キャバリアーズ、「練習用ユニフォームスポンサーシップ」を導入

クリーブランド・キャバリアーズは、練習用ユニフォームを用いたスポンサーシップを販売した。NBAでは初めてのケースとなる。

正式な契約発表はまだされていないが、チームがSNSに投稿する画像や映像から、練習用ユニフォームにGoodyear社のロゴがついていることが確認された。

キャバリアーズとGoodyearは2017年に試合用ユニフォームのスポンサーシップ契約(年間1000万ドル)を結んでいるが、この時点では練習用ユニフォームの権利は含まれていなかった。

NBAは、コロナ禍で収入が減少しているチームに新たな収入源を与えようと、新しいスポンサーシップをいくつか承認している。練習用ユニフォームもその一つだ。

試合用と練習用ではいくつかの違いがある。

① ロゴのサイズ:試合用(6.35cm×6.35cm以内)と比べ、練習用(30.48cm×12.7cm以内)は数倍大きい。
② ロゴの位置:試合用は左肩。練習用は腹部。
③ 着用ルール:試合用は試合中に着用されるが、練習用は試合開始の90分前まで。

今回は同じ企業が試合用と練習用の権利を獲得する形になったが、MLS等では試合用と練習用でスポンサーが異なるケースもある。

今後他のNBAチームがどのような契約を結ぶのか、注目である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/cleveland-cavaliers-practice-jersey-sponsor-goodyear-nba

Dr. Turickインタビュー⑤声を上げるアスリート

Q. ここまでスポーツにおける人種問題について話してもらいました。もう一つの観点として、スポーツを通した人種問題の解決というテーマがあると思いますが、その点についてはどう思いますか。

A. 現在アメリカでは人種差別に対する抗議活動が広がっていますが、そのなかで、アスリートが自分の影響力を認識し始めています。

たとえば、カイリン・ヒル選手(ミシシッピ州立大)は「ミシシッピ州が州旗を変えるまで、ミシシッピ州立大学では一切プレーしない」と宣言しました。

補足:ミシシッピ州は最近まで連合国旗を取り入れた州旗を使用していたが、今月、州旗の変更が可決された。

マーヴィン・ウィルソン選手(フロリダ州立大)は、同大学の「ドーク・キャンベル・スタジアム」の施設名変更を求める署名活動に参加しました。ドーク・キャンベルという人物に人種差別的な歴史があるという理由です。

チュバ・ハバード選手(オクラホマ州立大)は、同大学コーチのマイク・ガンディ氏が「OAN」のTシャツを着て撮った写真をSNSに投稿したとして「これは我慢できない。状況が変わらない限り、もうオクラホマ州立大には一切関わらない」と宣言しました。

OANはOne American Newsという極右メディアで、人種差別に対する抗議運動を「茶番」「テロ活動」などと批判していました。

ハバード選手のコメントは大きな反響を呼び、ガンディ氏は選手たちに謝罪しました。

上記の例は、言ってしまえば、すべて一大学生の言動です。それが各所に大きな影響を与えているのです。それはひとえに彼らがアスリートであり、彼らが多くの人の注目を集め、多くの人と特別なつながりを持っているからなのです。

NBA選手会、Opendorseと業務提携

NBA選手会およびThink450(NBA選手会のビジネス部門)はOpendorseとの業務提携を発表した。

Opendorseは、SNSを用いたアスリートブランディングを専門とする会社で、NFL選手会やPGA、ネブラスカ大学などとも契約を結んでいる。

今回の契約は、NBA選手が自らの肖像権を用いて効果的に収益を上げられるようにすることが目的で、そのためのオンラインコンテンツ作成やSNSキャンペーンの展開をOpendorseがサポートする。

たとえば、NBA選手のスポンサーやライセンシーがその選手に投稿してほしい内容をOpendorseが管理するプラットフォームに提出すると、それが選手に伝わり、ワンクリックでFacebookやTwitter、InstagramといったあらゆるSNSに自動的に投稿される。

Opendorseが選手と企業の間に入って、様々な作業を簡素化するのである。

Think450のペイン・ブラウン氏は「私たちはNBA選手がSNS上で、ひいては実社会において、素晴らしい影響力を持っていることを理解しています。これは彼らのスポンサー企業にも価値をもたらします。今回のOpendorseとの業務提携によって、NBA選手たちは同社のプラットフォームを活用し、価値観を共有する組織と協働する機会をこれまで以上に見つけることができるでしょう」と言う。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nbpa-opendorse-nba-player-social-media-posts-nil-rights

バーチャルG-Day

カレッジフットボールのシーズンは8月末から9月頭に開幕するが、大きな大学は3~4月に「スプリング・フットボール」という紅白戦を行うのが伝統となっている。

これには新チームのお披露目、そして新シーズンにむけてアメリカンフットボール熱を高める狙いがある。

ジョージア大学はこれを独自に「G-Day」(GはGeorgiaに由来する)と呼び、イベントとして盛り上げている。チケットは無料で、何万人ものファンが観戦に訪れる。

