ヨーロッパに広がるベッティング広告禁止の流れ

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今月、ベルギーでは、2022年末までにギャンブル産業の広告活動を抑制するための新法案が提出された。

これが成立すれば、テレビ、ラジオ、SNSを含む多くの媒体での広告活動が禁止されることになる。

また、スポーツクラブのユニフォームやスタジアムの看板などを使った広告にも厳しい制限がかけられる。

新法案の背景にある問題について、ベルギーのクイッケンボーン連邦司法大臣は以下のように説明した。

「わが国でギャンブル産業が利益を拡大しているのは、すべてギャンブル依存症の人たちのおかげです」

「毎日あらゆる方面からギャンブル広告が流れ、ギャンブル依存を助長しており、依存者のなかには若者も含まれます。10万人以上がギャンブル依存症と見られる行動を見せ、その3分の1はすでに深刻な状態に陥っています」

ヨーロッパでは、昨今、ギャンブル関連の広告を制限する動きが広まっており、これがスポーツ界にも影響を及ぼしている。

たとえば、先日の投稿でも解説した通り、イギリスではギャンブル関連の広告にアスリートを起用することが禁じられた。

スペインでも、2020年、ギャンブル関連企業のロゴをユニフォームに掲出することを止めるようにサッカークラブが指示を受けている。

アメリカでスポーツベッティングが人気を拡大し、日本でも全面解禁を望む声が上がり始める中、ヨーロッパでは逆にベッティング企業が批判を集めているのは、興味深い現象である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/belgium-betting-advertising-ban-sports-sponsorship/
https://www.sportspromedia.com/news/la-liga-betting-shirt-sponsors-2020-21-season/

DraftKings、事業拡大中

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米国のスポーツベッティング大手DraftKings社は、2022年第1四半期に4億1700万ドル(約543億円)の収益を上げ、前年同期比で34%増を記録した。

一方で、同期の営業費用は9億3300万ドル(約1216億円)に達し、こちらは前年同期比46%増となった。

これらの収支増加の背景には、同社の事業が全米17州に拡大したことがある。

アメリカでは現在スポーツベッティング(ギャンブル)を合法化した州が半数を超えており、その数は今後も増えていく見通しだ。

それに伴い、スポーツチーム・リーグや放送局もギャンブルの要素を加えた新たなスポーツの楽しみ方を積極的に提示しており、それを受け入れるファンも増えている。

実際、DraftKingsも顧客を増やしており、現在200万人の顧客が同社のサービスを毎月利用している。これは前年同期比で39%増である。

一方で、スポーツベッティングという新興産業での立ち位置を確たるものにすべく、DraftKingsは人気リーグ・チームとのスポンサーシップ契約に積極的に投資している。

また、複数の州ではカジノ等の店頭での賭けのみを認めており(オンラインの賭けはNG)、その場合、店舗の運営・管理費もかかる。

その結果、2022年第1四半期の営業・マーケティング費用は3億2140万ドル(約419億円)、一般管理費は2億1660万ドル(約282億円)に上った。

しかしこれはあくまで事業を拡大していく上での必要経費であり、長期的には健全な財務状況を達成できると同社は見ている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/draftkings-q1-2022-revenue-financials-sports-betting-us/

NFL選手、NFL対象の賭けで出場停止

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今月7日、NFLはアトランタ・ファルコンズのカルビン・リドリーを少なくとも2022年いっぱい出場停止にすると発表した。

同選手は2021年11月、一身上の都合によりチームから離れていたが、その間にNFLの試合(ファルコンズの試合を含む)を対象にした賭けに参加しており、これがリーグ規則違反となった。

同時期にリドリーはNBA対象の賭けにも参加していたが、NFLは選手の他リーグへの賭けは認めており、こちらは処分の対象外であった。

なお、NFLによれば、リドリーが今回の賭けのためにチーム内の情報を活用したり、八百長を働きかけたりした形跡はなく、チームメイトやコーチも今回の賭けを認識していなかったという。

ちなみにNFLでは、2019年にも当時アリゾナ・カージナルスに所属していたジョシュ・ショーがNFL対象の賭けに参加して同様の処分を受けている。

参考文献:
https://www.espn.com/nfl/story/_/id/33446869/nfl-suspends-atlanta-falcons-wr-calvin-ridley-least-2022-season-betting-games
https://edition.cnn.com/2022/03/07/sport/calvin-ridley-suspended-gambling-spt/index.html

