ここ数年、アメリカのスポーツ界では観客動員数の落ち込みが顕著になっている。それはNFLも例外ではない。
2019年、NFLのチケット売り上げは過去15年間で最低を記録した。
その背景にはテレビ観戦の質が飛躍的に向上したことがあると多くの人は考えるが、NFLは「それならしょうがない」と簡単にあきらめることはしない。
「NFLの試合を最も楽しめる場所はスタジアム。そういう状況をつくらなければならない。それが我々の基本的な姿勢です」とNFLのボビー・ギャロ氏は言う。
そのための施策として、2013年以来、NFLは調査員を独自に雇い、すべての試合に忍び込ませている。
調査員は、スタジアムでのサービスや試合会場でのイベントなどを評価し、良かった点や改善すべき点などを報告書にまとめる。
これに加え、2018年からは、リーグもしくは他のNFLチームのスタッフが同様の調査・評価をするシステムを導入。評価対象は、駐車場の状況からハイライト映像の質まで多岐に及ぶ。
ボルチモア・レイブンズのジェイ・オブライエン氏は「様々なNFLの試合に足を運んでいる調査員の報告書は非常に貴重です」と言う。「そういった調査員は、我々と他チームを比較し『ライオンズはこんなことしてましたよ。レイブンズでも試してみては』というような情報をくれる。これはファンがくれる意見とは一味違います」と言う。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2020/01/13/Franchises/Shoppers.aspx