レッズ、「ワクチン割引チケット」を販売

Source: MLB.com

シンシナティ・レッズは、コロナウイルスのワクチンを接種した人を対象にした割引チケットを販売する。

アメリカのスポーツチームがこのような割引キャンペーンを実施するのは初めてだ。

詳細は以下の通り。
・キャンペーンは4~5月に実施。
・月~木曜日の試合が対象。
・最低一回のワクチン接種を証明するワクチンカードを提示することが条件。
・割引価格はチケット1枚10ドル。
・一つのワクチンカードで、チケット最大6枚まで購入可能。

シンシナティのあるオハイオ州では、全体のおよそ33%がワクチンを接種している(4月8日現在)。

レッズの割引チケットキャンペーンは、ワクチン接種率の向上に貢献するだろうか。注目である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/cincinnati-reds-discounted-tickets-covid-19-vaccinated-fans-mlb

NHLチームのシーズンチケット管理

先週13日、NHLの新シーズンが開幕した。レギュラーシーズンの試合数は56試合で(コロナ以前は82試合)、観客の有無については各チームに判断が委ねられている。

現時点では、タンパベイ・ライトニング、アリゾナ・コヨーテズ、ダラス・スターズ、そしてフロリダ・パンサーズの4チームが来場者を受け入れており(ただし入場者制限がある。詳しくは下図参照)、他の27チームが開催する試合は無観客となる。

上記の4チームは限られた座席が「お得意様」であるシーズンチケット所有者に行き渡るように、チケットを優先的に販売している。

たとえば、スターズは、昨年12月、シーズンチケットを所有しているクラブ会員に以下のオプションを提示した。
①すべてのホームゲームを観戦する
②半分のホームゲームを観戦する
③数試合もしくは1試合のみ観戦する
④今年は1試合も観戦しない(シーズンチケットの権利を翌年に繰り越し)

63%が①~③を選択し、30%が④を選択。返信のなかった残りの会員は自動的に④のオプションが割り当てられた。

一方、他の27チームのなかにもシーズンチケットをすでに販売している場合がある。

その場合、シーズンチケットを購入したファンは「シーズンチケットの払い戻し」か「翌年への繰り越し」のどちらかを選ぶことになる。

たとえば、ニュージャージー・デビルスの場合は、98%のシーズンチケット所有者が翌年への繰り越しを選択したという。

参考文献:
https://www.nhl.com/news/nhl-nhlpa-season-start-agreement/c-319839598
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2021/01/11/Leagues-and-Governing-Bodies/Hockey-attendance.aspx

空席マネジメント:SeatGeekの新サービス

アメリカでは一部スポーツイベントが再開したが、観客の入場はまだ解禁されていない。今後それが解禁された場合も、入場規制がかかることが予想される。

そこで重要になるのが、「どの席を空席にするのか」という問題である。

コロナウイルス感染のリスクを最小限に抑えつつ、観戦価値や収益を最大化するためにはどの席を開放するべきか。

この課題解決を手助けするべく、SeatGeekが新たなサービスを始めた。

チケットの二次市場を運営するSeatGeekは、各座席におけるファンの入場時間や飲食・グッズ購入履歴といったデータを何年にも渡って収集してきた。

今回、その膨大なデータを基にプラットフォームを作成。空席のパターンを変えることで、ファンの感情や購買行動にどのような影響があるかをシミュレーションしてくれる。

また、このプラットフォームは、各リーグおよび自治体が設定するソーシャルディスタンスに関する規則が反映させているため、空席のパターンがその規則を守っているかを確認することもできる。

SeatGeekのラス・デスーザ氏は「リーグ、チーム、そして地域によって規則や目的が異なります」と言う。「そのクライアントにどのような制約があって、どのような意思決定をしたいのか、それらを踏まえた上で、最適の方法を見つけることができます」

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/06/22/Facilities/SeatGeek.aspx

MLBチームのチケット規約に一部批判

先週木曜日、ニューヨーク・メッツとヤンキースは、チケットの払い戻しに関する方針を発表した。

これによれば、すでに中止となった試合に関しては払い戻しに応じる一方、今後の試合に関しては、たとえ中止がほぼ確定している試合(今月の試合など)であっても、現時点での払い戻しはしないことになった。

