらに勇気づけ、Smash.ggの利用者や規模を拡大する。そういった可能性を感じ、興奮しています」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/microsoft-buys-smashgg-esports-gaming

IBM、Overwatch Leagueと業務提携

先週9日、IBMはeスポーツのOverwatch Leagueと業務提携を結んだことを発表した。

IBMはこれまでウィンブルドンやUSオープン、マスターズといったスポーツイベントに携わってきたが、eスポーツ団体と提携を結ぶのはこれが初めてである。

IBMの主な役割はOverwatch LeagueにAI、クラウド、およびデータ解析技術を提供すること。

Overwatch Leagueはそれらの技術を「試合中継の質を向上させるためのコンテンツ作成」や「ランキングシステムの改善」等に活用する。

IBMのノア・サイケン氏は「この提携を通して、団体にとっても、選手にとっても、そしてファンにとってもより楽しく夢中になる経験を提供します」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/overwatch-league-ibm-esports-sponsorship-ai-cloud-analytics

eスポーツ産業、コロナ禍で拡大中

コロナウイルスが世界中に蔓延し始めたころ、eスポーツ団体はいち早く手を打った。

ロックダウンが始まってから、45%のeスポーツイベントが延期、32%がオンラインに移行、そして24%が中止となった。これによって、ライブイベントを主催していたeスポーツ団体は大きな打撃を受けた。これは他のスポーツと共通する部分である。

一方で、現在eスポーツ産業は、他のスポーツには見られない速度で拡大している。

たとえば、パンデミックの前後で、パソコンゲームのアクティブ・ユーザーは46%、モバイルゲームのアクティブ・ユーザーは17%、消費者がモバイルゲームに費やす金額は24%、それぞれ増加した。

eスポーツの観戦者も増えている。

eスポーツの開発社のなかで最も観戦されているのはRiot社(League of Legendの開発元)で、2020年3月時点での観戦時間は累計で約5億時間であった(Valve社が3.5億時間、Epic社が2.9億時間)。

特に、League of Legendヨーロッパ選手権の観戦時間は3200万時間で、これは前回よりも470万時間も多かった。

プラットフォーム別で見ると、2020年3月時点での累計観戦時間はYouTube Gamingが11億時間、Facebook Gamingが5億時間を記録した。

最も成功を収めたのはAmazonが所有するTwitchで、累計観戦時間は30億時間。これは前期比17%増で、同社が四半期に記録した観戦時間としては過去最高である。

このように、ゲームそのものへのニーズ、eスポーツコンテンツの人気、そしてeスポーツを観戦するプラットフォームの認知度がそれぞれ高まっていることが、現在のeスポーツ産業の拡大を支えていると言えるだろう。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/esports-twitch-streaming-2020-youtube-facebook-gaming-china-fnatic-study

NFL、EAと契約延長

先週、NFLとNFL選手会は、大手ゲーム会社Electronic Arts(EA)との契約を延長したことを認めた。

報道によれば、契約金は16億ドルで、2026年まで有効だという。

NFLとEAは2004年に業務提携を結び、人気ゲームシリーズ「マッデンNFL(Madden NFL)」を制作してきた。

今回の契約で、EAは引き続きNFL選手の肖像権を用いたゲーム制作をする権利が約束される。

マッデンシリーズの制作はもちろんだが、NFLとEAは新たなジャンルのゲーム(モバイルゲーム等)の制作やeスポーツプログラムの拡大に取り組むことでも合意している。

EAのアンドリュー・ウィルソン氏は「マッデンNFLが最高の成功を収めている今は、EAがNFL・NFL選手会と一致団結する素晴らしいタイミングです」と言う。

「マッデンNFLの新作。新ジャンルのゲーム。新プラットフォームのゲーム。eスポーツ。そして世界中のNFLファンがNFLをさらに好きになるイノベーション。我々の前には巨大な可能性が広がっています」

また、NFL選手会のディモーリス・スミス氏は「EAスポーツおよびマッデンNFLは、NFLの選手とファンを繋ぐ重要な接点です」と言う。

「我々は、ファンとの対話を通じてフットボールファンを拡大するというビジョンを共有しています」

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nfl-madden-ea-sports-video-game-extension-nflpa

コロナウイルス、eスポーツには好機?

