マンUオーナー、クラブ売却に40億ポンド要求

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マンチェスター・ユナイテッド(マンU)は、昨今のスーパーリーグ騒動でファンの怒りを買っているが、その怒りの矛先はクラブオーナーのグレーザー一族に向けられている。

そもそもグレーザー一族とマンUファンの関係は一貫して悪かった。

アメリカ人資産家のグレーザー一族が同クラブを買収したのは2005年。

クラブを単なる投資目的で買収したと考えた地元ファンはこれに大きく反発。市内で抗議デモを行い、新オーナーがスタジアムに入るのを妨害した。

この度のスーパーリーグ騒動は、ファンがグレーザー一族に対してかねてから抱いていた「クラブの伝統を無視した金儲け第一主義」というイメージをより強固なものにしてしまった。

我慢ならない地元ファンは現在グレーザー一族にクラブ売却を要求しているが、当のグレーザー一族にクラブ売却の意思はない。

いくらなら売却を考えるかというメディアの問いに対して、40億ポンド(約6000億円)積まれれば売却を考えると答えたという。

これはグレーザー一族が2005年にマンUを買収した際に支払った額(7.9億ポンド)のおよそ5倍である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/glazers-sell-manchester-united-price-ek-arsenal

アレックス・ロドリゲス氏、ティンバーウルブスを買収へ

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元MLB選手のアレックス・ロドリゲス氏が、元ウォルマート幹部のマーク・ローリー氏と共同でミネソタ・ティンバーウルブスの買収に動いていることが明らかになった。

The Athleticの報道によれば、今回の買収はティンバーウルブス(NBA)とリンクス(WNBA)の両チームが対象となり、買収額は15億ドルほどになる見通しだという。

現オーナーのグレン・テイラー氏は1994年に8800万ドルでティンバーウルブスを買収しており、ロドリゲス氏への売却が成立すれば、大きな利益を手にすることになる。

ロドリゲス氏とローリー氏は、現在30日間の最終交渉に臨んでおり、近く最終的な決定が発表される。

ロドリゲス氏と言えば、昨年ニューヨーク・メッツの買収に動いたが最終的には諦めている。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/minnesota-timberwolves-sale-alex-rodriguez-marc-lore-glen-taylor

NBA、オーナーシップに関する規定を変更か

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今週、NBAがチームのオーナーシップに関する規定を一部変更すると報じられた。

これまでは、裕福な個人やグループ、あるいは企業がNBAチームを所有してきた。

今回報道されている内容が正しければ、今後は機関投資家がチームの所有権の一部を保持することが認められる。

報道されている詳細は以下の通り。

・機関投資家は、最大5チームの所有権を保持できる。
・機関投資家は、一チームの所有権全体の20%以上を保持することはできない(筆頭オーナーにはなれない)。
・NBAチームが複数の機関投資家に所有権を売却する際、売却できる所有権の合計は30%を超えてはならない(複数の機関投資家が協力しても、筆頭オーナーにはなれない)。

近年NBAチームの市場価値は高騰を続けている。現在、平均的なNBAチームの市場価値は約24億ドル(約2500億円)と算出されている。

このままチームの市場価値が上がり続ければ、チーム買収に興味を持つ個人や企業が減少し、競争が緩和され、結果的にチームの市場価値も下落しかねない。

所有権の一部を比較的安価で売却することで、興味を持つ投資家は増加し、競争の原理が働き、市場価値も維持される。これがNBAの狙いだと考えられる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/report-nba-franchises-get-green-light-to-sell-30-of-shares-to-private-equit

アトランタ・ドリームのオーナー辞任へ

Credit: AJC file photo

アトランタ・ドリーム(WNBA)の共同オーナーであるケリー・レフラー氏が、オーナー職から退く手続きを進めていることが明らかになった。

ジョージア州の上院議員(共和党)であったレフラー氏は、2011年からドリームの共同オーナーを務めていたが、2020年にリーグコミッショナー宛に送った「Black Lives Matter(BLM)運動」に関する手紙が原因で大きな批判を浴びた。

