Dr. Millsインタビュー②経済効果が過大評価されるメカニズム

Q. 「対象地域内での出費をただ足し算することで経済効果が過大評価される」とのことですが、ただ足し算することがなぜ過大評価につながるのか具体的に教えてください。

A. たとえば、フロリダ大学でフットボールの試合があったとします。
そして、その試合を見るために多くの人がスタジアムを訪れ、試合の前後にはスタジアム周辺のレストランやバーに行くとします。

この時に費やされた金額の合計、これが、私が先ほど言った「ただ足し算をして算出した経済効果」です。

ところが、このスタジアム周辺のレストランやバーは試合がない時でも営業をしていますし、もしかしたらもともと人気かもしれない。その場合、フットボールの試合がもたらした追加の消費は限られていますよね。

また、フットボールの試合がなくても同程度の消費活動が起きている可能性もあります。たとえば、試合の代わりに映画に行ったり、クラブに行ったり。

この場合、対象地域における消費活動の絶対数は拡大していないことになります。

域外から観光客が来ると新たな消費が生まれますが、この消費に関しても「それがスポーツイベントが生み出したものか」は慎重に検討しなくてはいけません。

というのも、試合を見に来た観光客のなかには「試合を見に来るためにやって来た」という人だけでなく「別件で訪れたらたまたま試合もあったので見に来た」という人もいるからです。

後者の場合、地元住民の場合と同様、試合がなくても別のエンターテインメントに出費をしていた可能性があります。

このように、スポーツイベントが生み出した経済効果を特定するためには、様々な条件を考慮しなくてはなりません。それらを無視して単純に足し算して算出された経済効果は過大評価と言わざるを得ません。

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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