NHL初のユニフォームスポンサー契約

Photo Source: NHL.com

ワシントン・キャピタルズは、Caesars Entertainmentと複数年のユニフォームスポンサー契約を結んだ。

2022/23年シーズンから、本拠地で着用されるユニフォームに「Caesars Sportsbook」のロゴがつけられる。

NHLにおけるユニフォームスポンサーは先月解禁されたばかりで、これが第一号の契約となる。

ラスベガスに本社を置くCaesars Entertainmentは全米に50以上のカジノ、ホテル、ゴルフコースを保有し、近年はスポーツベッティング関連のサービスにも力を入れている。

今年5月には、キャピタルズの本拠地のなかにもスポーツベッティングスペースを新設している。

また、スポーツスポンサーシップにも積極的で、今年7月にはニューオーリンズ・セインツの本拠地のネーミングライツを購入した。契約は20年1億3800万ドル(約154億円)とも言われている。

Photo Source: Neworleanssaints.com

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/washington-capitals-caesars-sportsbook-jersey-patch-sponsorship/
https://www.reviewjournal.com/business/casinos-gaming/caesars-saints-set-to-ink-138m-deal-for-superdome-naming-rights-2404665/

Fanatics、スポーツ賭博会社を買収か

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一部報道によると、Fanaticsがスポーツブックメーカーの買収に動いているという。

現在Fanaticsが買収の協議を進めているのは、Rush Street Interactive(RSI)とBetssonの二社。

RSIは現在、イリノイ州、ペンシルバニア州、ニュージャージー州など10州で事業を展開している。オンライン事業も好調で、総収入は業界トップ5に入る。同社の企業価値は36億1000万ドルと見積もられている。

一方、Betssonはスウェーデンに本社を構え、現在アメリカでは事業を行っていないが、かつて企業価値13億ドルの評価を受けている。

Fanaticsは昨今スポーツ賭博への進出を模索してきた。

今年6月には、スポーツ賭博関連ビジネスも展開しているFanDuel社の元最高経営責任者を雇っている。

さらに、8月には、スポーツ賭博を含む新事業開拓のために、3億2500万ドルの資金調達を行っている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-sports-betting-sportsbook-rush-street-interactive-betsson/

NFL新シーズン、4000万人以上が賭けに参加と予測

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今週9日に開幕したNFLの新シーズン。

アメリカゲーミング協会によれば、今シーズンのNFLには、4520万人ものアメリカ人が賭けを行うと予測されるという。これは前年比36%増だ。

スポーツを対象にした賭けを合法化する州が増える中で、合法的な賭博場も19カ所から24カ所に増えた。

これによって、1億700万人のアメリカ人が自分の住んでいる州で合法的に賭けることができるようになった。

また、インターネットを通じた賭けも急激に浸透しており、今シーズン、オンラインで賭けを行うアメリカ人は1950万人(前年比73%増)に達すると見られている。

アメリカゲーミング協会のビル・ミラー会長は「ここで重要なのは、2021年のNFLシーズンが始まるとき、1億1100万人以上のアメリカ人が、違法マーケットではなく、きちんと規制された賭け場で、安全に賭けが楽しめるということです」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/betting/nfl-online-betting-2021-season-data-aga/

NHL選手に八百長疑惑

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NHLは、サンノゼ・シャークスのイバンダー・ケイン選手が八百長に関与した疑いがあるとして調査を行うと発表した。

ケイン選手には、自らの試合を対象にした賭けに参加し、それに沿った結果が出るよう故意に負けようとした疑いがかけられている。

事の発端はケイン選手の妻がSNSに投稿したコメントであった。

「重度のギャンブル中毒者が金儲けのために試合を投げているのに、どうしてNHLは黙認しているんでしょう?」

この「重度のギャンブル中毒者」が夫のケイン選手を指していると考えられるのは、同選手のギャンブル歴と金銭面での問題のせいだ。

たとえば2019年、ケイン選手はギャンブルでつくった50万ドル(約5500万円)の負債を返済しなかったとしてラスベガスのカジノに提訴されている。

この件に関してNHLは「ゲームの健全性は最も重要であり、リーグはこの疑惑を非常に深刻に受け止めています」とコメント。シャークスも「完全かつ透明性のある調査を支持します」と述べた。

