マーチ・マッドネス、全試合をインディアナポリスで開催か

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NCAAが男子バスケットボールの全米トーナメント(通称「マーチ・マッドネス」)の全試合をインディアナポリスで開催することを検討していることが明らかになった。

当初の予定では全米13都市で試合を行う予定だったが、コロナウイルス感染防止のために全試合を一か所で開催する可能性が出てきた。

試合会場、練習場、宿泊施設、医療施設などをすべて一か所に集めることになるが、これはNBAがすでに前例をつくっている。

また、試合日程には変更がないので、試合中継(および放映権契約)にも深刻な影響はないだろう。

しかし、マーチ・マッドネスならではの問題もある。

たとえば、プロスポーツと違い、カレッジスポーツは選手が学生であり、授業に出席する必要がある。

現在はオンライン授業も多く提供されているが、1月から始まる新学期では対面授業を再開する大学も多い。

例年であれば、試合の合間に少しでも大学に戻って授業に参加できたが、宿泊施設から自由に出られなくなれば、トーナメント中すべての授業を欠席することになる。

学業との両立を謳っているNCAAとしては頭を悩ませるところだろう。

しかし、昨年マーチ・マッドネスを中止にしたことで莫大な損失を被ったNCAAとしては、2年連続の中止は避けたいところ。

最終的にどのような形での開催になるのか、注目である。

ちなみに、レギュラーシーズンは来週開幕する予定である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ncaa-march-madness-2021-indianapolis-host-college-basketball-covid-19

メルセデスベンツ・スタジアム、洗浄・除菌のためにドローンを導入

Mercedes-Benz Stadium

メルセデスベンツ・スタジアムは、現在、アトランタ・ファルコンズ(NFL)とアトランタ・ユナイテッドFC(MLS)の試合を開催している。

10月11日の試合からは観客の来場も再開する予定で、コロナウイルスの感染対策が課題となる。

そこでメルセデスベンツ・スタジアムはLucid Drone Technologies社と提携し、ドローンを活用した座席の洗浄・除菌を始めた。

公式発表によれば、これによって座席の洗浄・除菌にかかる時間が95%削減できるという。また、手作業では届きにくいエリアの洗浄・除菌も効率よく行える。

メルセデスベンツ・スタジアムは、他にも、600個の手指消毒剤を用意するなど、感染対策を徹底している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/atlanta-falcons-mercedes-benz-stadium-drones-cleaning-fans-return

Big TenとPac-12、アメフトシーズン開幕へ

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Big TenとPac-12は、カレッジスポーツのなかでもアメリカンフットボールの人気が特に高い5つのカンファレンス、通称「パワー・ファイブ」に数えられる。

パワー・ファイブに属する他の3カンファレンス(ACC、Big 12、SEC)は予定通りに2020年シーズンを開始したが、Big TenとPac-12はコロナウイルスの影響で2020年シーズンを中止すると発表していた。

しかし今月16日、Big Tenはこの決定を覆し、2020年シーズンを開幕すると発表した。さらにその8日後、Pac-12も同様の決断を下した。

この決定に関してPac-12は、コロナウイルスの検査体制が改善したこと、感染状況が変わったこと、州や郡のガイドラインが変更されたことなどが影響したと説明した。

一方で、経済的な要因も大きい。

ワシントン大学が行った調査によれば、パワー・ファイブに属するカンファレンスがアメリカンフットボールのシーズンを中止した場合に起こる経済的損失(放映権収入、チケット収入、寄付金等の合計)は40億ドル(約4200億円)に上るという。

ちなみに、かねてよりBig TenとPac-12にシーズン開幕を要求していたトランプ大統領は、Pac-12の発表後すぐに「どういたしまして」とツイートした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/pac-12-conference-college-football-season-big-ten

