
MLBは、今月23日に2020年シーズンを開幕するが、マイナーリーグ(MiLB)はすでに全試合中止を発表している。
テレビ放映やスポンサーシップから多くの収入を得ているMLBと異なり、MiLBは収入のほとんどを試合会場で得ている(チケット、飲食、グッズ、駐車場など)。
全試合が中止になるというのは、そういった収入を上げる機会が奪われることを意味する。
もちろんスポンサーシップ収入もあるが、MiLBの場合、地元の中小企業と小規模のスポンサー契約を結んでいることが多く、その場合、スポンサー企業のほうもコロナウイルスの影響を受けており、スポンサー料が払えなくなるケースもある。
チームによっては、大学野球の試合や少年野球の合宿、さらには結婚式といったイベント用にスタジアムを貸し出すことで臨時収入を得ているが、その規模は限られている。
一方で、多くのMiLBチームは、連邦政府から救済支援ローンを受け取ることが認められた。これによりリーグ全体で5515人の職が守られるというが、その効果も夏いっぱいで尽きると見られている。
この苦しい状況のなか、MiLBチームの運営をさらに複雑にしているのがMLBとの関係である。
以前の投稿で解説した通り、現在MLBはMiLBの構造改革を検討しており、場合によっては40以上のMiLBチームが消滅することになる。
コロナウイルスの影響でこの件は現在保留となっているが、MiLBチームのオーナーやスポンサーの頭の片隅には常に存在し、意思決定に影響を与えている。
たとえ、「今が踏ん張りどころ。コロナが収束したら元通りになるはず」と前向きに考えようとしても、その先に待っているのはチーム消滅かもしれない。それならば、いっそ今すぐ破産申請してしまうべきか。
MiLBチームは難しい選択を迫られている。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/07/13/Ratings-and-Research/MiLB-revenue.aspx