「アスリート版の株式市場」

元MLB選手のアレックス・ロドリゲス氏とウォルマートの元幹部マーク・ロア氏は、ビジネスパートナーとして様々な企業に投資している。

2021年4月には、ミネソタ・ティンバーウルブズとミネソタ・リンクスのオーナーの一員となり、大きな話題となった。

Photo Source: SI.com

その二人がMojoという新会社に出資することが明らかになったのだが、この会社が非常に興味深い。

Mojoが目指すのは「アスリート版の株式市場」を創造すること。アスリートが「株式」を発行し、ユーザーがそれを売買する。

実際の株式市場では企業の業績によって株価が上下するが、「アスリート版の株式市場」ではフィールド上のパフォーマンスによって株価が上下する。

「株式」の売買はRobinhoodやCoinbaseのような取引アプリで簡単に行えるように調整しているという。

Mojoはすでに7500万ドル(約88.6億円)を調達しており、2022年末までに運営を開始する予定。まずはアメリカンフットボール選手が対象になるという。

現在Mojoの経営陣は組織づくりと並行して、スポーツリーグおよびスポーツベッティング関係の各種団体と議論を重ねている。

それと言うのも、Mojoのビジネスは「株式市場」とは呼んでいるが、アスリートのパフォーマンスを対象に賭けをしているようなもので、同社に適用され得る規則を事前に検証する必要があるのだ。

参考文献:
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-09/a-rod-backs-new-app-that-s-a-stock-market-for-fans-of-athletes
https://www.si.com/fannation/nba/fastbreak/news/ben-stinar-of-fastbreak-on-fannation-interviewed-new-minnesota-timberwolves-owner-marc-lore-about-his-life-relationship-with-alex-rodriguez-career-and-the-purchase-of-the-team

NBA Launchpad、5社を選定

2021年6月、NBAは「NBA Launchpad」という企業支援プログラムを発足した。このプログラムでは、主に以下の4分野に役立つ技術開発をサポートすることを目的としている。

・ユースバスケットボールにおける健康とウェルネスの向上
・ユースプレーヤーのパフォーマンス向上
・足首の怪我予防と回復
・審判のトレーニングと育成の推進

NBA Launchpad発足の発表以来、NBAには実に25カ国から応募があったという。

昨今、北米スポーツ界ではスポーツリーグ・チームによる企業支援が盛んに行われているが、今回のケースはそれが世界的な規模になっていることを示している。

そして2022年1月、NBAは以下の5社を選定した。

・BetterGuards(ベルリン):怪我を防ぐための足首の保護システムを開発
・Breathwrk(カリフォルニア):アスリートの覚醒、集中、睡眠を助けるための呼吸法のガイド付きアプリを作成
・Nextiles(ブルックリン):人間の動きを追跡するセンサー織布を使用したスマートウェアを開発
・Uplift Labs(カリフォルニア):健康やパフォーマンスを高めるために動きを分析するAIソフトウェアを開発
・Rezzil(マンチェスター):認知トレーニング、リハビリテーション、試合後の分析などのためのVRプログラムを作成

今後6カ月間、上記の5社はNBAとともに研究プロジェクトに取り組み、様々なサポートを受けることになる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-launchpad-tech-startups-rezzil-betterguards-breathwrk-nextiles-uplift-labs/
https://www.sportspromedia.com/news/nba-launchpad-emerging-technology-basketball-incubator-programme/
https://www.sporttechie.com/nba-launchpad-chooses-five-companies-to-help-target-ankle-injuries-youth-development-ref-training-and-wellness

ファルコンズのオーナー、投資ファンドを新設

Nov 22, 2015; Atlanta, GA, USA; Atlanta Falcons owner Arthur Blank is shown during warm-ups before the Falcons game against the Indianapolis Colts at the Georgia Dome. Mandatory Credit: Jason Getz-USA TODAY Sports

アトランタ・ファルコンズ(NFL)、アトランタ・ユナイテッド(MLS)、そしてメルセデス・ベンツ・スタジアムの親会社であるAMB Sports and Entertainment(AMBSE)は、投資ファンドを立ち上げることを発表した。

新ファンド「AMBSE Ventures」の投資対象は、スポーツ・エンターテインメント分野の技術系スタートアップ。AMBSEが保有する資産を強化することが目的だ。

具体的には、「観戦経験改善」、「選手のパフォーマンス向上」、「イベント運営の円滑化」、「メディア・スポンサーとの関係強化」に寄与する新技術や、esportsや賭博といった新興ビジネスに関係するものなどを広く募集する。

AMBSE担当者のスティーブ・キャノン氏によれば、投資先に地域的な制約はなく、今後12ヶ月以内にいくつかの投資が行われる予定だという。

北米スポーツ界では、プロスポーツチームが自前の投資ファンドを立ち上げる動きがここ数年広がっている。

2015年、ロサンゼルス・ドジャースは「Dodgers Accelerator」を設立し(2018年に「Global Sports Venture Studio」に名称変更)、スポーツ・エンターテインメント関連のベンチャー企業に投資してきた。

2017年、グリーンベイ・パッカーズはマイクロソフトと提携し、地元ウィスコンシン州のイノベーションと経済成長を促進することを目的とした「TitletownTech」を設立。

