北米メジャーリーグでは、チームオーナーが他にビジネスを持っていることがほとんどだ。不動産、物流、ホテル、メディア、金融などなど。
オーナーからすれば、仮にチームそのものが多くの利益を生まなくても、チームを所有することで他のビジネスに好影響があれば、それは重要な価値となる。
たとえば、2017年にヒューストン・ロケッツを買収したTilman Fertitta氏は、レストラン、ホテル、カジノ、その他エンターテインメント関連の企業を経営している。
ロケッツの本拠地にFertitta氏が経営するレストランを入れ、VIPをもてなすために同氏のホテル・エンターテインメント会社を活用すれば、そのレストランやホテルの評判が高まり、顧客が増えるかもしれない。
また、チームを所有することで新たな産業に参入することもできる。
たとえば、ここ数年、NFLやNBAのオーナーたちはeスポーツに投資をしている。スポーツイベントを運営するために必要な施設や人脈、ノウハウを持っているオーナーたちは、それらをeスポーツイベントのために提供することができる。それによってeスポーツイベントが成功を収めれば、オーナーたちの懐も潤う。
このように、チームを所有することで様々なビジネス機会が生まれるのだ。
前回の投稿では、チームが収益を拡大することで生まれる経済効果を説明したが、それ以外にもオーナーが利益を上げる手段はあるということである。
Sherman氏の場合、カンザスシティのビジネス界に広い人脈を持ち、信頼も厚い。彼が新オーナーとなり地元企業と協働すれば、これまでにはなかった経済活動が生まれるかもしれない。もとより起業家として一財をなした人物である。そのようなビジョンを持ってロイヤルズを買収した可能性は大いにある。
参考文献:
https://www.espn.com/esports/story/_/id/24203693/how-blizzard-convinced-robert-kraft-other-billionaires-buy-overwatch-league
https://eu.usatoday.com/story/sports/nba/2017/09/05/who-new-houston-rockets-owner-tilman-fertitta/633557001/