コロナウイルスの影響であらゆるスポーツイベントが中止になるなか、「スポーツを生で観戦したい」というニーズは日に日に高まっている。
NFLやNBAは過去の試合を無料で見られるサービスを始めたが、過去の試合には「何が起こるかわからない」というスポーツ特有のドラマ性はない。
そんななか、「この状況はひょっとするとeスポーツにとってチャンスなのでは?」という声が上がっている。
eスポーツは、選手が直接会わなくても対戦できる。もともと、イベント会場で生観戦するよりもネット上(Twitchなど)での観戦が一般的なエンターテインメントである。
Overwatch Leagueコミッショナーのピート・ブラステリカ氏は「私はスポーツが大好きでスポーツが恋しいので、この状況を楽しんでいるとはとても言えません」と言う。「しかし、ウイルスの流行を抑え込むなかで、Overwatch LeagueやCall of Duty Leagueが人々に興奮とエンターテインメントを提供できるというのはいいことです」
とはいえ、話は単純ではない。eスポーツ団体や選手のなかには中国に拠点を置くものも多く、コロナウイルスの影響を真っ先に受けることになった。
また、いくつかのeスポーツ団体は「ネット中継中心のビジネスモデル」から「各チームがホームタウンを持ち、生観戦に重点を置くビジネスモデル」への変革に取り組んでおり、ネット中継だけを行うというのはこの変革に逆行することになる。
Overwatch Leagueのサンフランシスコ・ショックを所有するアンディ・ミラー氏は、生観戦のイベントを中止し、ネット中継に集中することは「地元のマーケットを開拓する努力に逆行する」とコメントしている。
一方で、ミラー氏によれば、Overwatch Leagueは、この機会にゲーム好きだけでなくスポーツ好きにアプローチしていく計画を進めているという。
ある調査によれば、先週、アメリカでテレビゲームをする時間は75%増え、ある韓国のeスポーツリーグは試合の視聴時間が42%増えたという。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/03/23/Sports-and-Society/EsportsCV.aspx