Dr. Sandersonインタビュー② ソーシャルメディアの弊害

Q. ソーシャルメディアの登場が引き起こした弊害は何でしょう?

A. 一つは、倫理的な問題です。
たとえば、メディアがアスリートのツイートを情報源として使うことは適切なのか?そのアスリートに許可を得ずに報道に使っていいのか?

あるいは、私が個人的にすごく興味を持っているのは、アスリートが何年も前に投稿したものを引っ張り出して批評するという現象です。

ミルウォーキー・ブリュワーズのジョシュ・ヘイダーはそのいい例です。2018年、彼はMLBのオールスターに出場したのですが、その試合中、誰かが彼の高校時代のツイートを引っ張り出してきて、それが性差別的、人種差別的、同性愛嫌悪的だと批判しました。そしてそれが瞬く間に全国的なニュースになったのです。

こういった事例は他にもあります。そして、小学生がソーシャルメディアを使う今日において、「古い投稿」はどんどん増加していくでしょう。

そのとき、10年以上前に投稿したコメントを基に「こいつは同性愛者に対する偏見がある」と批判するのは正しいのでしょうか?

もちろん、そのような投稿を擁護するわけではないのですが、義務教育も修了していないときに投稿したコメントと22歳になった現在との間に、どれだけの関連があるのでしょう?

残念ながら、「古い投稿」に関する事例は後を絶ちません。そしてその背景には、現在のメディア界に存在する「クリック文化」があります。

クリック文化とは、インターネットで公開した記事をいかに多くの人がクリックするかでその記事(あるいは記者)を評価するという風潮を指す言葉です。

クリックを稼ぐには、「10年前に」や「13歳の時に」などとは言わず、「〇〇選手が人種差別的な投稿をした」とだけ言ったほうがいいわけです。

メディア関係者は、このクリック文化の弊害を理解している人々もたくさんいるのですが、収益を上げるためにはやらざるを得ないようです。

参考資料:
https://www.wsaw.com/content/news/Josh-Hader-apologizes-after-offensive-tweets-resurfaced-488468401.html

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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