
先週木曜日、IOCは新たな基準を発表した。新基準の目的は、オリンピック期間中にアスリートが政治的なメッセージを発信することを厳格に取り締まること。東京オリンピックから適用される。
アスリートが政治的なメッセージを発信すること自体は、オリンピック憲章50条によって禁止されてきたが「どういった言動が政治的と見なされるか」に関しては明確な基準がなかった。
今回発表された基準では、「膝をつくこと」「アームバンドに政治的なメッセージを書き込むこと」「メダル授賞式を妨げること」「拳を突き上げるような手を使ったジェスチャー」などが禁止事項として挙げられた。
一方で、新基準はアスリートが自由に意見を発信できる場も明確にした。
たとえば、インタビュー、プレスカンファレンス、SNSなどでは、メッセージを自由に発信することが認められた。
新基準を違反した場合の罰則に関しては、IOCではなく各国のオリンピック委員会(日本の場合はJOC)に一任するとも発表された。
IOCが罰則を与えない以上、メダルはく奪のような重い罰則は与えられないとも推測される。
たとえば、昨年8月、ペルーで開催された国際大会においてハンマー投げのウェン・ベリー選手が国歌斉唱中に拳を突き上げた。
アメリカオリンピック委員会は、これを政治的な行動と見なし、「12か月の保護観察」という罰則を科している。
さて、東京オリンピックでは、禁止された行動を強行するアスリートは現れるのか。現れた場合、どのような罰則が与えられるのか。SNSではどのようなメッセージが発信されるのか。注目である。
参考文献:
https://www.nytimes.com/2020/01/09/sports/olympics/olympics-protests-politics.html
https://www.olympic.org/-/media/document%20library/olympicorg/news/2020/01/rule-50-guidelines-tokyo-2020.pdf