今週は、ソーシャルメディアキャンペーンの成功事例をいくつか紹介してきた。これらのキャンペーンはどれもユニークなハッシュタグを使用している(#WhatsYourGoal、#BlackSundayなど)。今日は、このハッシュタグに注目して、成功事例の共通点をまとめたい。
1.チーム名を外す
一つ目の共通点は、ハッシュタグにチーム名やスポーツ名が含まれていないことである。
スポーツチームがファンの投稿を募ろうとするとき「応援メッセージをチーム名のハッシュタグを添えて」と考えがちである。ところが、チーム名が含まれたハッシュタグを使うと、投稿する人が既存のファンに限られてしまい、大きなバズが起こりづらい(すでに多くのファンがいるチームなら別だが)。
言い換えれば、「内輪だけで盛り上がっている感」が出てしまうのである。
「#WhatsYourGoal」「#BlackSunday」のように、ハッシュタグからあえてチーム名を外すことで、ファンだけでない様々な人を巻き込むキャンペーンになり得る。
しかし、もちろん、チーム名のハッシュタグを使用すること自体が悪いわけではない。実際、#WhatsYourGoal キャンペーンでも#BlackHawks というハッシュタグとともに投稿する人もたくさんいた。
ここで指摘しているのは、チーム名のハッシュタグとは別のキャンペーン用ハッシュタグを新設することが重要だということである。
2. 使い道を広げる
ハッシュタグに関してもう一つ重要なことは、その使い道を広げることである。
たとえば、「#レイダーズ応援メッセージ」というハッシュタグの場合、レイダーズの応援メッセージを投稿する以外の使い道がない。これでは大きなバズは起こらない。
一方「#最強のディフェンス」というハッシュタグの場合、試合を見ている人が選手を称える際にも使えるし、子どもが枕投げをしている動画を投稿する際にも使えるし、お菓子をくわえた愛犬がソファの裏に逃げた写真を投稿する際にも使える。
このように、ハッシュタグに解釈の余地を残しておくと、大喜利的な要素が生まれ、興味を持つ人が増える。
ある研究結果によれば、人は興味深いもの・異様なもの・面白いものを目にした際に、それをシェアする傾向がある。そういったものを人々から引き出すために、ハッシュタグの使い道は広いほうが良い。