野球におけるアナリティクスは、ここ5年間で急速に進歩した。
打球角度や投球の回転数といったデータは、選手のパフォーマンス向上や相手選手の攻略といったオンフィールドの活用だけでなく、消費者の興味を惹くためや観戦経験向上のためなどオフフィールドの活用も多様になっている。
この背景には、TrackManという3Dレーダーが普及していることがある。
MLBチームは5年ほど前からTrackManを導入し始め、現在では全30球団の本拠地に設置されている。
このアナリティクスの波はこれまでプロ野球に留まっていたが、現在、大学野球にも影響を与え始めている。
大学野球でTrackManを導入したチームは、2017年の20チームから、2018年に37チーム、そして2019年には55チームにまで増加した。
大学野球は、現在、NCAAが主催する全米選手権の決勝ラウンドが行われているが、同大会に参加したシード校16校のうち実に14校がTrackManを導入しているという。
TrackManで大学野球を担当しているZach Day氏は「MLBからの波及効果が現れつつあります」と言う。
TrackManが収集したデータは、プロ野球同様、オフフィールドの用途にも活用される。
たとえば、アリゾナ州立大学は、選手がホームランを打つと、その打球速度、角度、飛距離といったデータを用いた画像を作成し、Twitterで公開している。
TrackManが提供するレーダーの設置費は20,000ドル。各大学は、この設置費に加え、TrackManが提供するデータの受信料を支払わなければならない。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/06/03/Colleges/Analytics.aspx