
今月、ベルギーでは、2022年末までにギャンブル産業の広告活動を抑制するための新法案が提出された。
これが成立すれば、テレビ、ラジオ、SNSを含む多くの媒体での広告活動が禁止されることになる。
また、スポーツクラブのユニフォームやスタジアムの看板などを使った広告にも厳しい制限がかけられる。
新法案の背景にある問題について、ベルギーのクイッケンボーン連邦司法大臣は以下のように説明した。
「わが国でギャンブル産業が利益を拡大しているのは、すべてギャンブル依存症の人たちのおかげです」
「毎日あらゆる方面からギャンブル広告が流れ、ギャンブル依存を助長しており、依存者のなかには若者も含まれます。10万人以上がギャンブル依存症と見られる行動を見せ、その3分の1はすでに深刻な状態に陥っています」
ヨーロッパでは、昨今、ギャンブル関連の広告を制限する動きが広まっており、これがスポーツ界にも影響を及ぼしている。
たとえば、先日の投稿でも解説した通り、イギリスではギャンブル関連の広告にアスリートを起用することが禁じられた。
スペインでも、2020年、ギャンブル関連企業のロゴをユニフォームに掲出することを止めるようにサッカークラブが指示を受けている。
アメリカでスポーツベッティングが人気を拡大し、日本でも全面解禁を望む声が上がり始める中、ヨーロッパでは逆にベッティング企業が批判を集めているのは、興味深い現象である。
参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/belgium-betting-advertising-ban-sports-sponsorship/
https://www.sportspromedia.com/news/la-liga-betting-shirt-sponsors-2020-21-season/