スポーツを対象にしたギャンブルは2018年以来、アメリカの多くの州で合法化されており、NHLを含むスポーツリーグ・チームも新たな収入源として積極的に取り込んでいる。

一方で、選手・関係者による八百長の可能性は当初から指摘されており、NHLが今回のケースにどのように対応するかは多くのスポーツ関係者が注目している。

参考文献:
https://www.espn.com/nhl/story/_/id/31929787/nhl-investigate-allegation-san-jose-sharks-evander-kane-bet-own-games

マーキュリー、「女子スポーツチーム史上最大級」のスポンサー契約

Photo Source: igamingbrazil.com

WNBAのフェニックス・マーキュリーは、Bally’s Corporationと15年間のスポンサー契約を締結した。

一部報道によれば契約金は推定6600万ドル(約73億円)で、これが事実であれば、女子スポーツチームが結んだスポンサー契約のなかでも史上最大級の契約金である。

Bally’s Corporationはスポーツ賭博を運営する企業で、全米10州で14のカジノを所有・運営している。

同社はNBA、MLB、NHLなどとも業務提携を結んでいるが、女子プロスポーツチームと契約を結ぶのは今回が初めてとなる。

今回の契約に基づき、Bally’s Corporationは、アリゾナ州内でオンライン・モバイルのスポーツ賭博サービスを運営するとともに、マーキュリーの本拠地近くに店を構え、マーキュリーの試合に関連したビジネスを推進する予定だ。

マーキュリーのジェイソン・ロウリー社長は「このような画期的なパートナーシップは、女性スポーツを取り巻く勢いを加速させ、マーキュリーにとってより大きなプラットフォームを構築し、そして女性スポーツにおいて前例のない規模でファンを惹きつけると強く信じています」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/phoenix-mercury-ballys-sports-betting-sponsorship-wnba

NBA、スポーツ賭博業者2社と契約延長

Photo Source: Sportradar

NBAは、スポーツ賭博業者のGenius Sports Group(GSG)とSportradarと結んでいた契約を延長した。

2社が果たしている役割は、NBAから受け取った公式試合データをアメリカ国内のカジノやブックメーカーに流通させること。試合データはその後オッズを決める際などに使用される。

他の北米プロリーグも同様の契約を結んでいるが、契約内容は異なる。

たとえばNHLは、今年8月、Sportraderと10年2.5億ドル(約261億円)の独占契約を結んだ。独占契約にすることで、NHLは契約の価値を高め、一つの契約から多額の契約金を得ることに成功した。

NBAは対照的で、20社以上のスポーツ賭博業者と業務提携を結んでいる。この戦略は「一つ一つの契約が小さくなる」、「契約の管理が大変になる」といった短所がある一方で、「公式試合データがより広域に行き渡る」、「一つの業者に頼る必要がなくなる(リスク分散)」といった長所もある。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-genius-sports-sportradar-betting-data-deals-extension-wnba
https://www.sportico.com/business/sports-betting/2020/nbl-sportradar-deal-1234610724/

ニュージャージー州、スポーツ賭博の月間最高額を更新

2020年8月、ニュージャージー州内でスポーツ賭博に使われた金額が6億8800万ドル(約724億円)に達した。これは、アメリカ国内の月間最高額である。

ちなみに、それまでの最高額は2019年11月にラスベガスのあるネバダ州が記録した6億1400万ドル(約646億円)であった。

ニュージャージー州の賭博取締局によれば、賭けられた金額のうち3億2630万ドル(約344億円)がカジノや競馬場の儲けとなったという。

8月にスポーツ賭博が盛況だった背景には、NBAとNHLが公式戦を再開し、MLBが新シーズンを開幕したことがあると考えられる。

また、ニュージャージー州はネット上でスポーツ賭博をすることを許可しているため、コロナウイルスの影響が他州よりも小さかったかもしれない(州によってはカジノ内でしか賭けが許されていない)。

とはいえ、コロナウイルスの影響は無視できない。

ニュージャージー・カジノ・コントロール・コミッションのジェームズ・プローシス氏によれば、コロナウイルスの影響で、スポーツ賭博を楽しむために州外から訪れていた顧客が減少したという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/new-jersey-us-sports-betting-record-august-sportsbook-nevada-mlb-nba-nhl