アンダーアーマー、シンシナティ大学との契約を破棄

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アンダーアーマーがシンシナティ大学と結んでいた10年総額5000万ドル(約52億円)のスポンサー契約を破棄することが明らかになった。

この契約は2015年に締結されたもので、アンダーアーマーはシンシナティ大学に毎年100万ドルのスポンサー料と300万ドル相当の用具を提供することになっていた。

近年アンダーアーマーの財務状態は厳しく、様々なコストカットを試みている。

たとえば、今年6月にはUCLAとのスポンサー契約も破棄し、これに対してはUCLAが訴訟を起こしている

Baltimore Business Journalによれば、アンダーアーマーとシンシナティ大学は契約破棄に関して対立はしておらず、元々の契約に含まれていた契約破棄に関する合意に従うことになるという。

具体的には、「2021年末まで365万ドル相当の用具を提供し続ける」、「解約手数料として975万ドルを2022年4月まで支払うこと」という2点がアンダーアーマーに義務づけられるという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/under-armour-university-of-cincinnati-college-sport-sponsorship

セルティックス、ユニフォームスポンサーを変更

ボストン・セルティックスは、2017年にゼネラルエレクトリック(GE)と3年2100万ドルの契約を結び、同社のロゴをユニフォームに付けてきた。

AP

その契約は今年失効するが、セルティックスはGEとの契約は延長せず、代わりにVistaprintと新たなユニフォームスポンサー契約を結んだ。

Vistaprintはボストンに本社を置くeコマースの会社である。

この契約にはセルティックスだけでなく、セルティックスが所有するGリーグチームとeスポーツチームのユニフォームに関する権利も含まれるという。

つまり、Vistaprintのロゴは今後3チームのユニフォームに付けられるということである。

さらにVistaprintは、セルティックスが運営する基金や社会正義活動にも積極的に携わり、逆にセルティックスはVistaprintが20年以上取り組んでいる中小企業の支援活動に協力するという。

NBAのユニフォームスポンサーシップは2017年に始まり、最初の契約が今年一度失効する段取りとなっている。

セルティックスのほかには、デンバー・ナゲッツがもともとユニフォームスポンサーであったWestern Unionとの契約を延長すると発表している。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/boston-celtics-jersey-patch-sponsor-vistaprint-general-electric
https://www.sportspromedia.com/news/denver-nuggets-jersey-patch-sponsor-deal-western-union-nba-kroenke

マーチ・マッドネス、全試合をインディアナポリスで開催か

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NCAAが男子バスケットボールの全米トーナメント(通称「マーチ・マッドネス」)の全試合をインディアナポリスで開催することを検討していることが明らかになった。

当初の予定では全米13都市で試合を行う予定だったが、コロナウイルス感染防止のために全試合を一か所で開催する可能性が出てきた。

試合会場、練習場、宿泊施設、医療施設などをすべて一か所に集めることになるが、これはNBAがすでに前例をつくっている。

また、試合日程には変更がないので、試合中継(および放映権契約)にも深刻な影響はないだろう。

しかし、マーチ・マッドネスならではの問題もある。

たとえば、プロスポーツと違い、カレッジスポーツは選手が学生であり、授業に出席する必要がある。

現在はオンライン授業も多く提供されているが、1月から始まる新学期では対面授業を再開する大学も多い。

例年であれば、試合の合間に少しでも大学に戻って授業に参加できたが、宿泊施設から自由に出られなくなれば、トーナメント中すべての授業を欠席することになる。

学業との両立を謳っているNCAAとしては頭を悩ませるところだろう。

しかし、昨年マーチ・マッドネスを中止にしたことで莫大な損失を被ったNCAAとしては、2年連続の中止は避けたいところ。

最終的にどのような形での開催になるのか、注目である。

ちなみに、レギュラーシーズンは来週開幕する予定である。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/ncaa-march-madness-2021-indianapolis-host-college-basketball-covid-19

「バイデン大統領」は米スポーツ界にどのような影響を及ぼすか②

前回の投稿では、アメリカ大統領選の結果がプロスポーツチーム売却に影響を及ぼす理由について解説した。

実際、今年10月末にユタ・ジャズが売却された際、多くの専門家はこれを「バイデン氏勝利の可能性を考慮した上での売却」と推察した。

ジャズ新オーナーのライアン・スミス氏(Photo Credit: Getty Images)

