
ヒューストン・アストロズのサイン盗み騒動が大きな波紋を広げている。
サイン盗みに高性能カメラ等の最新技術が使われたことから、サイン盗みを防ぐためにはそういった新技術を球場から排除するべきだと主張する野球ファンは少なくない。
しかし、当のMLBは180度異なる意見を持っている。つまり、サイン盗みを防ぐには、さらなる新技術を導入するべきだ、ということである。
ここ数年、MLBのリーグ関係者は、アップルやグーグルといった企業とミーティングを行い、野球に導入できそうなデバイスの案を出し合っている。以下はその例である。
① イヤホン
ピッチャーがイヤホンをつけ、キャッチャーが被るマスクに小型マイクを搭載する。キャッチャーがピッチャーに音声でサインを送る。
② ウォッチ
アップルウォッチのようなデバイスをピッチャーとキャッチャーが身に着け、それを通じてサイン交換を行う。
③ 照明
マウンドに立つピッチャーにしか見えない場所に照明を設置。キャッチャーがアップルウォッチのようなデバイスを身に着け、それを使って光を点滅させることでサインを伝達する。
これらの新技術を導入するためには、「デバイスの開発」、「選手からの承認を得る」といったいくつものハードルがあるが、さらに考慮すべきことはそれが試合時間に与える影響である。
ここ数年MLBが最も力を入れていることの一つが試合時間の短縮である。もし新技術導入によってサイン交換に時間がかかってしまえば、それは新たな問題につながってしまう。
今後、どのような新技術が開発・導入されるのか、注目である。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/01/20/Technology/MLB.aspx