WNBAはリーグを挙げてBLM運動を支持していたが、レフラー氏は手紙の中でその方針に反対し、BLM運動を「マルクス主義に基づいて社会を分断する組織」と呼んだ。

これを受けた選手たちは、レフラー氏に対してドリームのオーナーを辞任することを要求。

さらには、今月5日に行われたジョージア州の上院選で、レフラー氏の対立候補であるラファエル・ワーノック氏(民主党)を支持する姿勢を表明した(結果、レフラー氏は落選)。

レフラー氏が持っていたドリームの所有権を誰が買い取るのかは未定だが、ESPNによれば現時点で5人前後の候補者が興味を示しているという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/wnba-atlanta-dream-takeover-kelly-loeffler-mary-brock
https://www.espn.com/wnba/story/_/id/30744823/atlanta-dream-sale-close-being-finalized-wnba-says

Microsoft、eスポーツプラットフォームを買収

先週、MicrosoftがSmash.ggを買収したことが明らかになった。

Smash.ggは、eスポーツの大会を主催および中継する会社で、取り扱うゲームはCall of Dutyや大乱闘スマッシュブラザーズなど多岐に渡る。

近年Microsoftはeスポーツへの関わりを強めており、今回の買収はそれを加速させる意味合いがある。

今回の買収に関して、Smash.gg側は「eスポーツコミュニティをさらに勇気づけ、Smash.ggの利用者や規模を拡大する。そういった可能性を感じ、興奮しています」とコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/microsoft-buys-smashgg-esports-gaming

「バイデン大統領」は米スポーツ界にどのような影響を及ぼすか②

前回の投稿では、アメリカ大統領選の結果がプロスポーツチーム売却に影響を及ぼす理由について解説した。

実際、今年10月末にユタ・ジャズが売却された際、多くの専門家はこれを「バイデン氏勝利の可能性を考慮した上での売却」と推察した。

ジャズ新オーナーのライアン・スミス氏(Photo Credit: Getty Images)

ジャズ前オーナーのラリー・ミラー氏は、1980年代に総額2400万ドルで同チームを買収した。それからチームの価値は上がり続け、現在ジャズの価値は16.6億ドルと算出されている。

実際にジャズがいくらで売却されたのかは明らかになっていないが、ミラー氏はかなりの資本利得(Capital Gain)を手にしたはずだ。

Sports Business Journalによれば、資本利得にかかる税金として、ミラー氏は3億ドルほどを国に納めたと見られる。

仮にバイデン氏が提言している税率を用いた場合、この額は6億ドルほどになる。言い換えれば、ミラー氏はトランプ氏が大統領であるうちにチームを売却したことで、3億ドルを節税したのである。

同様に、ニューヨーク・メッツも売却がほぼ成立している(売却額:24.2億ドル)。仮にすべての手続きが今年中に終われば、4億ドルほどの節税につながる。

他にも、バイデン氏は相続税の増税にも言及しており、これは特に高齢化が顕著なNFLのオーナーにチーム売却を考えるきっかけを与えそうである。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/11/09/Law-and-Politics/Election-teams.aspx

「バイデン大統領」は米スポーツ界にどのような影響を及ぼすか①

Photo Source: BBC.com

報道によれば、アメリカ大統領選挙は、バイデン氏の当選が確実となった。この結果はスポーツ界にどのような影響を及ぼすのだろうか。

一部関係者によれば、バイデン大統領誕生までに、プロチームの売却が頻発する可能性があるという。それはなぜか。

民主党に所属するバイデン氏は、富裕層への課税強化を推進すると見られる。

たとえば、資本利得(Capital Gain)に対する税率を最大20%から39.6%まで引き上げることを提案している。

資本利得というのは、購入した資産(株式や不動産など)の価値が上昇することによって生まれる利益である。単純化すれば、資産の購入価格と売却価格の差が資本利益となる。

そしてこの資産にはスポーツチームも含まれる。しかも、スポーツチームはかなり優秀な資産である。

Forbesの査定によれば、プロチームの年平均成長率(CAGR)は、NBAが約19%、MLBが約14.2%、NFLが約11.6%だという。これだけ成長率の高い資産はなかなかない。

