アンダーアーマー、6750万ドルでUCLAと和解

Getty Images

2016年、アンダーアーマーはUCLAと15年総額2億8000万ドルのスポンサー契約を締結した。これは当時アメリカのカレッジスポーツ史上最大のスポンサー契約であった。

しかし2020年6月、アンダーアーマーはこの契約を破棄することをUCLAに通知。

コロナ禍で多くのカレッジスポーツイベントが中止になり、約束されていたベネフィットが得られないことが理由だと説明した。

UCLA側は、アンダーアーマーが一方的に契約を破棄したと主張。2020年8月、同社を相手取った訴訟を起こし、2億ドルの損害賠償を求めていた

ESPNによれば、アンダーアーマーがUCLAに和解金6750万ドル(約90億円)を支払うことで両者が和解したという。

ちなみに、UCLAはアンダーアーマーによる契約破棄を受けて、新たにナイキのジョーダンブランドと6年間のスポンサー契約を締結している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/under-armour-ucla-legal-settlement-nike/

UCLA、Pac-12脱退をめぐり州の法的措置に直面する可能性

Rich Pedroncelli / Associated Press

先月UCLAは、2024年にPac-12を脱退しBig Tenに加入する計画を発表したが、この決定をめぐって同校が法的措置に直面する可能性が出てきた。

UCLAの理事長を務めるカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏は、同大学の移籍を阻止するために動く可能性があると発言し、同校理事会が現在調査中であることを明らかにした。

ニューサム氏によれば、UCLAは今回の決定に関して理事会に事前報告をせず、交渉は秘密裏に行われ、理事会からの監視や支持も得ることもなかったとコメント。

さらに、この脱退・移籍は「良識」に欠けており、その影響は州内のあらゆる大学に及ぶと主張した。

現時点では、ニューサム氏および大学理事会が、実際にUCLAのPac-12脱退を阻止できるか、もしくは延期させることができるかは不透明である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ucla-big-ten-pac-12-conference-gavin-newsom-legal-action/

UCLA とUSC、Pac-12を脱退しBig Tenに加入へ

ESPN

先週木曜日、「UCLAとUSCが2024年にPac-12を脱退しBig Tenに加入する」という衝撃的なニュースが飛び込んできた。

両校はPac-12を代表する名門校で、同カンファレンスの収益やブランド力への貢献度も大きい。この脱退はPac-12にとって大きな痛手となる。

このニュースに関して、Pac-12は「非常に驚き、失望した」という声明を発表している。

ここ数年、カレッジスポーツ(特に人気カンファレンス周辺)で動きが慌ただしくなっている。

2021年、テキサス大学とオクラホマ大学がBig 12を脱退し、SECに加入することを発表(実際の脱退・加入は2025年頃を予定)。関係者に衝撃を与えた。

人気校の脱退は、カンファレンス全体の収益減(特に放映権・スポンサーシップ)やブランド力低下を招き、それがひいては所属する各大学の収益にも負の影響を及ぼす。

「人気カンファレンスに所属すれば安泰」という考えはもはや通用しない。そういった危機感が急速に広がった。

今回のUCLA・USCによる決断の裏にも将来の不透明さがある。

ESPNの取材に応じた関係者は「UCLAとUSCは、長期的な視点に立って最適な立ち位置を確保するための決断をしなければなりません。将来は非常に不透明であり、強い立場に立ってビジネスを展開することが求められるのです」と語った。

Pac-12からの脱退は、これまで築いてきたもの(カンファレンス内のライバル関係など)を失うことを意味するが、これまでなかった機会を得ることにもつながる。

Big Tenはここ数年、Pac-12の2倍近くの収益を上げており、UCLA・USCの加入はそれをさらに押し上げることになるだろう。

このニュースが他の人気校・カンファレンスにどのような影響を与えるのか注目である。

参考文献:
https://www.espn.com/college-sports/story/_/id/34173688/source-usc-ucla-considering-move-pac-12-big-ten

Fanatics、カレッジスポーツのトレーディングカード販売へ

Fanaticsの子会社であるFanatics Collectiblesは、カレッジスポーツのトレーディングカードを販売することを明らかにした。

この新商品には、現役の学生アスリートおよびNFL、NBA、MLBに進んだ卒業生が起用され、通常のカードとバーチャルカードの二分野で販売されるという。

Fanaticsは、2022年1月に業界大手のToppsを買収し、トレーディングカード業界に本格参入した。

Fanaticsは現在、35校以上の大学と独占権利契約を締結しており、各校選手の名前や肖像権を用いたトレーディングカードの制作を許可されている。

これに2023年以降に有効になる非独占の契約を合わせれば、Fanaticsのトレーディングカードビジネスは全米100校以上を網羅することになる。

こうした広範囲に及ぶ権利とTopps買収によって得られたトレーディングカード制作・販売のノウハウを活用し、Fanaticsは「カレッジスポーツのトレーディングカード」という領域を開拓していく。

