OneTeamとFanaticsが業務提携:「Compass」の機能拡大

2021年10月、カレッジスポーツ代理店大手のLearfieldが傘下に持つライセンシング会社Collegiate Licensing CompanyはOneTeam Partnersとの業務提携を発表した。

この業務提携の主な目的は、学生アスリートが自らの名前や肖像権を活用して収益を上げるために便利なプラットフォーム「Compass」を立ち上げることであった。

Compassは、学生アスリートが参加できるビジネス(トレーディングカード制作、ビデオゲーム制作、ユニフォーム販売等)を企業が提案した際に、それを学生アスリートに通知すると同時に、大学側にも学生アスリートが現在どのようなビジネス活動を行っているかを追跡する機能を提供している。

さらに、その数か月後の2022年2月、OneTeam PartnersはFanaticsとも業務提携を締結。

これに基づいて、Compassに登録した(自らの名前・肖像権の使用を許可した)学生アスリートのユニフォーム(選手の名前と背番号入り)は、Fanaticsが運営するウェブサイト・店舗で購入可能となった。

名前・背番号入りユニフォームの売上の一部は、その選手に還元されることになる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/oneteam-clc-nil-ncaa-licensing-platform-college-athletes-endorsements/
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-oneteam-ncaa-college-football-licensing-deal-nil-merchandise/

MLBとFanatics、トレーディングカード製作に関する業務提携

MLBとMLB選手会は、過去70年に渡って選手のトレーディングカードを製作してきたTopps社との提携関係を解消し、新たにFanatics傘下の新会社と提携することになった。

以下、Sportico社の報道をまとめる。
・MLBとの契約は2025年に開始予定。
・MLB選手会は、今回の契約を20年間で20億ドル近くを生み出す可能性があると捉えている。
・Fanaticsが新設するトレーディングカード会社の株式をMLBとMLBPAに譲渡することも契約に含まれる。
・Fanaticsは、NBA、NBA選手会、NFL選手会ともトレーディングカード製作の権利を巡って交渉している。

Fanaticsは過去1年間で企業価値を3倍以上に成長させており、2021年末までに34億ドルの収入を見込んでいる。

現在Fanaticsは、トレーディングカード以外にも、スポーツ賭博やメディアといった新市場への進出を検討している。

一方Topps社は、MLSやNHLとトレーディングカードのライセンス契約を結んでいるが、MLBとの提携解消は大きな痛手となる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-fanatics-trading-cards-topps-baseball

ミシガン大学、同校アメフト選手と提携し新グッズ販売

Photo Credit: RACHEL SCHRAUBEN

今月17日、ミシガン大学体育局の公式グッズストア「The M Den」は、同校のアメフト選手と提携し、彼らの名前と背番号を入れたカスタムユニフォームを販売することを発表した。

以前までのNCAA規則では、現役選手の名前が入ったユニフォームを販売することは禁止されていたが、今月発表された新NIL規則によってそれも可能になった。

ここで注意したいのは、今回の契約が「カスタムユニフォーム」に限られているという点だ。

現時点では、ミシガン大学は、同校アメフトチームが自ら商品に選手の名前や背番号を入れて販売することを認めていない。

たとえば、A選手のファンが彼の名前が入ったユニフォームを買おうと公式ストアに行っても、そのような商品は店頭には並んでいない。

A選手のユニフォームを購入するためには、公式ストアのウェブサイトにアクセスし、そこにある選手リストのなかからA選手を選択する。これによってそのユニフォームは名目上「カスタムユニフォーム」となる。

これが今回認められた選手名入りユニフォームの購入方法だ。

かなり抜け道的な手法ではあるが、売り上げの一部は各選手に還元されることになっている。

マージンは全選手一律。選手への支払いは四半期ごとになる。

この契約には、現時点でおよそ60人の選手が合意しており、その人数は今後さらに増えていくと見られる。

参考文献:
https://www.espn.com/college-football/story/_/id/31834394/michigan-athletics-official-retail-store-partners-players-sell-jerseys-names-back

USOPC、アメリカ代表選手のグループ・ライセンシングを検討中

ロサンゼルスオリンピック大会委員会とU.S. Olympic & Paralympic Committee(USOPC)が、同大会に出場するあらゆる種目のアメリカ代表の肖像権をまとめて管理すること(グループ・ライセンシング)を検討していることがわかった。

従来、選手の肖像権は、選手個人もしくは所属する競技団体が管理していた。たとえば、企業がある水泳選手をCMで起用したいと思った場合は、その選手と個別にエンドースメント契約を結ぶか、水泳協会とスポンサー契約を結ぶ必要があった。

しかし、今後グループ・ライセンシングが採用されれば、USOPCとスポンサー契約を結んだ企業は、あらゆるアメリカ代表選手をCM等に起用することができるようになる(その分、スポンサー価値も上がり、契約金も大きくなる)。

そして、そういったスポンサー契約の収益は、USOPCからすべてのアメリカ代表選手に分配される。

このグループ・ライセンシングは、アスリートに新たな収入源をもたらす。特に、これまでエンドースメント契約を結ぶことのなかった選手にとっては、大きな変革となるだろう。

このアイデアを支持するアスリートは、「グループ・ライセンシングは一部の人気アスリートが独占してきた契約金をあらゆる代表選手に行き渡らせる可能性がある」と言う。

一方で、すでに多くのエンドースメント契約を結んでいる選手にとっては、必ずしも朗報とは言えない。

グループ・ライセンシングが採用されたとしても、選手個人がエンドースメント契約を結ぶ権利が制限されることはないとされるが、これまでにはなかった複雑性が生まれる可能性はある(USOPCのスポンサー企業とエンドースメント契約を結ぶ企業が競合関係にある場合など)。

他にも、グループ・ライセンシング採用に当たって解決されるべき問題は山積している。

たとえば、多くの競技において、アメリカ代表が正式決定するのは大会の数週間前である。そこからすべての契約を処理するのは非常に難しい作業になるだろう。

他にも、「代表になると思われていた有名選手が代表になれなかった場合はどうするのか」、「グループ・ライセンシングは大会後も適用されるのか」といった点に対する答えはまだ出ていない。

関係者が「グループ・ライセンシングはあくまで検討段階だ」と強調するように、その実現可能性は不透明である。

参考文献: https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/08/05/Olympics/LA28-USOPC.aspx
https://www.wsj.com/articles/los-angeles-is-officially-awarded-the-2028-olympics-1505327430