ジャズ前オーナーのラリー・ミラー氏は、1980年代に総額2400万ドルで同チームを買収した。それからチームの価値は上がり続け、現在ジャズの価値は16.6億ドルと算出されている。

実際にジャズがいくらで売却されたのかは明らかになっていないが、ミラー氏はかなりの資本利得(Capital Gain)を手にしたはずだ。

Sports Business Journalによれば、資本利得にかかる税金として、ミラー氏は3億ドルほどを国に納めたと見られる。

仮にバイデン氏が提言している税率を用いた場合、この額は6億ドルほどになる。言い換えれば、ミラー氏はトランプ氏が大統領であるうちにチームを売却したことで、3億ドルを節税したのである。

同様に、ニューヨーク・メッツも売却がほぼ成立している(売却額:24.2億ドル)。仮にすべての手続きが今年中に終われば、4億ドルほどの節税につながる。

他にも、バイデン氏は相続税の増税にも言及しており、これは特に高齢化が顕著なNFLのオーナーにチーム売却を考えるきっかけを与えそうである。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/11/09/Law-and-Politics/Election-teams.aspx

「バイデン大統領」は米スポーツ界にどのような影響を及ぼすか①

Photo Source: BBC.com

報道によれば、アメリカ大統領選挙は、バイデン氏の当選が確実となった。この結果はスポーツ界にどのような影響を及ぼすのだろうか。

一部関係者によれば、バイデン大統領誕生までに、プロチームの売却が頻発する可能性があるという。それはなぜか。

民主党に所属するバイデン氏は、富裕層への課税強化を推進すると見られる。

たとえば、資本利得(Capital Gain)に対する税率を最大20%から39.6%まで引き上げることを提案している。

資本利得というのは、購入した資産(株式や不動産など)の価値が上昇することによって生まれる利益である。単純化すれば、資産の購入価格と売却価格の差が資本利益となる。

そしてこの資産にはスポーツチームも含まれる。しかも、スポーツチームはかなり優秀な資産である。

Forbesの査定によれば、プロチームの年平均成長率(CAGR)は、NBAが約19%、MLBが約14.2%、NFLが約11.6%だという。これだけ成長率の高い資産はなかなかない。

つまり、長年所有していたチームを売却するときには、大きな資本利得が生まれるということである。

しかし問題はそれにかかる税金である。これが20%か39.6%によって、何百、何千億円という差が生まれかねない。

「そうなる前にチームを売却しよう」。そう考えるオーナーも少なくないのではないか。これが、「プロチーム売却が頻発する」と予想する根拠である。

(次回は具体的な事例を見ていきます)

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/11/09/Law-and-Politics/Election-teams.aspx

バルセロナ、楽天との契約延長

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バルセロナは、楽天とのユニフォームスポンサーシップの契約を一年間延長することを発表した。

この契約は、2016年に年間5500万ユーロ(約67億円)の内容で合意されたもの。

今シーズンをもって失効する予定であったが、当初の契約に含まれていた「一年間の契約延長オプション」をバルセロナが行使した。

これにより、2022年6月末まで楽天がバルセロナの胸スポンサーになることが決定した。

バルセロナと楽天は、今回の契約延長がコロナ禍に決定したことの意義を強調し、また、コロナ収束後の時代を見据えた契約内容になっているとコメントした。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/barcelona-shirt-sponsor-rakuten-extension-2022

ユベントスTV、Amazon Prime Videoに登場

ユベントスは、Amazon Prime Videoに独自のチャンネルを立ち上げることを発表した。ヨーロッパのサッカークラブとしては初めての試みとなる。

新チャンネルの名前は「ユベントスTV(Juventus TV)」。選手やスタッフの独占インタビューなどのコンテンツが視聴できる。

ユベントスは、2018年に同様のサービスをNetflix等で提供していたが、今回はAmazonのプラットフォームを使うことになった。

なお、視聴にはAmazon Prime会員になることに加え、月3.99ユーロの追加料金が必要になる。

ユベントスTVは、イタリア以外にも、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、日本などで視聴可能である。

