カレッジスポーツのNIL問題が大きな注目を浴びるきっかけとなったのが、エド・オバノン氏が2009年に起こした訴訟である。
この訴訟で問題となったのが、NCAAによる学生アスリートの名前・肖像の商用利用(ビデオゲーム制作など)であった。
「NCAAは選手の名前・肖像を使って収益を上げていながら、それを一切選手に還元していない。これは反トラスト法・独占法違反だ」というのが原告の訴えである。
2014年、カリフォルニア州の地方裁判所は原告の訴えを認めた。その後NCAAは控訴・上告したが、最後まで判決が変わることはなかった。
このオバノン訴訟を契機に、NCAAの規則に関する訴訟が続いた。
その代表的なものがショーン・アルストン氏の起こした訴訟で、こちらもカリフォルニア州の地方裁判所が舞台となった。
そしてこの「アルストン訴訟」こそ、現在アメリカスポーツ業界で話題となっている訴訟なのである。
つづく。
参考文献:
https://www.lexisnexis.com/community/casebrief/p/casebrief-o-bannon-v-ncaa
https://www.washingtonpost.com/politics/courts_law/supreme-courtncaa/2020/12/16/90f20dbc-3fa9-11eb-8db8-395dedaaa036_story.html