ユベントスTV、Amazon Prime Videoに登場

ユベントスは、Amazon Prime Videoに独自のチャンネルを立ち上げることを発表した。ヨーロッパのサッカークラブとしては初めての試みとなる。

新チャンネルの名前は「ユベントスTV(Juventus TV)」。選手やスタッフの独占インタビューなどのコンテンツが視聴できる。

ユベントスは、2018年に同様のサービスをNetflix等で提供していたが、今回はAmazonのプラットフォームを使うことになった。

なお、視聴にはAmazon Prime会員になることに加え、月3.99ユーロの追加料金が必要になる。

ユベントスTVは、イタリア以外にも、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、日本などで視聴可能である。

この試みには、ユベントス側の「ファン拡大」「収入源を増やす」といった狙いもあるが、Amazon側の「スポーツコンテンツの充実」「登録者数増加」といった目的もある。

また、現地の報道によれば、AmazonはイタリアにおけるUEFAチャンピオンズリーグの放映権の獲得にも動いているという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/juventus-tv-amazon-prime-video-champions-league-rights

Amazon、Thursday Night Footballに新機能を追加

Amazonは、2017年にNFLの「Thursday Night Football」の放映権を獲得して以来、Amazon PrimeやTwitchといったプラットフォームで試合中継をしてきた。

世界200か国以上で視聴可能で、英語だけでなくスペイン語やポルトガル語での中継も行っている。

今シーズン最初の「Thursday Night Football」は10月8日だが、ここから新たな機能が追加されることが明らかになった。

たとえば、ユーザーが自分の見たいシーンを選んで、試合中にリプレーを見ることができるようになる。

「今のプレーもう一回見たいな。リプレーやってくれないかな」という思いをすることもなくなるだろう。

その他にも、試合の実況・解説をすべて女性キャスターが行うオプションや、試合を見ながらドラフト情報を聞くことができるオプションも導入される。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/amazon-interactive-2020-nfl-replays-prime-video-twitch-streaming

Amazon Prime Video、共同視聴機能を追加

アマゾンのストリーミングサービスAmazon Prime Videoが、共同視聴という新機能を加える。

具体的には、招待されたユーザーだけがアクセスできる「バーチャル・フォーラム」を用いて、最大100人のユーザーが同じコンテンツを同時に楽しむことができる。

まずはアメリカ国内でのみ試験的に取り入れられる。

アメリカには、スーパーボウルやマーチ・マッドネスといったスポーツイベントを家族や友人の家に集まって観戦する「Watch Party(鑑賞会)」という文化があるが、コロナウイルスの影響でそれができなくなっている。

スポーツイベントが再開されつつあるなか、鑑賞会に近い体験をユーザーに提供したい。今回追加される新機能にはそうした狙いがある。

なお、他のストリーミングサービスでは、HuluやScenerがチャット機能を取り入れている他、Sky Sportsのような伝統的なメディアも視聴者同士が会話を楽しめるような仕組みの導入に取り組んでいる。

スポーツ観戦の重要な要素である「家族や友人との交流」。これをどのようにバーチャルで再現できるか。

スポーツイベントの全面的な再開を前に、様々なスポーツメディアが模索を続けている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/amazon-prime-video-beta-testing-watch-party-video-streaming-feature

Amazonのユニークなスポーツ中継戦略③

以前の投稿でも説明した通り、2019年にAmazonは、ニューヨーク・ヤンキースの地方中継を担当するテレビ局YES Networkのオーナーグループに加わった

そして今日、Amazonは、ヤンキースの公式戦21試合をPrime Video上でネット中継すると発表した。これは初めての試みだ。

プライム会員であれば無料で視聴することが可能だが、地理的な制約がある。

具体的には、ヤンキースのマーケットであるニューヨーク州、コネチカット州、ペンシルベニア州の北東部、そしてニュージャージー州の一部でのみ観戦することができる。

番組制作はYES Networkが担当し、Amazon以外にも複数テレビ局が同時に試合を中継するという。

Prime Video独自の仕掛けもある。Amazonの「X-Ray」と呼ばれる技術を活用し、試合を見ながらスタッツや選手情報を見ることができる。

Amazonのドノヒュー氏は「私たちはプライム会員に出来るだけ様々なコンテンツを、様々なデバイスを通じて提供したいと思っています。この試みは、他のローカルテレビ局、そしてヤンキースという最も愛されているスポーツチームと協働する機会となります」とコメントした。