今年はコロナウイルスの影響で中止せざるを得なかったが、同大学は4月18日に「バーチャルG-Day」を開催した。

メインコンテンツは、2019年全米選手権決勝ジョージア大学対ノートルダム大学の再放送で、スコット・ハワード監督がFacebook Live上で解説を担当した。

それと同時進行で、同大学が管理するあらゆるSNSやネット局を駆使し、#VirtualGDay というハッシュタグとともにコンテンツを提供した。

ファンも同じハッシュタグを用いて動画や写真を投稿し、同イベントは100万以上のインプレッションを記録した。

ジョージア大学体育局副局長のマイク・ビルボー氏は「これだけ多くのチャンネルを持っていれば、それを一つのイベントに集中した際に、とてつもなく大きな『拡声器』となります」と言う。

「バーチャルG-Dayはファンベースとコミュニケーションを取り、つながりを確認する素晴らしい方法となりました」

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/05/11/Colleges/Virtual-tailgates.aspx

#MyTexas Tailgate

あらゆるスポーツイベントが中止になったカレッジスポーツ界。

各大学は、違った方法でファンを楽しませようと、様々なコンテンツを提供している。

たとえば、テキサス大学は、5月1日に#MyTexas Tailgateというユニークなキャンペーンを展開し、注目を集めた。

その内容は、SNS上で一日中コンテンツを配信し続けるというもので、#MyTexas Tailgateというハッシュタグを使うことでファンが参加することもできる。

コンテンツの内容も面白い。

たとえば、過去のアメリカンフットボールの名場面を他のスポーツ部の監督が実況する動画は、各監督の性格が出ていて面白い。

テキサス大学には、男女合わせて16の部があるが、そのすべてがコンテンツ作成に協力し、この日、計100以上の動画が投稿された。

このキャンペーンは、5000万インプレッションを記録し、ツイッターの急上昇ワードにもランクインした。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/05/11/Colleges/Virtual-tailgates.aspx
https://www.hookem.com/2020/05/01/watch-longhorn-coaches-turn-to-broadcasting-during-the-my-texas-tailgate/

レブロン・ジェームス、自分の写真をSNSに投稿し訴えられる

昨年12月、ロサンゼルス・レイカーズ対マイアミ・ヒートの試合後、レブロン・ジェームスは自身の写真をインスタグラムに投稿した。

この写真を巡って、今週、ジェームス氏が訴えられた。

訴訟を起こしたのは、写真を撮影したカメラマンのスティーブン・ミッチェル氏。

ミッチェル氏は、ジェームス氏が撮影者の許可なく写真を公に公開したことは、著作権の侵害にあたると主張した。

裁判官はミッチェル氏の主張を受け入れると見られるが、それによってどのような罰則がジェームス氏に科せられるかは不透明だ。

NBA選手が自身のプレーする写真をSNS上に投稿することは決して稀ではないが、通常は各チームがカメラマンを雇っており、そこから写真を入手する。

今回はチームとは無関係のカメラマンの写真を無断で使用したことでこのような問題が起きた。

参考文献:
https://nba.nbcsports.com/2020/03/25/lebron-james-sued-by-photographer/

ネブラスカ大学、学生アスリートのブランディングをサポート

昨年10月、NCAAが学生アスリートによるエンドースメント契約を解禁する方針を発表した。

実際に解禁されるまでには数年かかりそうだが、その日に向けてネブラスカ大学はすでに動き始めている。

今週10日、ネブラスカ大学はアスリートのブランディングを専門とするOpendorseと業務提携を結んだ。

同社は「Ready Now」というプログラムを立ち上げ、ネブラスカ大学に所属する700人弱の学生アスリートのブランディングをサポートする。

具体的には、SNSの使い方などから各学生のブランド価値を査定し、価値を損ねているような行動を注意し、価値を向上するための戦略を提示する。

同社CEOのブレイク・ローレンス氏曰く、まずは「SNSアカウントは簡単に見つかるか?」「最近の投稿で削除すべきものはないか」「どういった投稿が大きな反響を呼んだか」といったことを検証していくという。

ローレンス氏は「企業がスポンサーするアスリートを選ぶとき、10年前であれば、そのアスリートの代理人との関係やマーケティング担当者の勘に頼っていましたが、今は違います。まずは、ネット上でどれくらい影響力を持っているかを必ず分析します。今後、学生アスリートがエンドースメント契約を結ぶことになってもその点は同じだと予測しています」と言う。

ネブラスカ大学バスケットボール部のフレッド・ホイバーグ氏は、選手やコーチ、スタッフとして20年近くNBAに携わってきた。

ホイバーグ氏は「NBAがここまで人気になった一つの要因は、各選手が個々のブランドを確立したことにあると思います」と言う。

「今回のプログラムはネブラスカ大学の学生アスリートにとって素晴らしいリソースになるでしょう。自分のブランド価値を理解する。それが早ければ早いほどその後のキャリアに繋がります」。

