Q. それでもアスリートが政治的なメッセージを発することには賛否両論ありますね。
A. 数年前、レブロン・ジェームス選手が社会問題に関する発言をした際、Foxニュースのローラ・イングラハムというキャスターは「Shut up and dribble(黙ってドリブルしろ)」と言いました。
このような発言はしばしば耳にしますが、これは「アスリートは政治的な発言をするべきではない」という考えから生じるものです。
スポーツが果たす重要な役割の一つは、実社会の問題やストレスを忘れる機会を与えることです。
たとえば、現在、コロナウイルスの影響で多くの人が不安やフラストレーションを抱えています。人々は、そういった問題から一瞬でも解放されたくて、スポーツイベントの再開を心待ちにしています。
しかし、この社会には、生まれてからずっと大きな不安や恐怖、ストレスに苦しめられている人々がいます。それもただマイノリティというだけで。
そういった人々の苦しみを無視して、なぜ多数派の息抜きを優先しなくてはいけないのか。すべての人が平等にスポーツを楽しめる社会にすることが先決ではないか。
これが政治的な動きに参加するアスリートたちの立場です。