Dr. McLeodインタビュー⑤2つのアイデンティティ

Q. 先ほど言った通り、先日訪れたすべてのスポーツ組織が、「スタッフが自分の仕事に誇りを持つことが重要」と考えていました。

さらに興味深かったのは、それをスタッフ個人の問題にするのではなく、職員が誇りを持てるように組織として取り組んでいる点です。

たとえば、テキサス工科大学の体育局には、スタッフしか着ることが許されないアパレルがあります。そしてそれがすごくかっこいい。

また、ダラスにあるマイナーリーグのチームは、若手社員をチームの代表として自治体の委員会に参加させています。

こういったことを通して、そこで働いていることの特別感を演出しているわけですね。

このように組織内の人に向かって行うブランディングを「インターナル・ブランディング(Internal Branding)」と呼びますが、アメリカのスポーツ組織は、それを戦略的に行っている印象があります。

A. なるほど、面白いですね。

もう一つ付け加えるとすれば、スポーツ組織で働く人には2つのアイデンティティがある、ということです。

一つは、チームやリーグへのアイデンティティ。「私はカウボーイズのスタッフ」、「私はNBAで働いている」という実感です。これはファンが好きなチームに対して抱く感情と似ています。

私が以前、スポーツ組織のインターンを対象に行った研究では、多くのインターンがこのようなアイデンティティの重要性について言及していました。

もう一つは、自らの業務に対するアイデンティティ。これは職場・同僚とのつながりや自分の役割に対する愛着です。

この2つのアイデンティティに関してはまだわかっていないことが多いのですが、社員の誇りを維持・向上させるためには分けて考える必要があるかもしれません。

Q. なるほど。たとえば、働きたての頃はチームへのアイデンティティを強調し、長く続けてもらうためには業務に対するアイデンティティを育むことが大切、というようなキャリアのフェーズに応じた働きかけは必要かもしれませんね。

A. はい、そういったことはあると思います。アイデンティティ理論は、私の専門からは少し外れるので多くは言えませんが、面白いアイデアだと思います。

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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