「第5クォーター」NFLの試合終了後戦略

昨今、NFLチームは、試合終了後も観客がスタジアムに残るような働きかけをしている。この試みは、第4クォーターで試合が終了した後のイベントという意味で「5th Quarter(第5クォーター)」と呼ばれる。

たとえば、デトロイト・ライオンズの本拠地フォード・フィールドでは、試合終了後にスタジアムのテレビで他球場の試合中継や交通情報を流す。スタジアム内のバーは試合終了後1時間は営業を続け、コンセッションではドリンクやフードが安値で提供される。ライオンズによれば、一般客だけでなく、スイートルームを使う顧客の約半分が試合終了後もスタジアムに残るという。

アメリカではスポーツ観戦者のほとんどが車でスタジアムに来るため、試合終了後は駐車場と周辺道路がひどく混雑する。それが観戦者にとって大きなストレスとなるため、試合終了を待たずにスタジアムを後にする人も多い。特にアメリカンフットボールは試合時間が長く試合終了時刻も予測しづらいため、そういった行動を取る観戦者が多い。

しかし、試合終了前に多くの観客が帰ってしまうと、スタジアムには空席が目立ち、スタジアムの雰囲気を損ねる可能性がある。また観戦者がスタジアムに滞在する時間が短くなれば、その分、飲食やグッズにお金を使う機会も減少する。「第5クォーター」はこういった問題を解決しようという試みなのである。

また、「第5クォーター」は新たなスポンサーシップの機会もつくり出す。たとえば、前出のライオンズは、試合後にフィールドを5~14歳の子どもに開放するが、このイベントにはKrogerとUnited Dairy Industry of Michiganがスポンサーについている。子どもたちはフィールドを駆け回った後、記念品をもらって帰路につく。同チームのKelly Kozole氏によれば、1500人もの子どもがこのイベントに参加するという。

他にも、シカゴ・ベアーズの本拠地ソルジャー・フィールドの外には、Miller Liteが冠スポンサーのテイルゲーティングエリアがある。ここでは、スタジアム周辺に残った人が飲食を楽しむ。

ジャクソンビル・ジャガーズの本拠地TIAAバンク・フィールドでは、コンセッションやグッズショップが試合終了後2時間も営業を続け、店内では他球場の試合中継を流している。ジャガーズの算出では750~1000人のファンが試合後もスタジアムに残るそうだ。

参考文献:
https://www.sportsbusinessdaily.com/Journal/Issues/2018/12/03/Facilities/5th-Quarter.aspx

投稿者:

akiraasada

テキサス工科大学スポーツマネジメント学部で教員をしています。専門はスポーツマーケティング。特に、人がスポーツファンになるメカニズムを研究しています。

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