2023年FIFA女子ワールドカップのスタジアム発表

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FIFAは、2023年に開催される女子ワールドカップで使用されるスタジアムを発表した。オーストラリア・ニュージーランドの全9都市、10スタジアムが舞台となる。

女子ワールドカップが複数国による共催となるのも、参加チームが32か国になるのも、今回が初である。

開幕戦はオークランドのエデン・パーク、決勝戦はシドニーのスタジアム・オーストラリアで行われる。

2019年にフランスで行われた前回大会では、アメリカ代表チームを中心に「Equal Pay」運動が注目を集めた。

FIFA会長のジャンニ・インファンティーノ氏は「2019年フランス大会は、ピッチ内外で大きな成功を収めました。2023年大会は世界最高峰の選手たちを見せるだけでなく、人々を一つにし、勇気を与え、人生を変える機会を与えます。そしてオーストラリア・ニュージーランドはもとより、世界中の女子サッカーに持続的なレガシーを残すでしょう」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fifa-2023-womens-world-cup-host-cities-stadiums

スポーツの垣根を超えたプロジェクト「Women’s Elite Sport Partnership」

今週8日、「国際女性デー」のこの日、イギリスに本拠地を置く5つの女子スポーツチームが「Women’s Elite Sport Partnership」というプロジェクトを立ち上げた。

参加チームは以下の通り。

1. ウェストハム・ユナイテッド(サッカー)
2. ロンドン・パルス(ネットボール)
3. ロンドン・ライオンズ(バスケットボール)
4. エセックス・レベルズ(バスケットボール)
5. サンライザーズ(クリケット)

このプロジェクトは「女性のスポーツ参加向上」と「エリート選手への道筋確立」を主な目的としている。

女性スポーツの裾野拡大・パフォーマンス向上だけでなく、女性アスリートの経済活動に関する取り組みも展開していくという。

たとえば、チケット販売の方法や試合観戦をより価値の高いものにする手段などを横断的に議論し、各チームの収益拡大に寄与する。

ウェストハム・ユナイテッドの最高責任者であるジャック・サリバン氏は以下のように語る。

「世界中のスポーツ関係者にとって2020年は本当に大変な一年でした。そのなかでも女子サッカーは大きな勢いを持って進んでいます。2021年、この勢いをさらに大きくするのが、今回結ばれた素晴らしいパートナーシップです」

また同氏は「将来的には、イギリス国内のトップチームにどんどん参加してほしいです」ともコメントしている。

参考文献:
https://insidersport.com/2021/03/09/five-clubs-combine-to-establish-womens-elite-sport-partnership/

NWHL、新シーズン開幕へ

Dunkin' Donuts skates in as the first corporate sponsor of the National Women's Hockey League (PRNewsFoto/Dunkin' Donuts)

今週土曜日、女子アイスホッケーリーグのNational Women’s Hockey League(NWHL)が新シーズン(6シーズン目)を開幕する。

全6チームがニューヨーク州レークプラシッドに集まり、すべての試合を1つの会場で行う、いわゆる「バブル」という形式を採用する(全日程が2週間で終了する)。

選手の給与や宿泊費、コロナウイルスの検査薬などを合わせた費用は数百万ドル(数億円)になる見込みで、収入で賄えない分は8人のリーグ理事が負担するという。

昨年コミッショナーに就任したばかりのタイラー・トゥミニア氏は、大きな赤字を生むことになるとしても「新シーズン開幕はリーグの存在感を保つためには不可欠だった」と言う。

試合はすべて無観客となるため、チケットや飲食の収入はなくなる。主な収入源は放映権収入とスポンサー収入だ。

たとえば、2月4・5日に行われるリーグ優勝決定戦と準決勝はNBC Sports Networkが全国中継する。女子プロアイスホッケーの試合がキー局で全国中継されるのはこれが初めてである。

トゥミニア氏によれば、開催地がもつ歴史的な意味が「いいストーリー」をつくり、放映権契約の交渉に生きたという。

開催地となるレークプラシッドは、冬季オリンピックを二度誘致した町として知られており(1932年と1980年)、特に1980年大会はアイスホッケーのアメリカ代表がソビエト連邦代表を下して金メダルと獲得したことで大きな注目を集めた。この勝利は「氷上の奇跡(Miracle on Ice)」として今も語り継がれている。

また、NBCの副社長が個人的に女子ホッケーのファンであることも有利に働いたという。

「アメリカのスポーツビジネス」というとすべてが合理的に動いているようなイメージがあるかもしれないが、実はこのように個人的な情熱が重要な役割を果たすケースが多く見られる。

