今週金曜日、WNBAの2019年シーズンが開幕する。このシーズンはWNBAの今後を占う非常に重要なシーズンとなる。
WNBAはここ数年、観客動員の低迷が顕著になっている。
昨シーズンの平均観客数は6,769人(前年比12%減)。7,000人を割ったのはリーグ史上初だ。
収益性が上向く気配もない。WNBAはその設立以来、22年間、毎年平均1000万ドルの赤字を出し続けているという報告もある。
さらに、選手との契約問題も表面化している。
北米四大スポーツリーグの選手がシーズン終了後にオフを迎えるのに対し、WNBAの選手にはオフはない。ヨーロッパやアジアのリーグに出場するからである。
WNBAの昨年の平均年俸は11万6000ドル(約1280万円)。これは海外リーグと比較すると極端に少ない。
WNBA選手会長のNneka Ogwumike氏によれば「一年WNBAでプレーしてもらう給料を、海外なら1,2か月でもらえてしまうという選手もいます。おそらく、海外リーグに参加してもらえる給料はWNBAの3-5倍だと思われます」と言う。
選手が望む給料を支払うため、選手に心身を休めるオフを提供するため、リーグは年俸の引き上げを急がなくてならない。
こういった山積する問題を解決するべく、このオフシーズン、WNBAは様々な改革を実行してきた。
まず、リーグロゴを刷新し、若年層をターゲットにした様々な広報活動を展開した。
また、CBS Sports Networkをメディアパートナーに追加し、同局が40試合を中継することになった(昨年まではESPNとNBA TVが中継していた)。
そして、AT&Tと大型のスポンサー契約も結び、各チームのユニフォームには同社のロゴが掲載されることになった。
さらに、今月15日、WNBAはDeloitteのCEOであったCathy Engelbert氏を同リーグ初のコミッショナーに任命した(それまではPresidentというポジションであった)。
これらの改革は果たして実を結ぶのか。今シーズンのWNBAに注目である。
参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/05/20/Leagues-and-Governing-Bodies/WNBA.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2019/05/20/Leagues-and-Governing-Bodies/WNBA-CBA.aspx
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