コロナウイルスの影響であらゆるスポーツイベントが中止になるなか、「スポーツを生で観戦したい」というニーズは日に日に高まっている。

NFLやNBAは過去の試合を無料で見られるサービスを始めたが、過去の試合には「何が起こるかわからない」というスポーツ特有のドラマ性はない。

そんななか、「この状況はひょっとするとeスポーツにとってチャンスなのでは?」という声が上がっている。

eスポーツは、選手が直接会わなくても対戦できる。もともと、イベント会場で生観戦するよりもネット上(Twitchなど)での観戦が一般的なエンターテインメントである。

Overwatch Leagueコミッショナーのピート・ブラステリカ氏は「私はスポーツが大好きでスポーツが恋しいので、この状況を楽しんでいるとはとても言えません」と言う。「しかし、ウイルスの流行を抑え込むなかで、Overwatch LeagueやCall of Duty Leagueが人々に興奮とエンターテインメントを提供できるというのはいいことです」

とはいえ、話は単純ではない。eスポーツ団体や選手のなかには中国に拠点を置くものも多く、コロナウイルスの影響を真っ先に受けることになった。

また、いくつかのeスポーツ団体は「ネット中継中心のビジネスモデル」から「各チームがホームタウンを持ち、生観戦に重点を置くビジネスモデル」への変革に取り組んでおり、ネット中継だけを行うというのはこの変革に逆行することになる。

Overwatch Leagueのサンフランシスコ・ショックを所有するアンディ・ミラー氏は、生観戦のイベントを中止し、ネット中継に集中することは「地元のマーケットを開拓する努力に逆行する」とコメントしている。

一方で、ミラー氏によれば、Overwatch Leagueは、この機会にゲーム好きだけでなくスポーツ好きにアプローチしていく計画を進めているという。

ある調査によれば、先週、アメリカでテレビゲームをする時間は75%増え、ある韓国のeスポーツリーグは試合の視聴時間が42%増えたという。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/03/23/Sports-and-Society/EsportsCV.aspx

2019年、北米スポーツ業界の動向④

昨日に引き続き、Sports Business Journalの読者アンケートの結果を紹介する。今日は、スポーツ賭博・eスポーツ編。

Q.スポーツ賭博の合法化は、あなたの州にどのような影響をもたらす?

  1. ポジティブな影響(80%)
  2. ネガティブな影響(20%)

Q.スポーツ賭博という新たなビジネスチャンスを最もものにしている賭博業者は?

  1. MGM Resorts(37%)
  2. DraftKings(26%)
  3. FanDuel(20%)
  4. William Hill(12%)
  5. Caesars(37%)

Q.スポーツ賭博を合法化する際、賭博業者がリーグからオフィシャルデータを購入することを義務付けるべき?

  1. そう思う(71%)
  2. そうは思わない(29%)

Q.eスポーツチームにとってフランチャイズ制(ホームタウンを持つビジネスモデル)は好手?悪手?

  1. 好手(33%)
  2. 悪手(11%)
  3. 判断するには時期尚早(56%)

Q.eスポーツリーグを最も良く運営しているゲーム会社は?

  1. Electronic Arts(28%)
  2. Activision Blizzard(27%)
  3. Riot Games(19%)
  4. Epic Games(16%)

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/11/25/Reader-Survey/Best-of-rest.aspx

マーク・キューバン氏「eスポーツチームのオーナーは『ひどいビジネス』」

ダラス・マーベリックスのオーナーとして有名なマーク・キューバン氏は、NBA2Kリーグのマブス・ゲーミングというプロeスポーツチームのオーナーも務める。

そのキューバン氏が、先週放送されたインタビュー番組のなかで、「アメリカにおけるプロeスポーツチームのオーナーはひどいビジネスだ」と語った。

キューバン氏は以下のように続けた。

「世界全体で見ればいいビジネスです。成長もしています。しかしアメリカ国内に関して言えば、eスポーツチームのオーナーというのは、ひどいビジネスです」。

「eスポーツに投資した人の多くは、ヨーロッパやアジアでの視聴者数とアメリカ国内の視聴者数に大きな開きがあることを十分に理解していなかったように思います」。

「アジアにはお金があります。韓国や中国ではたくさんのお金が動いています。じゃあアメリカではどうか。あまりないんですよ」。

ここ数年、アメリカでは多くの投資家がeスポーツに投資をしてきた。しかし、実際にeスポーツチームが放映権やスポンサーシップから上げる収益は、投資家が期待するレベルに達していない。

この状況が続けば、投資家が離れ、アメリカ国内のeスポーツ市場も収縮しかねない。

参考文献:
https://www.dallasnews.com/business/entrepreneurs/2019/10/24/mark-cuban-owning-an-esports-team-in-the-us-is-an-awful-business/

ルイ・ヴィトン、League of Legendsのスポンサーに

最も人気が高いeスポーツの一つであるLeague of Legendsを制作するRiot Games社が、ルイ・ヴィトンと複数年のスポンサー契約を結んだ。

今後ルイ・ヴィトンは、League of Legendsの世界大会優勝者に授与されるトロフィーをデザインする。

さらにルイ・ヴィトンは、ゲーム内でキャラクターが身に着ける衣服(skinと呼ばれる)もデザインする予定だという。

Riot GamesのNaz Aletaha氏は、FIFAワールドカップのトロフィーケースをルイ・ヴィトンがデザインしたことに言及し、以下のように述べた。

「eスポーツは伝統的なスポーツやエンターテインメントと肩を並べるくらいのスケールになってきました。また、League of Legendsは、独自の文化を醸成してきました。独自の音楽をつくり、独自のアートをつくり、そして今、独自のファッションをつくろうとしているのです」。

