
コロナウイルスが世界中に蔓延し始めたころ、eスポーツ団体はいち早く手を打った。
ロックダウンが始まってから、45%のeスポーツイベントが延期、32%がオンラインに移行、そして24%が中止となった。これによって、ライブイベントを主催していたeスポーツ団体は大きな打撃を受けた。これは他のスポーツと共通する部分である。
一方で、現在eスポーツ産業は、他のスポーツには見られない速度で拡大している。
たとえば、パンデミックの前後で、パソコンゲームのアクティブ・ユーザーは46%、モバイルゲームのアクティブ・ユーザーは17%、消費者がモバイルゲームに費やす金額は24%、それぞれ増加した。
eスポーツの観戦者も増えている。
eスポーツの開発社のなかで最も観戦されているのはRiot社(League of Legendの開発元)で、2020年3月時点での観戦時間は累計で約5億時間であった(Valve社が3.5億時間、Epic社が2.9億時間)。
特に、League of Legendヨーロッパ選手権の観戦時間は3200万時間で、これは前回よりも470万時間も多かった。
プラットフォーム別で見ると、2020年3月時点での累計観戦時間はYouTube Gamingが11億時間、Facebook Gamingが5億時間を記録した。
最も成功を収めたのはAmazonが所有するTwitchで、累計観戦時間は30億時間。これは前期比17%増で、同社が四半期に記録した観戦時間としては過去最高である。
このように、ゲームそのものへのニーズ、eスポーツコンテンツの人気、そしてeスポーツを観戦するプラットフォームの認知度がそれぞれ高まっていることが、現在のeスポーツ産業の拡大を支えていると言えるだろう。