参考文献:
https://www.geekwire.com/2020/amazon-inks-deal-stream-new-york-yankees-baseball-games-prime-video/
https://variety.com/2020/digital/news/amazon-prime-video-21-yankees-games-1203522258/

Amazonのユニークなスポーツ中継戦略②

従来のスポーツ放映権ビジネスのモデルをAmazonに当てはめようとすると理解できないことが多い。

たとえば、2018年にAmazonがプレミアリーグの試合を中継した際は、プライム会員限定であった。

一方で、NFLの試合を中継する際には、Amazonプライムだけでなく、Twitch(Amazonが保有するもう一つのネット中継プラットフォーム。主にeスポーツの中継に使われる)、そして2つのテレビ局(FoxとNFL Network)が同時に中継している。

果たして、Amazonはスポーツ放映権を独占したいのか、それとも共有したいのか。

「皆さんを混乱させてしまっているようですね」

そう言うのは、Amazonでスポーツ中継を担当するマリー・ドノヒュー氏。

「我々は、他のどのネット中継業者とも違います。放映権を何でもかんでも買おうという方針ではありません」

「Amazonプライムは会員制サービスです。会員になることで特典がもらえる。『スポーツ中継が見られる』というのも特典の一つなのです」

つまり、Amazonはスポーツ中継を通して収益を上げようとしているわけでも、マーケットシェアを競っているわけでもないのだ。

いくら人気の高いスポーツコンテンツであっても、プライム会員にとって魅力的な特典とならなければ手を出さない。それが意思決定の基準なのである。

この観点から、Amazonが結んだ契約(NFLやプレミアリーグなど)と見送った契約(PGA Tourなど)を分析してみると、ユニークな知見が得られるかもしれない。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/02/24/Media/Sports-media.aspx

Amazonのユニークなスポーツ中継戦略①

スポーツのネット中継が広く浸透していくなかで、関係者の注目を集め続けているのが、Amazonである。

Amazonは、2018年からNFLの試合をAmazon Primeで中継している他、2021年からはUEFAチャンピオンズ・リーグの試合をドイツで、全仏オープンをフランスで中継することになっている。

Amazonの時価総額は1兆ドル。一方、スポーツ放送局最大手のESPNを保有するDisneyの時価総額が2550億ドル。

Amazonがその気になれば、スポーツ放送業界を大きく変えることも可能だろう。

スポーツリーグ・チームとしても、Amazonと提携することにはいくつもの利点がある。

まずは、同社が世界中に1億人以上のプライム会員を抱えており、その多くがテレビから離れつつある若い世代であること。Amazonがネット中継をすることでファン拡大の機会が生まれる。

もう一つは、Amazonが放映権の買い手となることで、放送局間の競争が激化すること。その結果、放映権料が高騰する可能性がある。

では、実際のところ、Amazonはスポーツ中継に本腰を入れているのか?これがいまいちわからないのだ。

ここ数ヶ月だけを見ても、PGA Tourのネット放映権など、いくつかの人気コンテンツにAmazonは手を出さなかった。

一体Amazonはスポーツ中継ビジネスをどのように捉えているのだろうか。

つづく。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/02/24/Media/Sports-media.aspx

Amazon、NHL新アリーナのネーミングライツを購入か

NHLは2021年に新チームを立ち上げる。

チーム名はまだ明らかになっていないが、シアトルのシアトル・センター・アリーナが本拠地になることは決定している。

新チームはすでに種々の営業を開始しており、現在の重要案件はアリーナのネーミングライツ販売である。

すでに3社に候補が絞られており、その最有力候補がAmazonであると伝えられた(他の2社は不明)。

もし実現すれば、Amazonにとってスポーツチームと結ぶ初めてのネーミングライツ契約となる。

契約は年間1400万ドルほどになると見られている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Daily/Issues/2020/01/23/Facilities/Seattle.aspx

NFL、Sunday Ticketの放映権を巡る駆け引き

「Sunday Ticket」とは、日曜日に放送されるNFL中継の番組名で、番組制作はFoxとCBSが担当し、放映はDirecTVが行っている。

Sunday Ticketは「Out-of-market」と呼ばれる、地域外に住む人々を対象にした番組である。

たとえば、ニューヨークに住むダラス・カウボーイのファンは、ダラスに住む地元ファン向けの試合中継は観戦できないが、DirecTVと契約することで同じ試合の観戦が可能になる。