つまり、長年所有していたチームを売却するときには、大きな資本利得が生まれるということである。

しかし問題はそれにかかる税金である。これが20%か39.6%によって、何百、何千億円という差が生まれかねない。

「そうなる前にチームを売却しよう」。そう考えるオーナーも少なくないのではないか。これが、「プロチーム売却が頻発する」と予想する根拠である。

(次回は具体的な事例を見ていきます)

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/11/09/Law-and-Politics/Election-teams.aspx

Adidas、Reebok売却を検討中

AdidasがReebokの売却を検討していることが明らかになった。今後数ヶ月のうちに最終的な決定を下すという。

Adidasは2005年に38億ドルでReebokを買収したが、2016年にカスパー・ローステッド氏がAdidasのCEOに就任してからは常に売却の噂があった。

現在Adidasはコロナウイルスの影響で収益を大きく減らしている。2020年第2四半期の売上は前期比34%減、Reebokだけを見ると42%減であった。

Reebokの売却が成立すればAdidasは財務状態を改善することができる。

報道によれば、VF Corporation(TimberlandやThe North Faceの親会社)などがReebokの買収に興味を示しているという。

売却額は23億ドルほどになると推定されており、そうなれば15年前にAdidasが支払った金額を大きく下回ることになる。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/adidas-reebok-sale-kasper-rorsted-vf-corporation-anta-international

MLS、3クラブが売却交渉中

Photo: Getty Images

現在MLSは、3つのクラブが同時に売却交渉を行っている。

まず、以前解説した通り、レアル・ソルトレイクは前オーナーの問題発言が発端となり「クラブを先に進めていく上で最善の手段」という名目で売却が発表された。

オーランド・シティSCは、現オーナーがそもそも投資目的でクラブを所有していたという背景がある。2015年に7000万ドルで手に入れたクラブは、現在3億ドル近い価値があると算出されている。

ヒューストン・ダイナモは、NBAのスター選手ジェームズ・ハーデン氏が昨年オーナーグループに加わったばかりだが、筆頭オーナーのブレナー氏が所有権の売却を検討していることが明らかになった。

3クラブが売却に至った経緯は異なるが、今が売却のいいタイミングであることは共通している。

たとえば、MLSは2022年に新しい放映権契約を結ぶ。業界のトレンドから予測すると既存の契約よりも大きな契約になると考えられる。

2026年には、北米3か国共催のFIFAワールドカップが開催される。これによってアメリカ国内のサッカー人気が高まる可能性がある。

拡大するMLS人気とこれらの将来性を合わせると、MLSクラブの価値が今後さらに上がることも十分に考えられる。したがって、今売却を持ち掛ければ買収に乗り出す資産家が多く存在するのである。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/10/19/Leagues-and-Governing-Bodies/MLS.aspx
https://www.forbes.com/sites/chrissmith/2019/11/04/major-league-soccers-most-valuable-teams-2019-atlanta-stays-on-top-as-expansion-fees-sale-prices-surge/#77fb06a151b5

Fanatics、Vetta Brandsを買収

Photo By Steve Gooch, The Oklahoman

Fanaticsは、スポーツアパレル会社のVetta Brandsを買収した。

Vetta Brandsは、カレッジスポーツのキャップ製造大手であるTop of the Worldの親会社である。

この買収によって、Fanaticsは、Vetta Brandsが持つアパレル(特にキャップ)製造技術・施設と600を超える大学のライセンス(グッズを製作する権利)を手に入れることになる。

一方で、Top of the Worldはコロナウイルスの影響で8月から施設の稼働を止めており、200人の従業員を解雇していた。今回の買収によって、負債を返済しグッズ生産を再開することができる。

今回の買収は両社にとってメリットがあるものと言えるだろう。

Top of the Worldはオクラホマ州に巨大な倉庫を保持しており、ここが今後Fanaticsのキャップビジネスの拠点となるという。

コロナ禍にあってもFanaticsの勢いは衰えを知らない。

同社のネット販売の取引は今年に入ってから30%増加し、先月には3億5000万ドル分の資金を新たに調達している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-vetta-brands-assets-top-of-the-world-headwear-college-sports
https://www.sportspromedia.com/news/fanatics-valuation-funding-round-merchandise-nfl-mlb