この試みには、ユベントス側の「ファン拡大」「収入源を増やす」といった狙いもあるが、Amazon側の「スポーツコンテンツの充実」「登録者数増加」といった目的もある。

また、現地の報道によれば、AmazonはイタリアにおけるUEFAチャンピオンズリーグの放映権の獲得にも動いているという。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/juventus-tv-amazon-prime-video-champions-league-rights

NBA、スポンサーシップに関する制限を解除

先週ESPNは、NBAの収入が昨シーズン比で10%減であったと報道した。特にチケット収入は8億ドル(約838億円)減であったという。

これを受けてNBAは、各チームの収入増を手助けするために、スポンサーシップに関する制限をいくつか解除することを決定した。

たとえば、「床スポンサーシップ」は、これまでサイドライン付近にのみ許されていたが、ゴール付近も利用することができるようになる(ただし、現時点では、全国放送のない試合に限られている)。

また、これまでは2社に限られていたグローバルスポンサーシップの契約を3社まで許可する。

八村選手が所属するワシントン・ウィザーズのように特定の海外市場で注目の高いチームは収入増の機会となる。

さらに、ハードリカー(アルコール度数の高いお酒)やカジノ、スポーツ賭博業者など、これまではチームごとの契約が制限されていたスポンサーシップカテゴリーも完全解禁される。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-sponsorship-inventory-alcohol-casino-betting-partners-covid-19

NBA、スポーツ賭博業者2社と契約延長

Photo Source: Sportradar

NBAは、スポーツ賭博業者のGenius Sports Group(GSG)とSportradarと結んでいた契約を延長した。

2社が果たしている役割は、NBAから受け取った公式試合データをアメリカ国内のカジノやブックメーカーに流通させること。試合データはその後オッズを決める際などに使用される。

他の北米プロリーグも同様の契約を結んでいるが、契約内容は異なる。

たとえばNHLは、今年8月、Sportraderと10年2.5億ドル(約261億円)の独占契約を結んだ。独占契約にすることで、NHLは契約の価値を高め、一つの契約から多額の契約金を得ることに成功した。

NBAは対照的で、20社以上のスポーツ賭博業者と業務提携を結んでいる。この戦略は「一つ一つの契約が小さくなる」、「契約の管理が大変になる」といった短所がある一方で、「公式試合データがより広域に行き渡る」、「一つの業者に頼る必要がなくなる(リスク分散)」といった長所もある。

参考文献:
https://www.sportspromedia.com/news/nba-genius-sports-sportradar-betting-data-deals-extension-wnba
https://www.sportico.com/business/sports-betting/2020/nbl-sportradar-deal-1234610724/

アルミ会社のユニークなスポンサー契約

Photo Credit: Ball Corporation

アルミニウム製品を生産するBall Corporationは、Kroenke Sports and Entertainment (KSE)を通して、国やリーグを超えた複数のプロチームと同時にスポンサー契約を結んだ。

まず、デンバー・ナゲッツ(NBA)やコロラド・アバランチ(NHL)などが利用するアリーナのネーミングライツを購入。それまでPepsi Centerとして知られていた施設名をBall Arenaに変更した。

また同アリーナでは、2022年をめどにプラスチック製のカップを廃止し、リサイクル可能なアルミ製のカップに移行するという計画を発表した。

次に、ロサンゼルス・ラムズ(NFL)とアーセナルFC(EPL)とも業務提携を締結。それぞれの本拠地でBall Corporationが製造するリサイクル可能なアルミ製品を導入することで合意した。

さらに、両チームは環境問題に関するイベントや地域貢献活動をBall Corporationと共同で展開するという。

これだけのチームが絡むスポンサー契約は非常に稀である。これはひとえに、KSEのオーナー、スタン・クロンケ氏が上記の4チームすべてを所有していることのおかげと言えるだろう。

契約金は明らかになっていないが、デンバーの契約は10年契約、他チームとの契約は5年契約であると報じられている。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/10/26/Marketing-and-Sponsorship/Denver-Ball.aspx
https://www.sportspromedia.com/news/ball-corporation-kse-rams-nuggets-arsenal-pepsi-center-naming-rights-deal