Q. プロクラブを締め出してまでアマチュアリズムを貫いてきたラグビー・ユニオンが1995年にプロ化に踏み切ったのはなぜだったのでしょう?
A. それには、新興ラグビー団体の台頭が大きく影響しています。
新たに立ち上げられたラグビー団体が、選手とプロ契約を結び、給与を与えることで、それまで所属していた団体から有望な選手を引き抜こうとしたのです。
ラグビーの歴史を見てみると、様々なラグビー団体が立ち上がり、それぞれがラグビーと言うスポーツをコントロールしようと覇権を争ってきた歴史であることがわかります。
覇権を奪うには有望な選手を囲い込むことが重要になります。そして、そのためには、選手に給与を支払う、つまりプロ化に向かって進むのは当然の道だったのでしょう。
私はこのインタビューの序盤で労働市場の重要性について話しました(コメント欄参照)。
そこで「アスリートがいなければ何も売ることも買うこともできない」と言いましたが、ラグビーがそれを示す良い例です。
結局、ラグビーというスポーツをコントロールするためには、アスリートという労働者を引き込むことが第一なのです。