
2014年に元カレッジフットボール選手のショーン・アルストン氏が起こした、いわゆる「アルストン訴訟」では、学生アスリートが大学から受け取ることのできる便益が争点となった。
それまでNCAAが認めていたのは奨学金とその他の受講料のみ。
これに関して原告側は「NCAAの規則は独占禁止法に違反している。どのような便益を学生アスリートに与えるかは各大学が自由に決定できるはずだ」と主張した。
2019年3月、カリフォルニア州の地方裁判所は、原告側の主張を概ね支持。
学生アスリートに与えられる便益を大学教育に関係する品々(コンピューター、科学器具、楽器など)まで拡大するべきという判決を下した。
NCAAはこの判決を不服として控訴したが、2020年5月、控訴審が第一審の判決を支持した。
ここまではオバノン訴訟と同じ流れだが、違うのはここから。
控訴審の判決にも納得のいかないNCAAが上告をしたところ、最高裁がこれを審議すると発表したのである。
オバノン訴訟ではNCAAの上告を棄却した最高裁が、なぜ今回は受け入れたのか。そこにはどのような意図があるのだろうか。
つづく。
参考文献:
https://www.si.com/college/2018/09/04/alston-v-ncaa-trial-news-updates-ncaa-cost-attendance
https://www.espn.com/college-sports/story/_/id/29191519/appeals-court-upholds-ruling-colleges-pay-all-ncaa-athletes-education-expenses