Q. 最後に、スポーツビジネスに携わる上でなぜ人種問題を理解しなくてはいけないのか教えてください。
A. 理由は大きく2つあります。
まず、先述したように、人種問題への理解が乏しいとそれが原因で様々な問題が起こります。
実際、多くのスポーツ関係者が人種差別的な言動をしたとして公に謝罪をしたり、減給されたり、解雇されたりしています。こういった事態を避けるためには、人種問題に対する深い理解が必要です。
次に、人種問題への深い理解は、効率的なスポーツ組織運営を助けます。
たとえば、私が20人のスタッフを雇って、新しくビジネスを始めるとします。ここで白人だけを雇ったらどうなるでしょう。おそらく同じような経験と考え方をもった集団になってしまいます。そのような状況で問題を解決しようとしても画期的なアイデアはなかなか生まれません。
一方で、マイノリティを雇っていれば、育ってきた環境や経験、交友関係も大きく異なります。結果として、様々な切り口と新鮮な意見を得ることができます。
アメリカでは2050年までに白人の割合が50%を切ります。人種的多様性は社会の大きな一部であり、スポーツ業界の大きな一部なのです。
スポーツビジネスに携わる人々には、「あらゆる人種は平等な機会が与えられるべき」という社会的な視点だけでなく「人種的多様性はビジネスに役立つ」という経営的な視点からも人種問題の理解を深めていってほしいですね。
Dr. Turickのインタビューは以上です。「もし追加で質問があれば、いつでもどうぞ」と言ってくださったので、Dr. Turickに質問のある方はコメント欄にてお知らせください。お読みいただきありがとうございました!