前回はNBC Sports Network(NBCSN)閉鎖の背景にあるメディア界の大きな流れについて解説した。
今日は、その流れをよりよく理解する一例としてNBCSN閉鎖の詳細を見ていきたい。
NBCSNは現在NHL、NASCAR、プレミアリーグ、IndyCarといったスポーツリーグ・イベントの放映権を保持しているが、今後その一部は姉妹チャンネルのUSA Networkに移される。
USA Networkは8600万世帯で視聴されている人気チャンネルで、ニュース、ドラマ、映画、スポーツなど様々な番組を手広く放送している。
親会社のNBCUniversalとしては、NBCSNのコンテンツをUSA Networkに統合することで視聴者数をさらに増やすことを期待している。
さらに、NBCUniversalは2020年7月にPeacockというストリーミングサービスを開始しており、NBCSNのコンテンツの一部はこちらにも移される。

LHB Sportsのリー・バーク氏は「ここ20~30年、スポーツ専門チャンネルの人気拡大に伴い、スポーツコンテンツはスポーツ専門チャンネルに集中していきました。それが今ストリーミングに移行しつつあるということです」と説明する。
ストリーミングの魅力は「好きな時に、好きなものを、好きなだけ」見られることにある。契約者を増やすためには、見られるコンテンツを充実させる必要がある。
NBCSNが現在保有しているスポーツコンテンツは、その目的を果たすためにうってつけである。
参考文献:
https://www.nbcsports.com/chicago/nbc-sports-network-will-shut-down-nbc-sports-chicago-not-impacted
https://www.cnn.com/2021/01/22/media/nbc-sports-network-shut-down/index.html