参考文献:
https://www.forbes.com/sites/kristidosh/2020/03/10/nebraska-first-to-launch-program-to-help-student-athletes-maximize-the-value-of-their-individual-brands/#7b93b4da6303

IOC、政治的メッセージに関する新基準を発表

先週木曜日、IOCは新たな基準を発表した。新基準の目的は、オリンピック期間中にアスリートが政治的なメッセージを発信することを厳格に取り締まること。東京オリンピックから適用される。

アスリートが政治的なメッセージを発信すること自体は、オリンピック憲章50条によって禁止されてきたが「どういった言動が政治的と見なされるか」に関しては明確な基準がなかった。

今回発表された基準では、「膝をつくこと」「アームバンドに政治的なメッセージを書き込むこと」「メダル授賞式を妨げること」「拳を突き上げるような手を使ったジェスチャー」などが禁止事項として挙げられた。

一方で、新基準はアスリートが自由に意見を発信できる場も明確にした。

たとえば、インタビュー、プレスカンファレンス、SNSなどでは、メッセージを自由に発信することが認められた。

新基準を違反した場合の罰則に関しては、IOCではなく各国のオリンピック委員会(日本の場合はJOC)に一任するとも発表された。

IOCが罰則を与えない以上、メダルはく奪のような重い罰則は与えられないとも推測される。

たとえば、昨年8月、ペルーで開催された国際大会においてハンマー投げのウェン・ベリー選手が国歌斉唱中に拳を突き上げた。

アメリカオリンピック委員会は、これを政治的な行動と見なし、「12か月の保護観察」という罰則を科している。

さて、東京オリンピックでは、禁止された行動を強行するアスリートは現れるのか。現れた場合、どのような罰則が与えられるのか。SNSではどのようなメッセージが発信されるのか。注目である。

参考文献:
https://www.nytimes.com/2020/01/09/sports/olympics/olympics-protests-politics.html
https://www.olympic.org/-/media/document%20library/olympicorg/news/2020/01/rule-50-guidelines-tokyo-2020.pdf

Dr. McLeodインタビュー①労働市場を研究する意義

Q. Dr. McLeodの重要な研究テーマに「労働市場(Labor Market)」があります。労働市場を研究することにどのような意味があるのでしょう。

A. これには、スポーツ産業の特異性が関係しています。

スポーツを商品としてみたとき、それを生み出すために労働者が果たしている役割は、代替することができません。

他の産業であれば、労働者を機械で補うことも可能かもしれませんが、スポーツ産業ではそれはできません。アスリートがいなければ何も売ることも買うこともできない。これは重要な点です。

スポーツ産業の歴史を見ていくと、消費者が大きな裁量所得を持つ場所で栄えてきたことがわかります。

これに基づいて、「消費者がスポーツ産業を発展させてきた」という見方も可能ですが、消費者が消費する商品はもともとアスリートがいることで成り立っています。

最近では、Players TribuneやUninterruptedといった、アスリートと消費者が直接コミュニケーションを取るメディアが生まれています。これに伴い、スポーツ産業を発展させてきた「アスリート」と「消費者」、そして「両者の交流」の重要性が再認識されていると感じます。

(補足:Players TribuneとUninterruptedは、アスリートが情報を発信するメディアで、前者は元ヤンキースのデレク・ジーター氏が、後者はレブロン・ジェームス選手立ち上げた)

Q. では、Players TribuneやUninterruptedといったメディアの台頭も、労働市場に関する問題と捉えているということでしょうか。

A. 労働市場の一部だと思います。この現象は、スポーツという商品の元々の性質を反映したものだと思います。アスリートと消費者の関係性は時に素晴らしく、時に難しいものとなります。そんなスポーツという商品の本質が、新しい技術によって浮き彫りにされたと言えます。

2019年、北米スポーツ業界の動向③

昨日に引き続き、Sports Business Journalの読者アンケートの結果を紹介する。今日は、メディア・マーケティング編。

Q. スポンサーになるとしたらどのリーグ?

  1. NBA(40%)
  2. MLB(35%)
  3. NFL(32%)
  4. MiLB(32%)
  5. NCAA(16%)
    *昨年のトップ5は、NBA(53%)、MLB(25%)、NFL(23%)、MiLB(23%)、MLS(22%)

Q. どのストリーミングサービスを利用している?

  1. Netflix(86%)
  2. Amazon(68%)
  3. Hulu(41%)
  4. HBO Now(34%)
  5. ESPN+(29%)

Q. ストリーミングで一番よく見るスポーツは?

  1. 野球(48%)
  2. カレッジ・フットボール(36%)
  3. プロ・フットボール(31%)
  4. カレッジ・バスケットボール(25%)
  5. プロ・バスケットボール(18%)

Q. ケーブルテレビと契約している?

  1. している(69%)
  2. していない(31%)

Q. スポーツファンを惹きつけるのに最も有効なSNSは?

  1. Twitter(50%)
  2. Instagram(37%)
  3. Facebook(8%)
  4. Snapchat(2%)

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/11/25/Reader-Survey/Media-Mktg-Sponsor.aspx