ちなみに全国中継のない試合はTwitchを通じてネット中継をする予定である。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2021/01/18/Leagues-and-Governing-Bodies/NWHL.aspx

女子クリケット、8万人を超える観客動員

コロナウイルスの影響は、世界中のスポーツ界に及んでいる。

オーストラリアもその例外ではなく、先週金曜日に予定されていたフォーミュラワンは中止に、オーストラリアン・フットボール・リーグは無観客試合を発表した。

その一方で、今月8日、オーストラリアのメルボルン・クリケット・グラウンドには8万6174人もの観客が押し寄せた。

お目当ては、ICC(国際クリケット評議会)が主催する女子T20ワールドカップの決勝戦。

T20(正式名称:トゥエンティ20)とは、クリケットの試合形式の一つで、通常のクリケットよりも試合時間が短い(通常は3~5日かかるが、T20は3時間弱で終わる)。

2003年、下火になりつつあったクリケット人気を再燃させるためにイギリスで誕生した。

日曜日の試合は、オーストラリア国内で開催された女子スポーツイベントで歴代最大の観客動員となった(ちなみに世界記録は1999年のFIFA女子ワールドカップ、アメリカ対中国で、9万185人)。

観客動員だけでなく、試合中継でも歴史的な数字をたたき出した。

フォックス・スポーツとナイン・ネットワークが中継したオーストラリア代表の初戦は、約45万人が視聴し、ICCが管理するネット中継の視聴数は7億を超えた。

大きな成功の裏には様々な要因があるだろうが、ICCが展開する「100%クリケット」というキャンペーンはその一つだと考えられる。

明日の投稿では、その具体的な内容について紹介します。

参考文献:
https://www.theguardian.com/sport/2020/mar/13/postponed-cancelled-or-business-as-usual-a-guide-to-australias-sport-events-during-coronavirus
https://www.sportspromedia.com/news/womens-t20-world-cup-womens-cricket-record-attendance
https://www.sportspromedia.com/opinion/womens-t20-final-record-mcg-australia-india-uswnt-lawsuit

アメリカ女子サッカー代表選手、連盟に6700万ドル支払いを要求

昨年、アメリカ女子サッカー代表選手は、アメリカサッカー連盟を相手に訴訟を起こした。不当な賃金や労働環境がその理由だ。

この件に関して、先週20日、連盟側と選手側がそれぞれ新たな動きを見せた。

まず連盟側は、選手の訴えを直ちに棄却し、裁判を終了するよう裁判長に要求。

一方、選手側も略式判決による早期解決を要求。しかしこちらはその条件として「連盟から選手側に総額約6700万ドル(約75億円)の給与および賠償金を支払うこと」を要求した。

これは、賃金問題に関する両者の認識が依然として大きく食い違っていることを表す出来事となった。

今後の動きとしては、3月30日、ゲイリー・クラウスナー裁判長が両者の意見を検討する。どちらかの要求を受け入れることも可能だが、どちらの要求も拒否しこれまで通り裁判を継続することもできる。

クラウスナー裁判官はこれまで選手たちの意見に一定の理解を示しているが、この件に関しては、どちらの要求にも応じず裁判を継続するのではないかと見られている。

参考文献:
https://www.nytimes.com/2020/02/21/sports/soccer/uswnt-equal-pay-lawsuit.html
https://www.si.com/soccer/2020/02/21/uswnt-us-soccer-lawsuit-filings-strike-analysis-damages

WNBAの新労使協定、女子スポーツ界に大きな影響

1月14日、WNBAのリーグと選手会が新たな労使協定に合意した。この新協定の内容が大きな反響を呼んでいる。

新協定では、選手の給与や手当が大幅に改善された。たとえば、最大給与額は従来の11万7500ドル(約1300万円)から21万5000ドル(約2400万円)に引き上げられた。実に83%増である。

また、産休中に給与の全額が受け取れる権利も新たに与えられることとなった。

この新協定がもたらす影響は、バスケットボール界に留まらない。

現在、世界各国のスポーツ界で、女性アスリートが労働環境や待遇の改善を求めて動いている。

アメリカ女子サッカー代表によるサッカー協会提訴スペイン女子サッカー選手によるストライキなどはその例である。

またサッカー以外にもテニス、アイスホッケー、そして陸上などで同様の声が上がっている。

今回の新労使協定は、変化を求めるアスリートの声が反映されたケースとして、他の女子アスリートにも希望を与えるだろう。

WNBAコミッショナーのキャシー・エンゲルバート氏は、「我々は、このリーグの可能性に、女性の可能性に大きく賭けました」と、新協定の意義を説明した。

一方で、選手の待遇を手厚くするということは、その分コストが拡大することを意味する。

WNBAはここ数年ビジネス面で苦戦しており、拡大するコストをカバーするだけの収入を上げることができるかが今後の課題となる。

エンゲルバート氏が「大きな賭け」という表現を用いたのにはそういった背景がある。

参考文献:
https://www.nytimes.com/2020/01/14/sports/basketball/wnba-contract-collective-bargaining-agreement.html

