
Q. 日本では今、ラグビーのプロリーグ設立が議論されています。新リーグに際して注意すべきことは何でしょう。
A. 先ほどお話したように、ラグビー市場に存在する組織は互いに影響を及ぼしています。
したがって、新リーグ立ち上げに際しては、「リーグを成功させるために自分たちは何をすべきか」とだけ考えるのではなく「リーグ成功のために、他のラグビー関係者は何をすべきか」も考える必要があるでしょう。
それが明確になれば、それをサポートすることが可能になります。
また、「他のラグビー関係者(たとえば高校ラグビーや大学ラグビー)が成功するために、自分たちプロリーグは何をすべきか」も考えなくてはなりません。
アメリカの場合、プロリーグが果たすべき重要な役割は、アマチュア選手に明確な目標を与えることでした。日本の場合も同様の役割が期待されるかもしれませんが、全く異なるかもしれません。
それをきちんとクリアにすることが第一だと思いますね。
Q. それは非常に重要な知見ですね。プロ化の議論では、「需要はあるのか」「ターゲットは誰なのか」というように、消費者に注目することが多いのですが、ラグビー市場に存在する他の組織や関係者の視点も重要ということですね。
A. 日本というユニークな文化のなかでラグビー市場がどのように形成・機能しているのか、私も非常に興味を持っています。いつか日本に行って、研究したいですね。