
先週23日、アディダスは、同社が提携するNCAAディビジョン1の109校に所属する5万人以上の学生アスリートを対象にした新NILプログラムを発表した。
*NILとは、名前(Name)、イメージ(Image)、肖像(Likeness)の略で、現在、特にカレッジスポーツ業界で最も重要な用語の一つである。
このプログラムに参加することで、学生アスリートはアディダスの宣伝活動(SNSでの情報発信など)を行い、その効果に応じた収益を手にすることができる。
NCAAが学生アスリートのビジネス活動を解禁して以来、企業(H&R Block等)や実業家(ダン・ランバート氏等)、そしてスポーツチーム(アトランタ・ブレーブス等)が特定の選手とエンドースメント契約を結んできた。
一方で、アディダス担当者のジム・マーフィー氏によれば、同社は「個々のエンドースメント契約だけでなく、より大きなスケールで何かできないかと考え始めました」と語っている。
また同氏によれば、この取り組みは学生に金銭的な報酬を提供すること自体が目的ではなく、それによってより公平で多種多様な人が活躍できるスポーツ界をつくることが最終目標だと強調した。
たとえば、このプログラムは段階的に拡大される予定だが、最も早く参加が許されるのは人気の高い5つのカンファレンス(いわゆるPower Fiveカンファレンス)とHBCU(歴史的に黒人の多い大学)になる。
また、今年は「タイトルIX」(教育機関における男女の機会均等を定めた法律)の成立50周年にあたる年であり、アディダスはスポーツ界における男女平等を訴える種々の取り組みを展開している。
このように、アディダスは新NILプログラムを人種・男女平等に貢献する取り組みとして位置付けているのである。
参考文献:
https://www.si.com/college/2022/03/23/adidas-name-image-likeness-network