アルミ会社のユニークなスポンサー契約

Photo Credit: Ball Corporation

アルミニウム製品を生産するBall Corporationは、Kroenke Sports and Entertainment (KSE)を通して、国やリーグを超えた複数のプロチームと同時にスポンサー契約を結んだ。

まず、デンバー・ナゲッツ(NBA)やコロラド・アバランチ(NHL)などが利用するアリーナのネーミングライツを購入。それまでPepsi Centerとして知られていた施設名をBall Arenaに変更した。

また同アリーナでは、2022年をめどにプラスチック製のカップを廃止し、リサイクル可能なアルミ製のカップに移行するという計画を発表した。

次に、ロサンゼルス・ラムズ(NFL)とアーセナルFC(EPL)とも業務提携を締結。それぞれの本拠地でBall Corporationが製造するリサイクル可能なアルミ製品を導入することで合意した。

さらに、両チームは環境問題に関するイベントや地域貢献活動をBall Corporationと共同で展開するという。

これだけのチームが絡むスポンサー契約は非常に稀である。これはひとえに、KSEのオーナー、スタン・クロンケ氏が上記の4チームすべてを所有していることのおかげと言えるだろう。

契約金は明らかになっていないが、デンバーの契約は10年契約、他チームとの契約は5年契約であると報じられている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/10/26/Marketing-and-Sponsorship/Denver-Ball.aspx
https://www.sportspromedia.com/news/ball-corporation-kse-rams-nuggets-arsenal-pepsi-center-naming-rights-deal

ラムズのグッズ配達サービス

Image Credits: Postmates

今週月曜日、ロサンゼルス・ラムズは、オープンしたばかりのSoFiスタジアムで最初のホームゲームを迎えた。

スタジアムで生観戦ができない地元ファンのために、ラムズはグッズの生産・流通を担当するFanaticsと配達業者のPostmatesとユニークなサービスを企画した。

それがグッズの即配達サービスである。

これはロサンゼルス市内に住むファンが対象で、利用者はPostmatesのアプリから特設オンラインストアにアクセスし、ラムズグッズを購入することができる。

そして購入完了からすぐPostmatesの配達員が自宅にそのグッズを届ける。宅配ピザのような手軽さとスピードでグッズが手元に届くのだ。

同様のサービスはFanaticsが以前スーパーボウルやワールドシリーズの際に実施しているが、その時はUberが配達を担当していた。今年7月にUberがPostmatesを26.5億ドルで買収したことに伴い、今回はPostmatesが配達することとなった。

グッズビジネスにおける携帯端末の役割は年々増している。

Sportico社の調査によれば、今月ロサンゼルス・レイカーズがNBAファイナルを制した際にはFanaticsのウェブサイトで多くのグッズが売れたが、その85%は携帯電話からの購入だったという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/la-rams-fanatics-postmates-merchandise-jersey-delivery-service-sofi-stadium

Google、SoFiスタジアムのスポンサーに

Source: SoFi Stadium

先週金曜日、Googleは、今年オープンしたばかりのSoFiスタジアムと同スタジアムを使用するNFLの2チーム(ロサンゼルス・ラムズとロサンゼルス・チャージャーズ)とそれぞれスポンサー契約を結んだことを発表した。

今後、SoFiスタジアムで行われる取引や消費経験に関するデータを収集・管理するためにGoogleが持つ様々な技術が活用される。

たとえば「パーソナル・コンシェルジュ」というアプリは、消費者がSoFiスタジアムで開催されるイベントを検索し、チケットを購入し、来場時に飲食を注文するために活用される。そして、そういったアプリ上の行動が全て顧客情報として回収される。

また、Googleが所有するYouTubeはラムズ、チャージャーズ、SoFiスタジアムの「オフィシャル・ビデオ・ストリーミング・スポンサー」となった。今後ラムズおよびチャージャーズの試合やその他SoFiスタジアムで開催されるイベントがストリーミングされる際にはYouTubeが活用される。

その他にも、映像技術やネット環境を整えることで、来場者が試合のリプレイや様々なカメラアングルからの映像などを携帯電話で楽しめるようにすることなどが発表された。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/google-youtube-la-rams-chargers-sofi-stadium-nfl-sponsorship

サブスクリプション・チケット④NFLの事例

MLBが他リーグに先駆けてサブスクリプション・チケットを取り入れた理由の一つが試合数の多さにある。

リーグ別レギュラーシーズン試合数
MLB: 162試合 NBA: 82試合 NHL: 82試合 NFL: 16試合

試合数が多ければ多いほど「好きなときに好きなだけ」の価値は上がる。逆に試合数の少ないNFLは「好きなだけ」といっても、見られるホームゲームは10試合にも満たない。

ところが、興味深いことに、NFLでもサブスクリプション・チケットを取り入れるチームが現れている。

ロサンゼルス・ラムズは昨シーズンから「Rams Gameday Pass」というサブスクリプション・チケットを販売している。

価格は年間250ドルで、ホームゲーム9試合(レギュラーシーズン7試合+ポストシーズン2試合)が見放題になる。座席は試合開始24時間前に割り当てられる。

2018年シーズンは700枚のRams Gameday Passが売れ、その購入者の66%は2019年シーズンのシーズンチケットを購入したという。

ラムズのDan August氏によれば、これこそ同チームがサブスクリプション・チケットを導入した一番の目的だという。

August氏曰く、Rams Gameday Passは、全ホームゲームが観戦できるが、それ以上の特典はつかない、言わばシーズンチケットのお試し版。

シーズンチケット購入には大きな金額が必要になるとともに「せっかく買ったのだから見に行かないともったいない」という心理的プレッシャーも生まれる。

サブスクリプション・チケットは、そういった金銭的・心理的なコミットメントがなく、より気軽に試すことができる。

そして、その経験が「入り口」となり、よりスムーズにシーズンチケット購入につなげることができる。それがNFLにおけるサブスクリプション・チケットの役割なのである。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/06/17/In-Depth/Tickets.aspx