スペイン女子サッカー、ストライキへ

先週火曜日、スペイン女子サッカーリーグの選手たちがストライキを行うことを発表した。200人近い選手が投票し、90%以上がこの決定を支持した。

選手たちはクラブ側との交渉のために、昨年から20回近くのミーティングを重ねてきたが、労働時間、最低賃金、産休などに関して合意ができず、今回の決定に至った。

「女子サッカー」と「労働条件」と言えば、今年のスポーツ界におけるキーワードの一つだ。

3月にはアメリカ代表選手が労働条件の男女差を理由に、サッカー連盟を訴えている

7月に開催されたワールドカップの際も、労働条件における男女差に関して多くの選手がコメントし、それが大きな議論を呼んだ。

今回の決定に関してアイノア・ティラプー選手は「これは単なるお金の問題ではありません。これは権利の問題です」と話す。「どこかで合意に至ることを望んでいましたが、やはり私たちはもっと劇的な変化が必要なのです。そして女子サッカーがそれをやるには今がベストなタイミングです。これは私たちだけの問題ではなく、未来の選手のためでもあるのです」。

先述したように、現在、世界的に、女子サッカー選手の労働条件改善の機運が高まっている。加えて、スペインではここ数年、女子サッカー人気が急上昇している

ティラプ―選手が「今がベストのタイミング」と言うのは、こういった要素が背景にある。

参考文献:
https://www.usnews.com/news/sports/articles/2019-10-23/players-to-go-on-strike-in-spanish-womens-soccer-league

サッカーワールドカップにおける男女の差④

2019年7月7日、BudweiserはNWSLと複数年のスポンサー契約を結んだ。NWSLがビール会社とスポンサー契約を結ぶのはこれが初めてである。

今回の契約で、Budweiserは同リーグのプレーオフ、チャンピオンシップ、MVPのネーミングライツをすべて手に入れた。

また、同社の経営幹部がNWSLの選手を対象にしたスポーツビジネストレーニングを提供することも契約に盛り込まれた。

契約金等の詳細は明らかになっていないが、NWSLがこれまでに結んだスポンサー契約のなかで最大級のものになるという。

この契約に関してBudweiserのMonica Rustgi氏は「Budweiserは30年間、アメリカ女子代表をサポートしてきました。しかし我々にできることはもっとあると気づいたのです。4年に一度だけ代表チームをサポートするのではなく、女子サッカーを日々サポートする。その一つの方法が今回のスポンサーシップだったのです」と語る。

そしてBudweiserは、今回のスポンサー契約を発表する日、New York Timesの広告スペースを一面買い取り、人々にメッセージを発信した。

以下はその全文の訳(意訳)である。

「4年に一度、女子サッカー代表チームは世界を相手に戦い、国に希望を与えます。私たちは彼女のために叫び、歌い、そして見守ってきました。しかし、ワールドカップが終わると、私たちはぱったり見ることを止めてしまいます。

明日、代表選手たちはそれぞれのクラブチームに戻っていきます。多くの人々は、彼女たちがガラガラのスタジアムでプレーしている現状を知りません。最も優れたサッカー選手がプレーしているにもかかわらず。

行こうと思えばすぐ行けるのに、私たちは女子サッカーを見続けようとはしませんでした。女子サッカーそのものを応援せずして、代表選手を応援することなどできるのでしょうか。

本日、BudweiserはNWSLのスポンサーとなりました。私たちは女子サッカーを応援します。女子サッカー選手を応援します。4年に一度ではなく、毎日。

私たちは見続けます。」

一連のEqual Payムーブメントのなかで「女子サッカーをサポートしたい」という気持ちを持った人は少なくない。Budweiserが発したメッセージはそういった人々を意識したものである。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/07/15/Opinion/FORUM.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/07/15/Media/ESPN-NWSL.aspx
https://www.usatoday.com/story/sports/soccer/2019/07/07/budweiser-becomes-sponsor-of-nwsl/39661001/
https://www.foxsports.com/soccer/story/budweiser-becomes-sponsor-of-nwsl-070719