NBAが開発資金を提供したコロナウイルス検査薬、認可される

今月、イェール大学が開発した唾液を使ったコロナウイルス検査薬がアメリカ食品医薬品局によって認可された。

実はこの検査薬、NBAが開発資金を提供して出来上がったものである。

今年4月、イェール大学の研究者の知り合いであったNBAのスポーツサイエンス委員会のメンバーが、NBAとNBA選手会にこの研究のことを紹介した。

リーグを再開するためには大量の検査薬が必要になるということを把握しているときだったこともあり、NBAは研究費50万ドル(約5300万円)の出資を決めた。

さらにNBAは、選手やスタッフから採取した約3000人分のサンプルを研究チームに提供。検査薬の開発に貢献した。

今回認可された検査薬「SaliveDirect」は、安価でかつ迅速にコロナウイルスの検査ができる。値段は15~20ドルになる見通しだ。

しかし、SaliveDirectはテストキットにはなっておらず、採取した唾液を分析するための研究施設が必要となる。したがって、利用するのは一般消費者ではなく、研究施設を持っている団体、もしくは、研究機関の協力が得られる団体に絞られる。

たとえば、NBAには他のスポーツリーグから問い合わせが来ているという。

なお、NBAはすでに既存の検査薬を用いた検査体制を確立しているため、SaliveDirectの導入は来シーズン以降になるという。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/08/24/Sports-and-Society/NBA-tests.aspx

カレッジスポーツ、新シーズンに向けて各カンファレンスが方針示す

今週水曜日、アイビー・リーグは秋学期(9~12月)に予定されていたスポーツイベントを全て中止することを発表した。コロナウイルスの感染拡大が原因である。

アイビー・リーグに所属する8校はそれぞれキャンパス利用規則(教室や学生寮、食堂といった大学施設の利用規則)を最近発表したが、同カンファレンスがその内容を精査した結果、年内の試合開催は不可能だと判断した。

この決定に関してアイビー・リーグのロビン・ハリス氏は「私たちの場合はキャンパス利用規則が決め手となりましたが、他の大学、他のカンファレンスでは状況が異なるかもしれません」と言う。

その翌日、ビッグ・テン・カンファレンスは、他カンファレンスの大学との試合を全て中止する一方、カンファレンス内の試合は予定通り行う方針を発表した。

同カンファレンスによれば、他カンファレンスの大学との試合をなくすことによって、選手の移動や健康管理がよりシンプルになり、コロナウイルスの感染状況や行政の基準が変わった際に、柔軟かつ迅速に対応することができるという。

秋学期はアメリカンフットボールのシーズンであり、シーズン開催の可否は各大学体育局の収益を大きく左右する。

今後、他の人気カンファレンスがどのような決定をするのか、注目である。

参考文献:
https://www.espn.com/college-sports/story//id/29430262/ivy-league-rules-playing-all-sports-fall-due-coronavirus-pandemic https://www.espn.com/college-football/story//id/29435295/source-big-ten-moving-conference-only-model-all-sports-fall

コロナウイルス収束後の消費行動:調査結果

シカゴの調査会社Navigate Researchは、4月末から5月初めにかけて、ネット調査を行った。

調査内容は、コロナウイルス収束前後で消費行動がどのように変わるか。アメリカ在住の2000人が回答した。

添付表に結果の一部をまとめた。

これは「コロナウイルス発生前と比べ、収束後に以下のことをする頻度はどうなると思いますか」という質問に対する回答で、選択肢は「頻度は増える」「変わらない」「頻度は減る」の3つだった。

たとえば、「テレビでスポーツを見る」という行動に対して「増える」と答えた人は「減る」と答えた人よりも20%多く、「スポーツ観戦に行く」という行動に対しては「減る」と答えた人のほうが18%多かった。

一方で、スポーツファンの81%はコロナウイルスのワクチンができていなくても試合観戦に戻る意思を示したという。

また、「何か月先なら試合観戦に行こうと思いますか」という質問に対しては、リーグ毎に違いが出た。

最も早いものはeスポーツで5.2か月後、次いでMLSが5.5か月後。最も遅いものはNBAで6.9か月後だった。観戦者数、ファンの熱狂度、施設(屋内か屋外か)などが影響したと思われる。

