Q. 他にRacial Taskingが現れる場面はありますか?
A. この概念は、コーチの待遇にも応用できます。
昔と比べ、黒人のコーチは増加しています。しかし、求められる役割は白人コーチと必ずしも同じではありません。
カレッジフットボールを例にとると、黒人コーチに求められがちな役割は以下の2つです。
一つ目は、リクルーティング(有望な高校生選手をスカウトすること)。黒人の有望選手がいたときに、白人コーチではなく黒人コーチが選手や家族に挨拶に行ったほうが、その選手を獲得しやすいだろうという狙いです。
もう一つは、選手の世話役です。黒人選手が入学したあとに悩みを抱えた際、相談に乗るのは白人コーチよりも黒人コーチのほうが適任だろうという発想です。
つまり、戦略を練ったり試合の組み立てを考えたりする役割は、黒人コーチには必ずしも期待されていないのです。
言い換えれば、白人コーチが試合を勝つことに専念する傍らで、黒人コーチは選手の獲得や世話に時間や労力を割いているということですね。これはフットボールコーチとしてキャリアを築く上で大きな問題です。選手の獲得や世話の経験をいくら積んでも、試合での成果がないと上には上がれません。
Q. 問題はそのコーチの評価や役割が能力ではなく人種に基づくものだということですね。
A. はい、その通りです。