これに対し、現金を必要とするファンに寄り添っていないとの批判が集まった。

ちなみに、先週木曜日の時点で、28のMLBチームがチケットの払い戻しに関する発表をしているが、そのうち21チームは今月中のゲームの払い戻しに応じる姿勢を見せている。

また、メッツ・ヤンキースに関しては、払い戻し方法に関する情報が簡単に見つけられないとの批判も上がっている。

たとえば、メッツが発表したチケット規約(全1284単語)のなかで「払い戻し」という単語が登場するのは1175番目。かなり終盤だ。

ヤンキースも同様に、チケット規約の終盤「その他」という箇所まで読まないと払い戻し方法はわからない。

参考文献:
https://www.newsday.com/sports/baseball/mets-yankees-tickets-refund-coronavirus-1.44287840

コロナウイルスの影響:チケット二次市場

コロナウイルスによる試合中止の影響を受けているのは、スポーツチームだけではない。

今や150億ドル規模の産業となったチケットの二次市場にとっても大きな痛手だ。

スポーツチームの場合、チケット収入がなくなってもスポンサーシップやグッズの収入がある。

しかし、二次市場業者の場合は、チケット売買における手数料以外に大きな収入源はない。

特に、小規模の二次市場業者や最近大きな企業買収をした大手業者にとって、相次ぐイベント中止は死活問題である。

TicketManager社のCEOトニー・クノップ氏は「StubHubやVivid Seatsといった大手だけではなく、中小規模の業者も含め、チケット二次市場ではかなりの一時解雇と倒産が起こると思います」と言う。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/03/23/In-Depth/Secondary.aspx

コロナウイルスによる経済的損失:NBAのケース

NBAは先週11日に、公式戦の中断を発表した。

再開の見通しはまだ立っていないが、このまま試合が中止扱いになった場合、どの程度の経済的損失があるのだろうか?

Sports Business Journalが行った調査によれば、今週19日までに、リーグ全体で8600万~1億8500万ドル(約92億~198億円)の損失が予測されるという。

その内訳は以下の通り。

・チケット販売の機会損失:平均100万~250万ドル(約1億~2.7億円)。チームによっては(ロサンゼルス・レイカーズなど)、300万~400万ドルの損失を被る場合も。

・その他の機会損失:飲食、駐車場、グッズ販売などの売上が一試合あたり50万~75万ドル(約5300万~8000万円)。

繰り返しになるが、これは今週19日までの数字である。

6月のNBAファイナルまでは数多くの試合が予定されていたため、経済的損失は今後も膨らんでいくことになる。

参考文献:
https://www.nba.com/article/2020/03/11/coronavirus-pandemic-causes-nba-suspend-season
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/03/16/Leagues-and-Governing-Bodies/NBA-revenue.aspx

北米スポーツ産業の動向 – PwCの調査

毎年恒例となっているPwC社による北米スポーツ業界の調査結果が発表された。以下にその主な結果をまとめる(なお、この調査は北米のプロスポーツ業界にフォーカスしている)。

1. スポーツ業界の規模
北米スポーツ産業の規模は、2018年に710億ドル(約7.7兆円)に達した。これは過去最大の数字である。北米スポーツ産業は14年連続で拡大しており、2022年には800億ドルに達する見込みである。

2. 収入源の変化
プロスポーツチームの収入源は、4つに大別される。(1) チケット収入、(2) 放映権収入、(3) スポンサー収入、そして(4) グッズ収入である。

2016年まではチケット収入が最も大きな収入源であったが、2017年に初めて放映権収入がチケット収入を上回った。2018年もその傾向は続いており、むしろその差は拡大している。この背景には、テレビ放映権料の高騰とネット中継の台頭がある。

また、スポンサー収入がチケット収入に近づいている。前年比の増加率を見ると、チケット収入の0.9%増に対し、スポンサー収入は3.1%増を記録。

スポーツギャンブルを初め、新たなスポンサーシップカテゴリーが生まれていることが関係している。

また、2017年から始まったNBAのユニフォームスポンサーもスポンサー収入拡大に貢献している。現在、MLBも同様のユニフォームスポンサーの導入を検討しており、これが実現すれば、スポンサー収入がさらに大きく押し上げられる可能性がある。

