FanaticsがIOCと業務提携、「常設オンラインストア」の設立を目指す

Photo Source: https://www.sportico.com/business/commerce/2021/fanatics-olympics-shop-1234645099/

IOCはFanaticsと業務提携を結び、オリンピック関連グッズを販売する常設オンラインストアの設立を目指すと発表した。

従来、オリンピックの公式オンラインストアは、各オリンピック組織委員会によって設立され、大会終了とともに閉鎖されてきた。

しかしこのような一時的なグッズ販売では、利用者層に限りがあり、知識の共有もなく、顧客データの活用も限定的にならざるを得なかった。

今回初めてIOCが責任者となり、Fanaticsとともに常設のオンラインストアを設立することでこれらの課題解決を目指す。

その第一段階としてFanaticsは、2024年パリ大会、2026年ミラノ・コルティナ大会、2028年ロサンゼルス大会のネット販売の統合に取り組むという。

なお、今回の契約に伴い、Fanaticsは上記の3大会および過去のオリンピック大会の関連グッズを制作する権利も獲得している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-ioc-paris-2024-olympics-ecommerce-platform-merchandise/

MLBとFanatics、トレーディングカード製作に関する業務提携

MLBとMLB選手会は、過去70年に渡って選手のトレーディングカードを製作してきたTopps社との提携関係を解消し、新たにFanatics傘下の新会社と提携することになった。

以下、Sportico社の報道をまとめる。
・MLBとの契約は2025年に開始予定。
・MLB選手会は、今回の契約を20年間で20億ドル近くを生み出す可能性があると捉えている。
・Fanaticsが新設するトレーディングカード会社の株式をMLBとMLBPAに譲渡することも契約に含まれる。
・Fanaticsは、NBA、NBA選手会、NFL選手会ともトレーディングカード製作の権利を巡って交渉している。

Fanaticsは過去1年間で企業価値を3倍以上に成長させており、2021年末までに34億ドルの収入を見込んでいる。

現在Fanaticsは、トレーディングカード以外にも、スポーツ賭博やメディアといった新市場への進出を検討している。

一方Topps社は、MLSやNHLとトレーディングカードのライセンス契約を結んでいるが、MLBとの提携解消は大きな痛手となる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/mlb-fanatics-trading-cards-topps-baseball

ミシガン大学、同校アメフト選手と提携し新グッズ販売

Photo Credit: RACHEL SCHRAUBEN

今月17日、ミシガン大学体育局の公式グッズストア「The M Den」は、同校のアメフト選手と提携し、彼らの名前と背番号を入れたカスタムユニフォームを販売することを発表した。

以前までのNCAA規則では、現役選手の名前が入ったユニフォームを販売することは禁止されていたが、今月発表された新NIL規則によってそれも可能になった。

ここで注意したいのは、今回の契約が「カスタムユニフォーム」に限られているという点だ。

現時点では、ミシガン大学は、同校アメフトチームが自ら商品に選手の名前や背番号を入れて販売することを認めていない。

たとえば、A選手のファンが彼の名前が入ったユニフォームを買おうと公式ストアに行っても、そのような商品は店頭には並んでいない。

A選手のユニフォームを購入するためには、公式ストアのウェブサイトにアクセスし、そこにある選手リストのなかからA選手を選択する。これによってそのユニフォームは名目上「カスタムユニフォーム」となる。

これが今回認められた選手名入りユニフォームの購入方法だ。

かなり抜け道的な手法ではあるが、売り上げの一部は各選手に還元されることになっている。

マージンは全選手一律。選手への支払いは四半期ごとになる。

この契約には、現時点でおよそ60人の選手が合意しており、その人数は今後さらに増えていくと見られる。

参考文献:
https://www.espn.com/college-football/story/_/id/31834394/michigan-athletics-official-retail-store-partners-players-sell-jerseys-names-back

NFLドラ1、早速Fanaticsと契約

Photo Source: ESPN.com

今年のNFLドラフトで全体1位の指名を受けたトレバー・ローレンス(クレムゾン大)が、早速Fanaticsと複数年のライセンシング契約を結んだことが明らかになった。

この契約に基づき、Fanaticsはローレンスのグッズ(ユニフォーム、ヘルメット、サイン入りボールなど)を独占的に生産することになる。

ローレンスは大学時代から大きな注目を集めてきた選手で、Fanatics以外にもアディダスやゲータレードなどとエンドースメント契約を結んでいる。

また、彼を指名したジャクソンビル・ジャガーズとFanaticsの本社はともにフロリダ州ジャクソンビルにあり、そういった意味でもローレンスはFanaticsにとって魅力的なアスリートである。