サッカーワールドカップにおける男女の差③

先週11日、サッカー女子アメリカ代表のAlex Morgan選手は、最優秀女性アスリート賞を受賞した。

そこで彼女は「ワールドカップが終わった今、私たちは国内リーグを成長・拡大させていかなくてはなりません」と語った。

現在、アメリカのプロリーグNational Women’s Soccer League(NWSL)は、人々の興味を集めているとは言いづらい状況にある。

今シーズンの平均観客数は6,069人。9チーム中7チームは観客数を前年から落とした。

「ワールドカップの盛り上がりを国内リーグに生かさなければならない」という意見は日本でもよく聞くが、それと同じことをNWSLの各チームも考えている。

たとえば、ポートランド・ソーンズFCは、各国の代表メンバーに選ばれた同チームの選手に注目した限定グッズを販売した。

ソーンズFCにKatie Simons氏によれば、新発売のスカーフとTシャツは最も人気のグッズで、その売上はMLSのポートランド・ティンバーズの人気グッズよりも大きいという。

ワシントン・スピリッツは、今回のワールドカップだけでなく来年の東京オリンピックでの活躍も見越した戦略を立てており、同チームの目標はシーズン・チケットの売上、スポンサーシップ、そして観客動員を現在の3倍にすることだという。

その手始めとして、スピリッツは、同じワシントンDCに拠点を置くNFL、WNBA、MLSのチームとのクロス・プロモーションを企画している。
また、スポンサー企業のソーシャルメディアを用いたチケット販売なども行い、潜在的なファンにアプローチしている。

ノースカロライナ・カレッジは、7月21日のホームゲームを「ワールドカップおかえり試合」と名付け、チケットの値下げを含むプロモーションを行う。

参考文献:
https://www.usatoday.com/story/sports/ftw/2019/07/11/alex-morgan-joke-espys-female-athlete/39673407/
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/07/15/Leagues-and-Governing-Bodies/NWSL.aspx

サッカーワールドカップにおける男女の差②

アメリカ対オランダの決勝戦から遡ること4か月、「国際女性デー」の3月8日、アメリカ女子サッカー代表の28名はアメリカサッカー連盟を相手に訴訟を起こした。

選手たちは「連盟は女子選手を不当に扱っている。連盟は女子選手に対して男子選手と同等の賃金、遠征費、その他の労働環境(ピッチの芝など)を提供するべきだ」と主張した。

この主張に対して連盟側は「男女の代表チームでは選手に求められているものが異なり、生まれる収益にも差がある」と反論した。

加えて、労使協定の違いについても言及した。男子選手と女子選手は別々に連盟と労使協定を結んでおり、連盟はそれに則って給与を決定している。男子が歩合制で出場試合数などに応じた給与が支払われる一方、女子はパフォーマンスに拘わらず給与が保証されている。

これらの違いによって給与が決められるため額に差はあるが、それをもって「連盟が女子選手を不当に扱っている」とは言えないと連盟側は主張した。

両者それぞれに言い分はあるが、男子チームと女子チームがアメリカサッカー界にもたらす貢献度に関しては興味深いデータがある。

まず、女子代表はこれまで4回のワールドカップ優勝、6回のオリンピック優勝を果たしている一方、男子代表はどちらの大会でも優勝経験はない。前回のワールドカップに関しては出場することもできなかった。

ビジネス面においても女子代表チームの貢献は大きい。Nikeによれば、女子代表チームのユニフォームは、男子代表チームのものよりも人気で、サッカーのユニフォーム部門で最も売れている商品だという。また、Wall Street Journalの調査によれば、女子チームが生む収益は男子チームのそれよりも大きいという。

これらのデータに基づいて「男子が生み出す収益が女子よりも大きいから給与も男子のほうが多くて当然だ」という主張に異議を唱えるジャーナリストも少なくない。

ちなみに、ワールドカップ終了後、訴訟を起こした選手と連盟は、示談によって問題を解決する意思を示した。示談の結果がどのようなものになるか、注目である。

参考文献:
https://abcnews.go.com/Sports/world-cup-us-women-gender-discrimination-fight/story?id=64109603
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-us-womens-soccer-team-has-more-than-earned-equal-pay/2019/07/08/7a5bcd04-a19e-11e9-bd56-eac6bb02d01d_story.html?noredirect=on&utm_term=.9a38eca40743
https://www.nytimes.com/2019/03/08/sports/womens-soccer-team-lawsuit-gender-discrimination.html
https://www.cbsnews.com/news/60-minutes-women-soccer-team-usa-gender-discrimination-equal-pay-2019-07-10/
https://www.forbes.com/sites/niallmccarthy/2019/06/11/the-gender-pay-gap-at-the-fifa-world-cup-is-370-million-infographic
https://www.theguardian.com/football/ng-interactive/2019/jun/28/revealed-the-731003-gender-pay-gap-in-us-world-cup-bonuses