このSunday Ticketの放映権を巡る動きが活発になっている。

先述したように、現在、Sunday Ticketの放映権はDirecTVが独占的に保有している。言い換えれば、Sunday Ticketを見るためにはDirecTVに加入することが必須である。

DirecTVはNFLと8年契約を結んでおり、その契約金は年間およそ15億ドルにも及ぶ。

この契約は2022年まで有効だが、NFLはそれより前に契約を切る権利を持っており、その権利を行使する期限が今年の9月に迫っている。

NFLにとってDirecTVとの契約は、多額の放映権収入が保証されるというメリットがある反面、他の放映方法を探る機会を放棄することを意味する。

たとえば、若年層のファン拡大を狙うのであれば、ネット中継を試すというのも手である。実際、カナダではSunday TicketはDAZNが配信を行っている。

Amazon、DAZN、ESPNはSunday Ticketをネット中継することに興味を示しているものの「独占的配信権」を得るつもりはないという。独占的配信権となればそれだけ放映権料も巨額になるからだ。

NFLが巨額の放映権収入を見込める独占的配信権にこだわるのか、あるいは独占を諦め、より規模の小さな契約を複数社と結ぶのか。

契約の相手はDirecTVか、他のケーブルテレビ業者か、あるいはネット中継業者か。

今後の動向に注目である。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/06/17/Media/Sunday-Ticket.aspx

NHLの放映権争奪戦

NHLは、2004-05年シーズンのロックアウト(選手のボイコットによる全試合中止)以来、全国放送の試合中継はNBCがすべて行ってきた。

一つのテレビ局が独占放映権を持つのは、北米四大スポーツリーグでは珍しいことである。

他リーグでは、NFLが4局、MLBが3局、NBAが2局と全国中継の放映権契約を結んでいる。

MLBを例にとれば、ESPNが日・月・水曜日のナイター、Fox Sportsが土曜日のデーゲームおよびナイター、TBSが日曜日のデーゲームを中継している。

このように複数のテレビ局と契約を結ぶことで収入源が増え、また、各局が抱える独自の視聴者層にアプローチすることができる。

一方NHLは、前述したロックアウトが原因で、複数局と好条件で契約することが困難になり、NBCとの独占契約を結ぶことになった。

そのNBCとの契約が2020-21年シーズン後に切れる。

関係者によれば、NHLはNBCと契約延長はせず、複数のテレビ局と契約することを検討しているという。

まだ交渉は始まっていないが、すでにESPN、Fox Sports、Turner Sportsといった大手スポーツ局、そしてAmazonやTwitterも放映権獲得に興味を示しているという。

週末の試合はESPNでテレビ中継、平日のデーゲームはTwitterでネット中継というようなこともあるかもしれない。

今後、NHLの放映権契約に関するニュースを目にしたとき、どこのテレビ局(あるいはネット中継プラットフォーム)との契約なのかだけでなく、何曜日の試合なのか、プレーオフは含まれるのか、なども注目すると理解が深まるだろう。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/05/27/Media/Sports-media.aspx

ヤンキース、YES Networkを買収

2019年3月、「ニューヨーク・ヤンキースが複数企業と共同でYES Networkを買収する」と報じられた。これはNew York Timesが行った関係者への取材で明らかになったものである。

ヤンキースによるYES Networkの買収は、2018年末にYahooニュースで取り上げられたことで日本でも話題となり、その際に本ブログでも解説した。

今回の買収では、ヤンキースを筆頭に、Amazon、Sinclair Broadcasting、そしてRedbird Capitalといった複数企業がオーナーグループを形成する。
買収金額は35億ドル程度だと見られる。

オーナーグループに参加するAmazonは、NFLの「Thursday Night Football」をAmazon Prime上でネット中継するなど、昨今スポーツ業界で存在感を強めている。

一方で、最近発表された調査結果によると、Amazon Primeの会員数は頭打ち状態にあるという。

今回のAmazonによる地方テレビ局獲得の動きは、「スポーツ放映に関する更なるノウハウの獲得」と「新たな収益源の探索」という二つの意味合いがある。

参考文献:
https://www.nytimes.com/2019/03/08/business/media/amazon-yankees-yes-network.html
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/04/08/Opinion/Russo.aspx