契約に際してローレンスは「Fanaticsファミリーに加わることを楽しみにしております。ジャクソンビルの会社ですしね。Fanaticsは業界で最も信頼のある会社です。グッズなどを通して、ファンにもっとアメリカンフットボールを身近に感じてもらえるように協力していきます」とコメント。

なお、Fanaticsは、トム・ブレイディ(NFL)、ザイオン・ウィリアムソン(NBA)、サブリナ・イオネスク(WNBA)、アーロン・ジャッジ(MLB)といった各リーグのスター選手とも同様の契約を結んでいる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/trevor-lawrence-fanatics-memorabilia-collectibles-jerseys

ラムズのグッズ配達サービス

Image Credits: Postmates

今週月曜日、ロサンゼルス・ラムズは、オープンしたばかりのSoFiスタジアムで最初のホームゲームを迎えた。

スタジアムで生観戦ができない地元ファンのために、ラムズはグッズの生産・流通を担当するFanaticsと配達業者のPostmatesとユニークなサービスを企画した。

それがグッズの即配達サービスである。

これはロサンゼルス市内に住むファンが対象で、利用者はPostmatesのアプリから特設オンラインストアにアクセスし、ラムズグッズを購入することができる。

そして購入完了からすぐPostmatesの配達員が自宅にそのグッズを届ける。宅配ピザのような手軽さとスピードでグッズが手元に届くのだ。

同様のサービスはFanaticsが以前スーパーボウルやワールドシリーズの際に実施しているが、その時はUberが配達を担当していた。今年7月にUberがPostmatesを26.5億ドルで買収したことに伴い、今回はPostmatesが配達することとなった。

グッズビジネスにおける携帯端末の役割は年々増している。

Sportico社の調査によれば、今月ロサンゼルス・レイカーズがNBAファイナルを制した際にはFanaticsのウェブサイトで多くのグッズが売れたが、その85%は携帯電話からの購入だったという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/la-rams-fanatics-postmates-merchandise-jersey-delivery-service-sofi-stadium

Fanatics、Vetta Brandsを買収

Photo By Steve Gooch, The Oklahoman

Fanaticsは、スポーツアパレル会社のVetta Brandsを買収した。

Vetta Brandsは、カレッジスポーツのキャップ製造大手であるTop of the Worldの親会社である。

この買収によって、Fanaticsは、Vetta Brandsが持つアパレル(特にキャップ)製造技術・施設と600を超える大学のライセンス(グッズを製作する権利)を手に入れることになる。

一方で、Top of the Worldはコロナウイルスの影響で8月から施設の稼働を止めており、200人の従業員を解雇していた。今回の買収によって、負債を返済しグッズ生産を再開することができる。

今回の買収は両社にとってメリットがあるものと言えるだろう。

Top of the Worldはオクラホマ州に巨大な倉庫を保持しており、ここが今後Fanaticsのキャップビジネスの拠点となるという。

コロナ禍にあってもFanaticsの勢いは衰えを知らない。

同社のネット販売の取引は今年に入ってから30%増加し、先月には3億5000万ドル分の資金を新たに調達している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-vetta-brands-assets-top-of-the-world-headwear-college-sports
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-valuation-funding-round-merchandise-nfl-mlb

北米スポーツ産業の動向 – PwCの調査

毎年恒例となっているPwC社による北米スポーツ業界の調査結果が発表された。以下にその主な結果をまとめる(なお、この調査は北米のプロスポーツ業界にフォーカスしている)。

1. スポーツ業界の規模
北米スポーツ産業の規模は、2018年に710億ドル(約7.7兆円)に達した。これは過去最大の数字である。北米スポーツ産業は14年連続で拡大しており、2022年には800億ドルに達する見込みである。

2. 収入源の変化
プロスポーツチームの収入源は、4つに大別される。(1) チケット収入、(2) 放映権収入、(3) スポンサー収入、そして(4) グッズ収入である。

2016年まではチケット収入が最も大きな収入源であったが、2017年に初めて放映権収入がチケット収入を上回った。2018年もその傾向は続いており、むしろその差は拡大している。この背景には、テレビ放映権料の高騰とネット中継の台頭がある。

また、スポンサー収入がチケット収入に近づいている。前年比の増加率を見ると、チケット収入の0.9%増に対し、スポンサー収入は3.1%増を記録。

スポーツギャンブルを初め、新たなスポンサーシップカテゴリーが生まれていることが関係している。

また、2017年から始まったNBAのユニフォームスポンサーもスポンサー収入拡大に貢献している。現在、MLBも同様のユニフォームスポンサーの導入を検討しており、これが実現すれば、スポンサー収入がさらに大きく押し上げられる可能性がある。

詳しい金額やパーセンテージなどを知りたい方は、是非レポートをご覧ください(https://www.pwc.com/us/en/industries/tmt/assets/pwc-sports-outlook-2019.pdf)。

