Dr. Turickインタビュー⑥アスリートの影響力

Q. プロ選手に関してはいかがでしょう。

A. プロ選手も積極的に政治的なメッセージを発信していますよね。

たとえば、WNBAのマヤ・ムーア選手は世界最高のバスケットボール選手の一人ですが、今はバスケットボールではなく、社会問題に取り組むべきだとしてリーグ戦不参加を表明しています。

Q. プロ選手にとってスポーツは仕事であり、所属チームに対する責任もありますよね。その責任よりも、社会問題を解決する責任感を優先するわけですか。

A. その通りです。どんなトップ選手であっても、マイノリティであれば、マイノリティとしての扱いを受けた経験があります。同じ境遇の家族や友人がどのような思いをしているかを理解しています。彼ら・彼女らが感じる責任感はそうした実体験に根差しているのです。

そして有名人としてのステータスを確立したトップ選手は、多くのメディアや人々から注目を集めることができます。同じことを言っていても、一般人であれば無視されることも、彼ら・彼女らが言えば人々は耳を傾けるわけです。それなら自分には声を上げる責任があるだろう。そう感じるわけです。

象徴的な例があります(これはまたカレッジスポーツになってしまいますが)。

数年前、ミズーリ大学では学生が学長の辞職を求めて抗議活動を行いました。大学構内で人種差別的な事件が多発したにも拘わらず、何の対処もしなかったからです。しかし、数か月に及ぶ抗議活動を受けても、学長は辞職を否定し続けました。

そこで、同大学のフットボールチームが動きました。練習・試合の不参加を表明したのです。するとどうでしょう。2日もしないうちに学長は辞職を発表したのです。

何か月にも渡る学生の抗議運動を意にも介さなかった学長が、フットボールチームが動いた途端すぐに辞職した。これがアスリートの影響力です。

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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