
2014年2月、元マイナーリーガー3名がMLBを相手に訴訟を起こした。原告側は、MLBの各球団が最低賃金や時間外労働に関する法律に違反していると主張。
MLB側は訴えの棄却を試みたが、2020年10月、最高裁がこれを退けた。
実際に裁判が行われて莫大な損害賠償を命じられる可能性もあったが、MLBはそうなる前に原告と和解に達した(和解は現在裁判官の承認待ち)。
とはいえ、この和解が正式に成立すれば、MLBはマイナーリーグの選手たちに対して1億8500万ドル(約255億円)を支払うことになる。
そして、そこから弁護士費用などを差し引いた約1億2019万ドルが、数千人の選手に配分されるという。
加えて、MLBは、春季キャンプや教育リーグの期間中にマイナーリーグの選手に給与を支払うことを各球団に認めた(従来、そのような行為を禁じられていた)。
現在、マイナーリーグの選手は5000人以上おり、その大半は年間4800ドル(約66万円)から1万4700ドル(約202万円)の収入を得ている(給与はシーズン中にのみ支払われる)。一部の選手は貧困ライン以下の給与を受け取っているのが現状だ。
訴訟を主導したギャレット・ブロシュース弁護士は以下のようにコメントしている。
「メジャーリーグの夢を追い求める選手たちが、貧困レベルの賃金、あるいは全く賃金を得られず、経済的に苦しい状況にあることを目の当たりにしてきました」
「今回の和解は、マイナーリーグの選手にとって、公平で公正な補償制度に向けた記念すべき一歩です」
マイナーリーグの選手たちは、さらなる労働環境改善のためにリーグへの働きかけを続けていくという。
参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-minor-league-baseball-players-pay-lawsuit-settlement/