ちなみに、League of Legendsの世界大会には13の地域で行われる予選を勝ち抜いたチームが参加するが、今回の契約には予選大会に関する権利は含まれていない。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/09/23/Esports/Louis-Vuitton.aspx

銃乱射事件、eスポーツ業界への影響

アメリカでは、今月に入ってから、エルパソ(テキサス州)やデイトン(オハイオ州)といった土地で銃乱射事件が相次いでいる。

今月5日に開かれた会見で、トランプ大統領は、銃を使うテレビゲームが人々の暴力行為を助長している可能性について言及した。

その翌日、ESPNは予定されていたeスポーツ大会の放送を自粛した。その理由として、ESPNは、エルパソとデイトンで起こった銃乱射事件をあげた。

また、Walmartは銃を使ったテレビゲームを販売する店舗に出していた広告をすべて撤去した。

これらの一連の出来事は、銃乱射事件がeスポーツ業界に与える影響の大きさを物語っている。

eスポーツで使われるゲームには、銃などの武器で対戦相手を殺すものが多い。

「暴力描写の多いゲームをプレーすることが実社会における暴力に直結する」という可能性については、多くの研究者によってすでに否定されている。

それでも、その可能性を信じる消費者や企業は多く、銃乱射事件が起こるたびにeスポーツから距離を取る動きが現れる。

eスポーツに詳しいコンサルタントのRod Breslau氏は、「ESPNがあれほど素早く放送延期を決断したのを見ると、銃乱射はeスポーツ業界に影響を及ぼすと言わざるを得ません」と言う。

では、eスポーツ業界はこの現状をどのように変えればいいのか。

Complexity GamingのJason Lake氏は、eスポーツ関係者はもっと声を上げるべきだと指摘する。Lake氏は「関係者のなかには、その話題に触れないようにする人もいますが、私はゲーム業界として取り組む問題だと思います」と語る。

参考文献:
https://www.nbcnews.com/politics/donald-trump/fact-check-trump-suggests-video-games-blame-mass-shootings-n1039411
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/08/19/Esports/Esports-violence.aspx

Overwatch League、フランチャイズ制を導入

eスポーツリーグのOverwatch Leagueは、2020年シーズンからフランチャイズ制を導入することになった。

2017年の発足以来、レギュラーシーズンのゲームは主にカリフォルニア州のBlizzard Arenaに全チームが集まる形で開催されていた。

それが来年からは、各チームが本拠地を持ち、ホーム・アンド・アウェイ形式でリーグ戦を行う形式になる。eスポーツリーグがフランチャイズ制を導入するのはこれが初めてである。

本拠地一覧

Overwatch Leagueは、かねてからフランチャイズ制構想を公言していたが、その詳細が今月になって初めて明かされた。

これによれば、Overwatch Leagueが導入するホーム・アンド・アウェイは従来のそれとは少し異なるようである。

サッカーやバスケットボールのリーグにおけるホーム・アンド・アウェイは、「チームAの本拠地にチームBが行って試合をし、次にチームBの本拠地にチームAが行って試合をする」という意味であるが、Overwatch Leagueが導入するホーム・アンド・アウェイは、「チームAの本拠地に他の全チームが行き総当たり戦を行い、次にチームBの本拠地で同様の試合をする」というものとなる。

放映権の交渉はリーグが一括で行うが、施設の選択やイベント・オペレーションは各チームに委ねられる。

Overwatch LeagueコミッショナーのNate Nanzer氏はフランチャイズ制に関して以下のように話している。

「これはOverwatch Leagueにとってだけでなくeスポーツ界にとって重要なステップです。これまでeスポーツリーグは、グローバルスポンサーシップとYouTubeやTwitchといったプラットフォームを使ったコンテンツのマネタイズ、という2つを主軸としたビジネスモデルでした。一方、従来型のスポーツリーグでは、各チームが自前の施設を持ち、チケット販売を担い、VIPやボックス席の充実を図り、コンセッションや駐車場を管理し、グッズを製作し、ローカルなスポンサーシップを販売しています。このビジネスモデルをeスポーツに導入しない理由はありません」。

参考文献:
https://www.washingtonpost.com/sports/2019/03/15/overwatch-league-announces-city-based-home-and-away-matches-will-start/?utm_term=.e86d195d98a6
https://www.theverge.com/2019/7/16/20694642/blizzard-overwatch-league-home-away-games-esports-2020