詳しい金額やパーセンテージなどを知りたい方は、是非レポートをご覧ください(https://www.pwc.com/us/en/industries/tmt/assets/pwc-sports-outlook-2019.pdf)。

参考文献:
https://www.pwc.com/us/en/industries/tmt/library/sports-outlook-north-america.html
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/07/15/Leagues-and-Governing-Bodies/MLB-patches.aspx

「タッチ&ゴー」式チケット導入

いわゆる「タッチ&ゴー」技術は、電車の改札など様々な場所に応用されているが、それが現在カレッジフットボールに導入されている。

Paciolan社は、スタジアムのゲートをタッチ&ゴーで通過できる技術を開発し、今年から11の大学で試している。

観客は事前にメールで受け取ったeチケットをAppleもしくはGoogleウォレットに保存する。

ゲートにはチケットレーダーを持ったスタッフが待機しており、ゲートに近づいた観客のチケットを読み取る。

従来のバーコード式のeチケットだと、日光や携帯画面のヒビなどの具合で読み取れないこともあった。この新技術ではそういった心配がいらず、よりスムーズに入場できる。

入場の効率化の他にも大きなメリットがある。

関係者によれば、バーコード式のeチケットだと、バーコードを不正に操作して入場することができてしまうという。タッチ&ゴー式ならそのような不正の可能性を抑えることが可能だ。

ちなみに、プロスポーツでは、NFLが昨年、Ticketmasterと同様の技術を試している。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/09/30/Colleges/Paciolan.aspx

SeatGeek、設立10周年

スポーツチケットの販売および再販を管理するSeatGeekは、設立10周年を迎えた。

SeatGeekを有名にしたのが、同社が開発したチケット再販の検索エンジンである。

当時、StubHubやTicketmasterといった企業が独自にチケットの再販ビジネスを展開していた。SeatGeekは、そういった企業が管理する再販市場の情報を統合・分析し、消費者が最もお買い得なチケットを見つけられるシステムを提供した。

それ以来、SeatGeekは、ダラス・カウボーイズ、ニューオーリンズ・セインツ、ニューオーリンズ・ペリカンズといったチームと契約を結び、各チームのチケット販売を管理するようになった。

2016年には、MLSと契約を結び、同リーグのチケット再販システムを管理している。また、シカゴ・ファイアの本拠地のネーミングライツも保有している。

海外市場にも積極的に進出している。たとえば、昨年契約を結んだマンチェスターシティを初め、プレミアリーグの7クラブのチケットビジネスに関わっている。

さらに、イギリス、イスラエル、オランダ、イタリアといった国々に支社を開き、ヨーロッパでのビジネス拡大に力を入れている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/09/16/Technology/SeatGeek.aspx

誕生日プロモーション

ミネソタ・ティンバーウルブスは、「Birthday Club」という新たなファンクラブを立ち上げた。

これに登録できるのは本拠地Target Centerの半径150マイル以内に住んでいるファンのみ。登録には、本名、住所、メールアドレス、生年月日が必要になる。

登録者にメリットが生じるのは、その人の誕生日。無料チケット2枚とチームグッズ25%オフ券が手に入る。

無料チケットの有効期限は誕生日の月とその次の月いっぱい。オフシーズン中に誕生日を迎えるファンは、翌シーズンの10-12月の間に観戦できる。なお、チケットの転売は禁止されている。

これまでもファンの誕生日に関連したプロモーション(チケットやグッズの値下げ等)は数々あったが、このように無料チケットを配布したNBAチームは過去にいなかったという。

ティンバーウルブスは、昨シーズン、平均観客数が1万5306人にとどまり(NBAの30チーム中28位)、観客数増加が課題となっている。

同チームのMike Grahl氏は「一番の目的は、多くの方々にアリーナに足を運んでもらい、ウルブスのバスケを体感してもらうことです」と言う。「一方で、ビジネス的には、顧客データを獲得し、ファンを理解し、愛着を強めてもらうことも重要です」。

これまでに約2万人がBirthday Clubに登録しているという。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/09/16/Franchises/TWolves.aspx
https://www.nba.com/timberwolves/birthday