この新事業に関して、Toppsの副社長兼GMのデイブ・レイナー氏は「現役の学生アスリートの名前・肖像権が活用され、公式にライセンスされたトレーディングカードのコレクションは、これが初めてとなります」と説明している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-topps-college-trading-cards-ncaa-nil-licensing/

NIL収益スポーツ別比較:女子バスケットボールが全体2位

Image Source: Opendorse

アメリカでは現在マーチ・マッドネスが佳境を迎えている。

女子の決勝は先ほど終了し、サウスカロライナ大が優勝を決めた。男子の決勝は明日行われる。

そんななか、女子バスケットボールに関する興味深い調査結果が報告された。

Opendorse社が2021年7月から2022年2月末までのNIL契約を追跡調査したところ、スポーツ別の収益比較で、女子バスケットボールが全体2位にランクインしたのである。

添付表にある通り、女子バスケットボールはNIL契約で発生した収益の18.5%を占めた。これは男子アメリカンフットボールに次ぐ数字である。

アメリカのカレッジスポーツでは、アメリカンフットボールとバスケットボールが二大スポーツで、バスケットボールに関してはマーチ・マッドネスがキラーコンテンツとして多くのスポンサー企業を惹きつけている。

マーチ・マッドネスというと男子バスケットボールのイメージが強いが、昨今は男子と女子をまとめた広告戦略が展開されており、女子バスケットボールへの注目度も年々増している。

また、男女平等の観点から女子学生アスリートを支援する企業も増えている。

以前、H&R Block社の事例を紹介したが、同社はその後も契約を増やしており、約20名の女子学生アスリートとエンドースメント契約を結んでいる。

なお、このOpendorse社の調査では他にも興味深い結果が報告されている。ご興味のある方は、同社HPをご覧ください。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ncaa-womens-basketball-college-nil-endorsement-opendorse-march-madness/
https://opendorse.com/nil-insights/

「A Fair Shot」:NIL分野における男女格差是正のための取り組み

H&R Block

今月1日、税務準備会社のH&R Blockは、女子バスケットボールの学生アスリート2名とエンドースメント契約を結んだことを明らかにした。

この契約は同社が立ち上げた「A Fair Shot」という新たな取り組みの一部として発表された。

この取り組みは、学生アスリートのNIL(名前、イメージ、肖像権)活用における男女間の格差を是正することを目的としている。

NCAAは最近規則を改訂し、学生アスリートに自らのNILを活用したビジネス(グッズ販売やエンドースメント契約など)を認めたが、H&R Blockの調査によれば、これまで学生アスリートがNIL活用によって得た報酬の67.4%が男子学生に支払われていたという。

女子学生アスリートの報酬を拡大するべく、「A Fair Shot」では、女子学生に対して総額100万ドル(約1億1500万円)のエンドースメント契約を結ぶ予定だ。

それに加えて、H&R Blockの専門である納税準備サービス(確定申告など)も契約を結んだ女子学生に提供するという。

同社のジェフ・ジョーンズ社長は「大学のNIL契約ですでに格差が広がっているのを見たとき、私たちは女子学生アスリートが公平にチャンスを得られるよう支援しなければならないと思いました」とコメント。

今回エンドースメント契約を結んだジア・クック(サウスカロライナ大)は「アスリートたちは、大学でスポーツをすることを考えるとき、財政やNILについて考え始める必要があります。H&R Blockが私に教えてくれたことは、私たちは自分たちを中小企業のように考え始める必要があるということです」と語った。

参考文献:
https://www.espn.com/womens-college-basketball/story/_/id/33399888/caitlin-clark-zia-cooke-headline-1-million-nil-initiative-targeting-inequities-women-college-athletes
https://www.hrblock.com/womens-equity-in-college-sports/

OneTeamとFanaticsが業務提携:「Compass」の機能拡大

2021年10月、カレッジスポーツ代理店大手のLearfieldが傘下に持つライセンシング会社Collegiate Licensing CompanyはOneTeam Partnersとの業務提携を発表した。

この業務提携の主な目的は、学生アスリートが自らの名前や肖像権を活用して収益を上げるために便利なプラットフォーム「Compass」を立ち上げることであった。

Compassは、学生アスリートが参加できるビジネス(トレーディングカード制作、ビデオゲーム制作、ユニフォーム販売等)を企業が提案した際に、それを学生アスリートに通知すると同時に、大学側にも学生アスリートが現在どのようなビジネス活動を行っているかを追跡する機能を提供している。