その後、ミルウォーキー・バックスとミルウォーキー・ブリュワーズがこの動きに加わり、TitletownTechの一部門として投資ファンド「Equity League」を立ち上げ、地元のテクノロジー企業を中心に投資を行っている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/atlanta-falcons-ambse-ventures-sports-tech-investment-fund-arthur-blank

マーク・キューバン氏「eスポーツチームのオーナーは『ひどいビジネス』」

ダラス・マーベリックスのオーナーとして有名なマーク・キューバン氏は、NBA2Kリーグのマブス・ゲーミングというプロeスポーツチームのオーナーも務める。

そのキューバン氏が、先週放送されたインタビュー番組のなかで、「アメリカにおけるプロeスポーツチームのオーナーはひどいビジネスだ」と語った。

キューバン氏は以下のように続けた。

「世界全体で見ればいいビジネスです。成長もしています。しかしアメリカ国内に関して言えば、eスポーツチームのオーナーというのは、ひどいビジネスです」。

「eスポーツに投資した人の多くは、ヨーロッパやアジアでの視聴者数とアメリカ国内の視聴者数に大きな開きがあることを十分に理解していなかったように思います」。

「アジアにはお金があります。韓国や中国ではたくさんのお金が動いています。じゃあアメリカではどうか。あまりないんですよ」。

ここ数年、アメリカでは多くの投資家がeスポーツに投資をしてきた。しかし、実際にeスポーツチームが放映権やスポンサーシップから上げる収益は、投資家が期待するレベルに達していない。

この状況が続けば、投資家が離れ、アメリカ国内のeスポーツ市場も収縮しかねない。

参考文献:
https://www.dallasnews.com/business/entrepreneurs/2019/10/24/mark-cuban-owning-an-esports-team-in-the-us-is-an-awful-business/

Fanatics③ 大手企業が次々にFanaticsに出資

Fanaticsは現在300を超えるグッズショップおよびショッピングサイトを運営しており、北米スポーツリーグ(NFL, MLB, NBA, NHL, NASCAR, MLS, PGA)、大手メディア(NBC Sports, CBS Sports, FOX Sports)、そして200を超える大学・プロスポーツチームのグッズを販売している。その中にはマンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、マンチェスター・シティといった海外チームも含まれている。

急成長するFanaticsは、投資の対象としても注目されている。

たとえば2017年、NFL、NFL選手会、MLB、MLSがFanaticsへの出資を発表。その額は、NFLが9500万ドル、NFLPAが500万ドル、MLBが5000万ドルであったと報道されている。2018年には、NHLも1000万ドル程度を出資する方針であると報道された。

スポーツリーグ以外では、2017年、Softbankが10億ドルを出資。この契約によってFanaticsは、Softbankが持つアジア圏におけるビジネスのノウハウも獲得することを期待しているという。

2017年に行われたインタビューの中で、FanaticsのMichael Rubin氏は「Fanaticsのビジネスは、野球で例えれば、まだ2回だ」と語った。 Rubin氏によれば、北米のプロスポーツに比べ、大学スポーツおよび国際マーケットには、まだFanaticsの成長の余地があるという。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2017/05/08/Leagues-and-Governing-Bodies/Fanatics.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2017/11/06/Marketing-and-Sponsorship/Fanatics-MLS.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/02/19/Marketing-and-Sponsorship/Lefton-Report.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Daily/Issues/2017/09/06/Finance/Fanatics.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Daily/Issues/2017/11/30/Dealmakers-In-Sports/Fanatics.aspx

ドジャース、ベンチャー企業に投資

2018年1月、ロサンゼルス・ドジャースは同チームが運営する投資プログラム「Dodgers Accelerator」の拡大を発表した。

Dodgers Acceleratorは、2015年にドジャースが広告代理店のR/GA社と共同で立ち上げたプログラムで、その内容は、スポーツ・エンターテインメント関連のベンチャー企業に活動資金を投資するというものである(12万ドルを投資し、6%ほどの株主資本を得る)。

このプログラムはこれまで15のベンチャー企業を支援し、アメリカのスポーツ界で最も成功を収めた投資プログラムの一つとなった。

今回ドジャースは、このプログラムの名称を「Global Sports Venture Studio」に改め、その内容を大幅に変更すると発表した。

まず、8月から11月までの期間限定であったプログラムを、年間を通じて運営するものにする。そして投資対象も拡大し、よりグローバルなプログラムにする。

この変更に伴い、同プログラムはドジャースの本拠地であるロサンゼルスだけでなく、ニューヨーク、ロンドンにもオフィスを構え、投資先を探す方針であるという。

このプログラムを通してドジャースは投資家としての利益(投資先のベンチャー企業が成功を収めれば、保有する株主資本の価値も上がる)を得る一方、同チームのビジネスに応用できそうな新技術に関する情報をいち早く得ることもできる。

参考文献:
http://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/01/08/Franchises/Dodgers.aspx
https://www.globalsportsventurestudio.com/
https://www.mlb.com/dodgers/news/dodgers-accelerator-program-hosts-demo-day/c-157045580