先週開催されたWBSS決勝、井上尚弥選手対ノニト・ドネア選手の試合は井上選手の判定勝ちで幕を閉じた。
この試合は海外ボクシングファンの間でも大きな反響を呼び、SNSなどに投稿された称賛の声は日本のメディアでも報じられた。
一方で、海外ボクシングファンの間で話題になっていながら、日本のメディアではあまり取り上げられていないことがある。
それは判定後に、井上選手が見せたある行動についてだ。
判定の後、井上選手は、ドネア選手がそれまで保持していたWBAスーパー王者のベルトを手渡され、これを受け取った。
しかし、それに続いて大会関係者がもう一つベルトを渡そうとしたとき、井上選手は手を振り「それは受け取らない」という意思を表示したのである。
これを見た海外ボクシングファンは「井上よくやった!」「井上への尊敬が増した」といった声を上げた。
この時、井上選手が受け取りを拒否したのはWBCの「ダイアモンドベルト」と呼ばれるベルト。
井上選手もドネア選手もWBCの王者ではなかったのにも拘わらず、なぜここでWBCのベルトが出てくるのか?なぜ井上選手は受け取りを拒否したのか?そしてなぜボクシングファンはそれを称えたのか?
それには、WBCというボクシング団体が持つ特異なシステムが関係している。
つづく。
参考文献:
https://www.worldboxingnews.net/2019/11/07/naoya-inoue-wbc-reject-top-rank/