参考文献:
https://www.pwc.com/us/en/industries/tmt/library/sports-outlook-north-america.html
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/07/15/Leagues-and-Governing-Bodies/MLB-patches.aspx

NFL選手会、学生アスリートの「グループ・ライセンシング」をサポート

NFL選手会は、先週月曜日、全国カレッジプレーヤー協会(NCPA)とパートナーシップ契約を結んだ。

この契約に基づき、今後、選手の名前や肖像権の価値をどのように最大化するべきか、共同で検討していくという。

また、プレスリリースでは「すべての学生アスリートが参加できるグループ・ライセンシングの仕組みも提供する」という方針も明らかにされた。

グループ・ライセンシングとは、複数の選手の肖像権をまとめて扱うことで、プロ野球チップスのような様々な選手の肖像権を使用する際によく用いられる。

アメリカのカレッジスポーツでは、アメリカンフットボールと男子バスケットボールの人気が突出しており、そこで活躍する選手は有名人のような扱いを受けるが、その他のスポーツでは、全米一位の選手も全く知られていない、ということがざらにある。

したがって、NCAAが学生アスリートのエンドースメント契約を解禁したとしても、一部の選手だけが大きな契約を勝ち取り、その他の選手は今までと全く変わらない、ということが起きかねない。

今回の契約で発表された「グループ・ライセンシング」が実現し、それがあらゆるスポーツを網羅するものであれば、学生アスリート間の収入格差を多少は抑えることができるかもしれない。

参考文献:
https://www.nflpa.com/news/ncpa-nflpa-marketing-licensing-college-athletes
https://www.cbssports.com/college-football/news/nflpa-partners-with-college-players-group-in-pursuit-of-name-image-likeness-rights-from-ncaa/
https://www.nflpa.com/players/resources

ブレーブス、「トマホーク・チョップ」を自主規制

アトランタ・ブレーブスのチーム名は、アメリカ先住民の戦士「ブラボス」に由来している。そして、チームロゴにあしらわれた斧は、戦いや力強さの象徴である。

これらに関連して、ブレーブスファンは、チームを応援する際に、斧を振り下ろす仕草を繰り返す。

この応援は「トマホーク・チョップ」と呼ばれる。「トマホーク」は斧の名前、「チョップ」は「ぶった切る」を意味する。

トマホーク・チョップは、ブレーブスの他にもフロリダ州立大学やカンザスシティ・チーフスなどのファンも行う、アメリカ国内で広く知られる文化だが、これがちょっとした論争を引き起こした。

先住民チェロキー族の血を引くライアン・ヘルスリー投手(セントルイス・カージナルス)が、「トマホーク・チョップは、先住民に対する偏見を助長する」と批判したのだ。

これを受け、ブレーブスは、トマホーク・チョップに使用されるグッズの提供を中止。また、トマホーク・チョップをする際に流れる音楽を流さないことも発表した。

アメリカには、先住民をマスコットにしたチームが複数存在するが、昨今、そういったチームが「先住民は粗暴で好戦的という偏見を助長している」と批判を集めている。

たとえば、ワシントン・レッドスキンズは、ここ数年チーム名の変更が絶えず議論されている。

今回ブレーブスは、素早い対応で事態を収束させたが、これを機に、様々なところでトマホーク・チョップに対する批判の声が上がることも考えられる。

参考文献:
https://www.nytimes.com/2019/10/09/sports/baseball/atlanta-braves-tomahawk-chop-helsley.html

Fanatics、ウォーリアーズとグッズ生産・販売契約締結

Fanaticsは、ゴールデンステート・ウォーリアーズと10年契約を結んだ。これに基づき、今後、同社はウォーリアーズのグッズ生産および販売を行う。

具体的には、以下の販売経路をFanaticsが運営することになった。
① Chase Center(現在建設中のウォーリアーズの新本拠地)に併設される「Warriors Shop」
② Chase Center内のグッズショップ
③ その他3つのローカルショップ
④ オンラインショップ

Fanaticsが運営することになったWarriors Shop(280坪)は、同社が運営するショップのなかでも最大となる。

ウォーリアーズのBrandon Schneider氏によれば、NBAチームが持つアリーナ併設型グッズショップはせいぜい110坪程度が相場。その倍以上のサイズがあるWarriors Shopは「ただグッズを売るだけでなく、ユニークな経験を提供する場にすることができる」と言う。

ウォーリアーズは、携帯アプリを使ったグッズ販売も行う予定で、ファンはアプリ上で購入したグッズを座席で受け取るか、試合後にショップで受け取るか、あるいは自宅まで郵送してもらうか選ぶことができる。

ウォーリアーズは、リーグ屈指の人気チームで、グッズ売上は過去5年間で4度リーグトップになっている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/07/22/Franchises/Fanatics-Warriors.aspx