さらに、その数か月後の2022年2月、OneTeam PartnersはFanaticsとも業務提携を締結。

これに基づいて、Compassに登録した(自らの名前・肖像権の使用を許可した)学生アスリートのユニフォーム(選手の名前と背番号入り)は、Fanaticsが運営するウェブサイト・店舗で購入可能となった。

名前・背番号入りユニフォームの売上の一部は、その選手に還元されることになる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/oneteam-clc-nil-ncaa-licensing-platform-college-athletes-endorsements/
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-oneteam-ncaa-college-football-licensing-deal-nil-merchandise/

NCAAが新憲章を可決②ディビジョン1とNIL問題

前回お伝えした通り、新憲章によってNCAAの各ディビジョンは別々に運営されることとなった。

NIL問題(学生が自らの名前や肖像を活用して収益を得ること)に関しても、各ディビジョンにガイドライン作成が委ねられた。

ディビジョン2とディビジョン3ではスポーツは他の課外活動と同じように扱われる。学生アスリートが全国的な注目を浴びることも稀で、NILを通じて大きな収益を上げることもあまりないだろう。

しかし、ディビジョン1では状況が大きく異なる。すでに複数の学生がエンドースメント契約を結んでおり、なかには100万ドル(約1.1億円)近くの収益を上げている学生もいるという。

ディビジョン1は、体育局長や大学学長などによって構成される「改革委員会」を立ち上げ、今後6〜7カ月にわたって毎週ミーティングを開催することを決めた。

・所属する大学(350校)が平等に利益を受け、競技力が均衡するためにはどうするべきか。
・有望な選手が特定の大学に偏るような状況を防ぐためにはどうすればよいか。
・NILにはどのような制約が必要か。契約数や収入の上限は設けるべきか。
・NCAAのブランドを守るために禁止すべきことは何か(アルコールやギャンブル関係のエンドースメント契約は禁止すべきか)。

おそらくこういった内容についての協議を重ね、2022年8月をめどに新規則の内容を固めていくという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ncaa-new-constitution-emmert-college-sports-conferences/
https://bleacherreport.com/articles/2946352-the-biggest-and-most-notable-nil-deals-in-college-football-so-far

NCAAが新憲章を可決①独占的な役割縮小へ

1月20日、NCAAの新憲章が可決された。

これまでNCAAは、さまざまな規則を独占的に定める組織として大きな力を持っていたが、新憲章によってその役割が縮小されていくこととなった。

今後は各大学およびカンファレンスにより多くの権限が与えられる。

また、NCAAの各ディビジョン(ディビジョン1、ディビジョン2、ディビジョン3)はそれぞれが独自の規則を持ち、別々に運営されるようになる。これはNCAA運営において、大きな変更だ。

新憲章では、学生が大学から直接報酬を受け取ることは引き続き禁止されているが、学生が自らの名前、イメージ、そして肖像(いわゆる「NIL」)を活用して収益を上げることに関しては各大学の判断に委ねられることとなった。

NCAA会長のマーク・エマート氏は、今回の決定を「独立宣言」と称し、アメリカのカレッジスポーツにとって「大きな変化の瞬間」であると表現した。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ncaa-new-constitution-emmert-college-sports-conferences/

Big 12、4校の新規加盟校を承認

Photo Source: Texas Tech Athletics

カレッジスポーツ界の動きが慌ただしい。

7月29日、テキサス大とオクラホマ大がBig 12を脱退しSECに加入することが決定すると、その約1か月後、ACC、Big Ten、Pac-12が「歴史的な提携」を結んだ。

そして、先週10日、今度はBig 12が加盟校を追加する決定を下した。

今回Big 12への加入が明らかになったのは、シンシナティ大、ヒューストン大、セントラルフロリダ大、ブリガム・ヤング大(BYU)の4校。

Big 12は創設当時から人気を支えてきたテキサス大・オクラホマ大の脱退によって存続が危ぶまれていたが、委員会を設置し対策を講じ迅速な対応を取った。

Big 12コミッショナーのボブ・ボウルズビー氏によれば、BYUは2023-24年シーズンから、他の3校は2024年7月までには加盟が完了する予定だという。

なお、BYU以外の3校が現在所属しているアメリカン・アスレチック・カンファレンス(AAC)の規約では、脱退の条件として「27ヶ月前に通知すること」「1000万ドルの移籍金を支払うこと」を定めている。

これらを踏まえ、移籍の時期や移籍金の額などに関して、Big 12、AAC、各大学が最終調整を行うことになる。

参考文献:
https://www.espn.com/college-football/story/_/id/32182361/big-12-votes-accept-adding-byu-cincinnati-houston-ucf-conference