マスコット「イメチェン」の裏に大人の事情

フィラデルフィア・フィリーズのマスコット「フィリー・ファナティック」はアメリカで最も有名なマスコットの一つである。2018年には、ドアラ・つば九郎との共演も果たしており、日本での知名度も高い。

そんなファナティックのデザインが今シーズンわずかに変わった。

写真の右が従来、左が今シーズンのデザインである。わかりにくいが、目の周りが少し派手になり、靴下や靴の色が変わった。

これだけ見ると平和なニュースのように見えるが、この裏にはちょっとした大人の事情がある。

ファナティックは1970年代にボニー・エリクソン氏とウェイド・ハリソン氏が作り上げたキャラクターで、1984年にフィリーズがその著作権を買い取ったことで、チームマスコットとなった。

しかしアメリカでは、著作権の譲渡から35年後に契約の再交渉をする機会が認められており、現在、エリクソン・ハリソン両氏がフィリーズにより高額の譲渡金を請求しているのである。

この件が明らかになったのは2018年。両氏がフィリーズに「契約金払わないと著作権取り上げるよ」と通知。それに対し、フィリーズは「ファナティックがここまで人気になったのは我々のおかげ」と反論。ファナティックの権利を保持するための訴訟を起こした。

しかし現在のところ問題が解決する気配はなく、このままいけば6月15日に契約が切れ、フィリーズはファナティックの著作権を失う。

そうなる前にファナティックのデザインを変えることで「これはもう別のキャラクターです」と言える状況をつくっておきたい。それがデザイン変更の隠れた意図なのである。

エリクソン氏は今回のデザイン変更に関して「契約の再交渉に応じようとしないフィリーズにはがっかりです。今回『新しいファナティック』とやらが発表されましたが、あれは我々の知的財産権そしてフィリーズファンに対する侮辱です」と怒りを露にしている。

参考文献:
https://www.cbssports.com/mlb/news/phillie-phanatic-makeover-is-an-affront-to-fans-everywhere-says-mascots-creators/
https://www.nbcsports.com/philadelphia/phillies/phillies-biggest-october-battle-involves-phanatic
https://www.mcall.com/sports/ironpigs-phillies/mc-spt-phillies-phanatic-redesign-creator-20200225-s4thhl7fnngwfftxibnblvvxfm-story.html

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中