Dr. McLeodインタビュー③「時間差の報酬」

Q. スポーツ組織で働くことに特有の課題があるのですね。

A. スポーツ組織で働くということは、その労働者にとって特別な意味を持ちます。そして彼ら彼女らの仕事を特別にしている要素は、大きく分けて2つ。

「Aspiration(大志)」と「Connection(つながり)」です。

一つ目の「大志」とは、言い換えれば、「労働の先に何か重要なものを見出せる」ということです。

たとえ現在の労働環境に満足していなくても「いま頑張っていることは、いつか何かを達成するために必要なこと」と感じること。これはあらゆる業種で存在するとは思いますが、スポーツ産業では顕著です。

二つ目の「つながり」とは、「私は大好きなカウボーイズで働いているんだ!」というような、とても個人的で感情的なつながり。スポーツ組織で働く人は、そういったつながりをしばしば形成します。

私はアメリカに来る前に工場で働いていたことがありますが、そこで労働者が目指していることは「より素早く、より効率的に」ということ。それが収益を上げる唯一の手段だからです。

その職場には、私にとって個人的な目標は存在しませんでした。そしてその工場に対して愛着もありませんでした。その職場で私が望んでいたものは、自分が働いた分の給与をもらうこと。それだけでした。

一方で、私が大学院でスポーツマネジメントを学んでいたとき、金銭的な見返りがない仕事でも率先して行っていました。それは「いま頑張った分がいつか返ってくる」と考えていたからです。

この「時間差の報酬」ともいうべきものが、スポーツ産業にはあると思います。

Q. なるほど。大学院は「成長の場」という側面が強いと思いますが、スポーツ組織で働く人、たとえばチケットセールスの人も「時間差の報酬」という考えを持っていると思いますか?

A. 確かなことは言えませんが、持っていると思います。

たとえば、インターンシップは無償のことも多々ありますが、多くの人がその職を取りに行きます。それは「ここで結果を残せばもっといい仕事にありつける」と考えているからでしょう。

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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