従来、NHLは各チームに「ブックメーカーとは業務提携を結んではならない」という厳格なルールを適応してきた。しかし、2018年5月の最高裁判決後、NHLは他のどのリーグよりも柔軟な対応を見せている。
スポーツ賭博に関して積極的なNBAと比較するとわかりやすい。
前回の投稿で説明したように、NBAはスポンサーとなるブックメーカーに公式データの購入を義務付けている。NHLはそのようなルールは設けていない。
NBAには「本拠地の州がスポーツ賭博を合法化するまで、各チームはブックメーカーと業務提携を結ぶことができない」というルールがある。NHLにはない。
NBAは、試合中継の合間にブックメーカーのCMを流すことを禁止している。NHLは禁止していない。
NHLは2017年、四大リーグで唯一、ラスベガスに本拠地を置くチーム(ベガス・ゴールデンナイツ)を設立した。以来、リーグはカジノやブックメーカーなどのギャンブル関係者から意見を集めてきた。
NHLのKeith Wachtel氏は「ブックメーカーはリーグから公式データを買いたがっている」と言う。「話を聞くと皆NHLからデータを購入したがっていることがわかった。誰も『おたくのデータはいらない』とは言わないんだよ」。
ギャンブル関係者もNHLの柔軟な姿勢を好意的に捉えている。
William Hill USのJoe Asher氏は「我々がやりたいと言ったことに関してNHLがノーと言ったことはない」と話す。
なお、NHLはすでに複数のブックメーカー(FanDuelとMGM Resorts)と業務提携を結んでいる。チームレベルでは、2018年10月に、ゴールデンナイツが四大リーグのチームとしては初めてブックメーカーのWilliam Hillとスポンサー契約を結び、その数週間後にはニュージャージー・デビルズが同じくWilliam Hillとスポンサー契約を結んだ。
参考文献:
https://www.legalsportsreport.com/25544/fanduel-nhl-sports-betting/
https://www.legalsportsreport.com/25328/mgm-nhl-official-sports-betting-partnership/
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/06/25/Leagues-and-Governing-Bodies/NHL-meeting.aspx
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/10/29/Leagues-and-Governing-Bodies/NHL-gambling.aspx