Navigate ResearchのCEO、AJマエスタス氏は「ファンは、ワクチンができる前から観戦に戻るつもりでいます。ただし、イベントが再開してから最低でも6か月くらいは様子を見たいようです」と言う。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/05/25/Ratings-and-Research/Fan-comeback.aspx

「衛生管理者」は、スポーツ組織に欠かせない職になる?③

先週の投稿ではNBAの対応について解説したが、他のスポーツリーグはどのような動きを見せているのだろうか。

NFLは、リーグの医療担当者が米国疾病予防管理センター(CDC)やホワイトハウスのタスクフォースと密にコミュニケーションを取っており、その情報を各チームに伝えている。

このように、政府機関と直に情報交換ができるのはNFLの強みだ。

MLBは、リーグがタスクフォースを立ち上げ、「コロナウイルスの対処を担当するスタッフをどのように配置すべきか」という問題に関して、各チームに情報提供を行っている。

MLBの各チームは施設の衛生管理者を雇い、そのスタッフが、シーズン開幕に向けて必要となる調整を任されることになる。

Sports Business JournalがMLBの3球団を対象に行ったインタビュー調査によれば、ある球団はすでに特別委員会を設置し、そのメンバーがグループで衛生管理者の役割を担う予定だという。

また別の球団は、球団副社長が衛生管理者に任命されるという。そして最後の球団は既存スタッフのなかから、衛生管理に近い業務を担当していたスタッフを衛生管理者にする方針だという。

このように「衛生管理者」という役割の必要性が広く認知される一方、その役割を誰がどのように埋めるかに関してはリーグやチームによって大きく異なるというのが現状である。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/05/04/Franchises/Sanitation.aspx

「衛生管理者」は、スポーツ組織に欠かせない職になる?②

今日8日、NBAは、外出規制を弱める複数の州において、選手が練習施設に戻ることを認める。

これに先立ち、同リーグは各チームに、練習施設の衛生管理を担当するスタッフを置くよう通達した。

これは多くのチームにとって新しい役職となるが、新たに専門家を雇うのではなく、既存のスタッフが追加でこの役割を担うことになりそうだ。

そこでNBAはコロナウイルス予防ガイドラインを独自に作成し、各チームの担当者がこれに従うよう指導した。

あるリーグ関係者は「私たちは、この課題に取り組む人々をかき集めました」と言う。

「世界中のスポーツ業界関係者、そして他業種の専門家とも議論を続けてきました。私たちは、NBA施設を世界中で最も安全で清潔な環境にしたいと思っています」

またあるチーム関係者は、以下のように話す。

「私たちは感染症の専門家と一緒に取り組んでいます。施設担当者は事態収拾のために先頭を走ってくれています。そして、コロナウイルス収束後の新たな形を確立するためには、多くの役職を見直す必要があると思っています」

「私たちの場合、施設衛生管理者(Facility Hygiene Officer)という役職を直ちに新設する予定です」

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/05/04/Franchises/Sanitation.aspx

「衛生管理者」は、スポーツ組織に欠かせない職になる?①

各スポーツ組織・施設がコロナウイルス収束後のシナリオを描く中で必要となるのが、明確で効果的な衛生管理戦略だ。

スタッフの体調管理や施設の清掃・消毒などを計画・実行するためには、専門的な知識が必要となる。

スポーツ・エンターテインメントのコンサルティング会社Nolan Partnersのチャド・ビアジーニ会長によれば、いくつかのスポーツチームが健康・安全管理担当の職を新設し、その道の専門家を雇うことを検討しているという。

ビアジーニ氏曰く、これまで欧米のスポーツチーム・リーグは、ビジネスをいかに成長させるかに重きを置き、リスク管理を二の次にする傾向があったという。

今回のパンデミックは、そういった組織の在り方を考え直す機会になっている。

「あらゆるリスクを想定し、それを最小化するための方策を練る。それだけに注力するスタッフを雇うというのは理にかなっていると思います」

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/05/04/Franchises/Sanitation.aspx