北米スポーツ界のトレンドの一つがスタジアムのキャッシュレス化である。
四大スポーツでは、2019年にメルセデスベンツ・スタジアムとトロピカーナ・フィールドが初めてキャッシュレス化に踏み切り、その後センチュリーリンク・フィールドとビビント・スマート・ホーム・アリーナの2施設が続いた。
メルセデスベンツ・スタジアムを所有するAMB Sports & Entertainment社によれば、キャッシュレス化は管理費の削減や購買促進といった効果を生んでいるという。
それらに加えて、現在議論されているのが、「キャッシュレス化によって現金のやり取りが不要になれば、人と人の接触が減り、コロナウイルスの感染リスクも下げるのでは」という点である。
今月1日、AMB Sports & Entertainment社はネット会議を開催し、キャッシュレス化に関する情報を共有した。
このネット会議には、四大リーグ、MLS、PGAツアー、NCAA、そしてNASCARから実に900人が参加したという。ここからもキャッシュレス化に対する注目度の高さがうかがえる。
AMB Sports & Entertainment社のグレッグ・ビードルズ氏は「一番のハードルは、一気に増えるカード決済を素早く処理できるシステムを構築できるかです」と言う。
また、ニューヨークやフィラデルフィア、サンフランシスコといった大都市では、あらゆるビジネスにおいて「現金を扱わない」ということが条例によって禁止されているため、現状、キャッシュレス化はできない。
今後、キャッシュレス化が浸透し、大都市に拠点をチームが本格的に導入を検討すれば、法改正を求めるロビー活動も見られるかもしれない。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/05/18/Facilities/Cashless.aspx
“コロナウイルスをきっかけにキャッシュレス化進む?” への 1 件のフィードバック